いま会いに行ける「推し」を作るなら、噺家さんがいいんじゃない!?と思った「上方落語若手噺家グランプリ」予選会の夜。
舟歌からラップまで! 振り幅が広すぎる前半戦。
出囃子が鳴って登場したのは、トップバッターの桂文五郎さん。演目の「三十石」は、京と大坂を結ぶ三十石舟の船上を舞台にした古典です。舟歌や、はめもの(囃子)もあり、古典落語を聴いてます!という満足感があります。艶っぽい場面もあったりで、粋な感じでした。
二人目は、桂小留さん。お名前、ちろると読みます。演目は「茶目八」。口から出まかせばっかりしゃべる太鼓持ちが、ひいきの旦那のおめかけさんの家でえらい目に遭う話です。ご本人のキャラにもすごくあってて、古典ですがめっちゃポップ!いっぱい笑いました。
三人目は、笑福亭大智さん。めっちゃ声が通る!!なんか圧が強い!!枕のエピソードから察するに、元ヤンの方でしょうか。演目の「天災」は、短気でけんかっ早くて、嫁を殴り母親を蹴る男が主人公。キャラそのまま、ぐいぐい力業で引っ張っていく感じでした。面白かった!
四人目は、桂文路郎さん。2015年入門の若手で、演目は「あんあん」。雑な人をつぶあん派、繊細な人をこしあん派にわける新作落語です。PTAの会議を無断欠席するがさつな人が「つぶあん派よあの人!」とディスられてましたが、まさに私はこの日PTAの会議を欠席してこの場にいたので、私つぶあん派やわ……と肩身の狭い思いで見てました。
五人目は、月亭太遊さん。演目は「Chi~No~Re:」。農村のイベントのステージに、いろいろな人が上がる話。ヘビメタ、村下孝蔵、民謡などを歌う人が次々と現れ、最後はMC村八分によるコール&レスポンス! 声は出せませんが、 盛り上がりました。楽しかった!
5人が終わったところで、いったん休憩に入ります。座って聴いてるだけのくせに、なぜか私ものどがカラカラ。水分補給して、後半戦に備えます。
2022.07.08
Writing
金輪際セメ子
Photo
依藤 寛人