アメリカ村に立つ人型街路灯の歴史が塗り変わる。「アートで街にエナジーを!」を合言葉に、5人のアーティストたちが挑んだプロジェクト『Red Bull Reignition』に密着。

アメリカ村の各所に点在する50基の人型街路灯。個性豊かないろんなアートを纏い、街のシンボリックな存在として異彩を放ち続けてきました。アメリカ村に遊びに来たことがある人なら、「見たことある!」って人はきっと多いと思います。そんな街路灯ですが、アートが施されたのは2012年からでした。そして今回、アメリカ村街路灯アートプロジェクトが再始動!『Red Bull Reignition』の名のもと、5基の街路灯が5人のアーティストによって一新されることになったんです!MARZELでは、このアートプロジェクトの背景から今回の取り組み、イベントの模様をレポート。参加したJOE、SHUN NAKAO、アワジトモミ、IBU、KICHIの5人のアーティストのインタビューもお届けします。「アートで街にエナジーを!」を合言葉に、いくつもの想いとアートが交差して生まれた街路灯は、僕らのカルチャー発信源・アメリカ村で今日も、街行く人たちを見守り続けています!!
10月11日から13日にかけて開催された、『Red Bull Reignition』の模様をプレイバック!

アメリカ村に人型の街路灯が生まれたのは、今から遡ること25年前の2000年。アメリカ村の魅力を表現するために発案され、「人が人を守る」というコンセプトでデザインされた50基の街路灯は、以来、新たなシンボルとして移りゆく時代とともに街を見守ってきました。実は当時、この人型の街路灯は何も装飾されておらず、言わば裸のような状態だったんです。そして、2012年にアメリカ村をキャンバスに見立てたアートプロジェクトが始動。レッドブルとアメリカ村の会がタッグを組み、街路灯にアートを纏わせる取り組み『Red Bull Ignition』がスタートしました。

2012年から2015年に渡って行われた『Red Bull Ignition』では、「アートで街にエナジーを!」を合言葉に、街に点在する50基すべての街路灯にアートをデコレーション。アメリカ村に偉大な作品を残した黒田征太郎をはじめ、CASPER、BAKIBAKI、DRAGON76、BOXER JUNTAROといった国内屈指のアーティストが名を連ね、一般公募では学生や子どもたちも参加するなど、多様な人たちの創造力によって街路灯が変貌していきました。

それから10年を経て、この街でのアートプロジェクトが今年2025年に再始動。『Red Bull Reignition』の名のもと、50基の街路灯のうち5基をリニューアルすることになりました。今回参加したアーティストは、アメリカ村の会推薦のJOEとSHUN NAKAO、FM802推薦のアワジトモミ、そしてMARZELキュレーションによるIBUとKICHIの5人。それぞれが独自のスタイルを持ちながらアートシーンで活躍を続ける面々です。

10月11日(土)から13日(月・祝)にかけて『Red Bull Reignition』のイベントがアメリカ村の三角公園で行われ、11日&12日には参加アーティストのSHUN NAKAOとIBUによるライブペインティングも開催されました。


アートを纏っていた街路灯のパーツを1つずつ外し、下地処理を施してそこにペインティング!パーツは全部で16あり、それぞれの作風が際立つアートがどんどん描かれていきます。


イベント期間中はFM802主催のショーケースライブサーキット『MINAMI WHEEL 2025』も開催されており、三角公園には常に人があふれている状態。集まったお客さんたちは真剣な表情で作品に挑むアーティストの姿を見守ったり、制作工程を写真に撮ったりと、アートを身近に感じながら楽しんでいました。


三角公園の中にはレッドブルのイベントカーもスタンバイし、オールタイムでGOODミュージックを放出。SHUN NAKAOやIBUのアーティストたちも音楽に乗りながら描き、お客さんたちも一緒に盛り上がる光景が、なんとも“アメリカ村っぽい”。そんなグルーヴを感じる瞬間がずっと続いていきます。



一方で、JOE、アワジトモミ、KICHIの作品については、イベントの事前に完成。細かく描かれた作品データを施工用フィルムに印刷し、職人さんたちが熟練の技で街路灯に美しくラッピングしていきました。平面だったデータが立体化し、新たなアートを纏った街路灯の姿は、まさに街の新たなシンボルです!



2日間に渡って行われたライブペインティング。2日目は雨との戦いもありましたが、陽が沈む頃にはフィニッシュ!大作を描き終えた2人はとっても安堵な表情です!



そして、描き終えたばかりのパーツをその日の深夜に施工。裸状態だった街路灯にアートを纏わせ、今回の『Red Bull Reignition』の5基全ての作品が完成しました!

JOE、SHUN NAKAOの作品はアメリカ村のメインストリートである周防町通り沿いのBIG STEP前に、アワジトモミの作品は三角公園北側の三木楽器前、そしてIBUとKICHIの作品は三角公園の西側に!5人のアーティストが描いた新たな街路灯を、ぜひ現地でじっくり見てみてください(実はこの街路灯にはいろんなポーズがあるので、そちらも発見してみてもらえれば!)。街の新しい景色の一部となり、これからも時代とともにあり続ける作品は、どれもが最高の仕上がりです!!


次ページからは、今回参加した5人のインタビューを掲載。『Red Bull Reignition』で描いた作品の話やこの街への想い、これからの取り組みなど、いろいろ聞いているので必読でお願いします!読み終えてからそれぞれの作品を見ると、また違った視点や深まった視点で楽しめると思います。
真辺 良