「人生は思っているほどシリアスじゃない」。映画『ニワトリ☆フェニックス』の公開に先駆けて、キャスト陣にインタビュー!


これは観終わった人が、「ああ、なんか気持ちいいなあ」となるような作品。『道草アパートメント』周辺は、もはや自分たちのホームです(笑)

今作はかなりエキセントリックな展開もたくさんあって、ひとつのカテゴライズが難しいのですが、この物語が最も伝えたいメッセージというのは何だと思いますか?

紗羅:私はシンプルに、「大切な友達が人生にたったひとりいてくれたらそれでいい」ということだと思いましたね。

井浦:監督が作るものは、監督を介して生み出されるものだから、どうしてもメッセージも世界観も色濃くなるんです。映画って何かに対して強く訴えているものがあるじゃないですか。作り手の思想とか思考、メッセージとか。映画作りの根源にあるものは、弱者のためのものだったり、弱者に手を差し伸べるものであるはずなんです。映画って本来そういう役割を求められていると思っていて。監督もそういう強い思いの塊のような人で、その思いを余す事なく詰め込んだのが前作の『ニワトリ★スター』だったとしたら、今作はそういうものをいちど降ろして、引き算で生まれたものだと感じています。

監督が今作について「とにかく気持ちのいい作品にしたいんだ」と言っていたんですけど、「観る人たちが気持ち良くなってほしい」「心を潤してほしい」ってずっと言っていて。今作は、いま仰ってくれたように“映画らしい方程式”が無いんです。だから、この作品を真面目に映画として解説しようとすると、「何なんだこれは?」「何を掴めばいいんだ」「解説できない」となると思うんです。ただ単に、不可思議で気持ちのいい時間が100分ほど続いているっていう、ただ、そういうことなんです。この作品はみなさんにとって人生の3本指に入るような衝撃的なものではないのかも知れないけど、観た人の感覚が「ああ、なんか気持ちいいなあ」となるような、そういう存在にしたかったんだろうなと。特別なメッセージが無いのが、この映画のメッセージというか。

確かに、そう感じます。ところで、物語にも出てくる大阪・ミナミのアンダーグラウンドな名所『道草アパートメント』あたりは、みなさんにとってもすでにローカルな場所ではないでしょうか。

※前作『ニワトリ★スター』の舞台でもある大阪・日本橋『道草アパートメント』は、かなた狼監督が大家を務めるニッチなアパートメント。レトロな雑貨バーやインテリアショップが入居しています。

成田:あのあたりはやっぱりどこかで自分のホームという感じがありますよね。あのあたりから日本橋、味園ビルのあの飲み屋の雰囲気とか。

井浦:僕も、梅田とか心斎橋行くとすっごいソワソワしちゃうんだけど、日本橋に帰ってくるとなんかほっとするよね(笑)

紗羅:エンディング曲『ありがとう』のレコーディングで大阪に来た時に、黒門市場あたりを歩いたんですけど、「ああ~落ち着く~」ってなりましたよ。何でだろう?住んでいたわけじゃないのに‘(笑)

井浦:すごいわかる。あのエリアに漂う「あ~……、落ち着く~」ってなる感覚(笑)

 
 
終始和やかにお話をしてくださった井浦新さん、成田凌さん、紗羅マリーさん、今回はありがとうございました!そんな3人が出演する作品『ニワトリ☆フェニックス』は、明日4月15日(金)公開です。ぜひ映画館に足を運んでくださいね!!


『ニワトリ☆フェニックス』あらすじ

なにかから少しだけ逃げたかった――。
2人の青年、草太と楽人はいるはずもない火の鳥を探す旅に出た。それぞれの人生に漂う暗い影から、"少しだけ逃げたかった"束の間の逃避行。物語と並行する謎の花嫁の存在。裏社会の追手、寂れた妖怪スナック。SM嬢の一味や、農業ラッパー、自転車旅の青年、穏やかな僧侶、誰もいない映画館の館長などなど。あてもなき珍道中で主人公が出逢う奇妙な連中や、人生のヒントをくれる様々な登場人物。果たして主人公達が探す火の鳥とは??
笑って、泣いて、また笑う。

■キャスト

井浦新、成田凌、紗羅マリー、LiLiCo、津田寛治、阿部亮平、火野正平、奥田瑛二、ジョーブログ(YouTuber)、都若丸、佐藤太一郎、シャック、マグナム弾吉 ほか

■スタッフ

脚本・監督:かなた狼
企画:GUM株式会社(Gentle Underground Monkeys Co,Ltd.)
製作プロダクション:GUM株式会社
©2022映画『ニワトリ☆フェニックス』製作委員会

公式サイト
Twitter:@hinotoritamago
Instagram:@hinotorinotamago
Tiktok:@niwatori_phoenix

■前作『ニワトリ★スター』とは

東京の片隅にある奇妙なアパート“ギザギザアパートメント”。深夜のバーでアルバイトをする草太と楽人は自堕落な生活を送っていた。これといった人生の目標もなく、大都会東京の底辺でだらだらと日々を過ごす2人。それなりに楽しくも、互いの知らない心の葛藤や変化。いつかは終わる日々。そして様々な登場人物が織りなす群像。2018年公開の“ギザギザ傷だらけ大人のファンタジー”

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