そこから、見えてくるもの。回り道して選んだアーティストの道で、Gentoさんが表現し続ける、事物の奥に広がる色んな思考の世界。
アーティストとしてやりたいことはたくさんあるけど、それはこれからも続ける表現としての結果。僕は、観る人に新しい視点を生み出し、心に印象を残し続けられる存在になりたい。
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専門学校を卒業してもうすぐ2年が経ちますが、アーティストとして自分の道を歩んでる今はどうですか?
昔から1人で黙々と作業する時間が好きで、今はそこに好きな絵も加わってるので、すごく充実してます。何をするにしても自分次第ですし、どこにも属してないから、関わりたくない人と関わるパワーも使わなくていい。関わりたい人と関わり、良い影響ばかりを受けられる環境になってます。
理想的ですね。制作のプレッシャーというか、作品を生み出す苦労はあるだろうけど、余計な雑音はないと。ちなみに毎日どんな生活を送ってるんですか?
基本的には、朝起きて絵を描いて、休憩して、また絵を描く感じです。休憩と絵を描いてる時間が同じくらいの日もありますね。制作に追い込まれてる時はそうもいきませんが、詰めすぎると集中力も落ちてクオリティも下がるので、なるべくゆっくりと作品に向き合えるようにコントロールしてます。
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休憩の時はどんな息抜きをしてるんですか?
本を読んだり、布団を敷いて寝たり、家の下か近所の喫煙スペースでタバコを吸うかって感じです。でも、タバコはやめようかと思ってて。
何か理由が?今の時代的にも?
吸い始めて2年くらいなんですが、元々はそんなにハマってなかったけど、制作に没頭するにつれてタバコが日常的なものになりました。絵を描き始める前には吸ってるし、実際それで制作も捗るんですよ。まぁ、お金はかかりますが、自分の納得いく作品ができて、売れたらベストですし。ただ、吸うことで体力を削られてると感じることもあるので、この前ライターを全部捨てたんです。
じゃぁ、キッパリと決別できたと。
でも、すぐにやめれずで、家にあるチャッカマンで吸ってます(笑)
普通に吸ってますやん(笑)
やっぱり個展前とか、制作に本腰を入れる時のスイッチにもなってて、なかなかやめれてないんです…。
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近所の喫煙スペースとかで吸う時も、チャッカマン持参で?(笑)。もうライター買ったらいいんじゃないですかね。
ライターを買うと負けた気がするので、チャッカマン持参です!
(笑)。だいぶ怪しいですね。まぁ、そのうちチャッカマンのガスも切れるから、どうするんですか?そのタイミングでやめる?
実は家にチャッカマンがいっぱいあるので、大丈夫です。
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やめる気ないですやん(笑)。まぁ、喫煙者は肩身の狭い時代になりましたけど、Gentoさんにとっては息抜きのお供であり、制作のスイッチにもなってるものなんですね。日常の中で、Gentoさんが常に意識してることなどはありますか?
あそこに飾ってる賞状があるんですが、あれは宝塚市の公募展でもらったものです。佳作なので入賞でもないし、GEISAIでのAce Hotel賞やUNKNOWN ASIA2024での審査員賞の方が誇れるものだけど、「自分はまだまだだ!」と意識するために飾ってます。常に目にする場所に飾っておくことで、モチベーションを高められるんです。実は高校の友だちのお母さんも同じ公募展に応募したことがあったそうで、その時は入賞だったらしく…、僕が佳作だと言うことも知ってるから家で自慢してると言ってました。「私の方がすごいねんで」って(笑)
大阪のおかんって感じですね(笑)
あとは、美術館のマグネットやアーティストさんのステッカーを貼ってるんですが、これも同様に「もっと頑張れ!」という感じで、自分のモチベーションに繋げてます。
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賞状もそうだし、目につく場所にあることで自分を追い込もうとしたり、アーティストとしての意識をさらに研ぎ澄ませていこうとしてるんですね。
僕は高校を卒業して一度就職もしてるし、他の人よりも回り道してるから、「このままだとあかん」的な危機感は常に持つようにしてます。自分よりも圧倒的に活躍してる人はもっと努力も挑戦もしてるはずだし、自分が何もしてないとその差は開く一方なので。だから、SNSとかを見てても、ラッパーの方が「今日RECしてきました」みたいな投稿を見ると、「やばい!もっと描かなきゃ!」って思うんです。
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アート関係だけじゃなく、そこは色んなアーティストさんが対象なんですね。回り道してきたというバックボーンも、たくさんの気づきを生んだ時間だから、今となってはすごく大切な道だったのかも。過去の捉え方って、今の自分次第で変えていけますからね。Gentoさんは見た目はすごく穏やかだけど、内に秘めてるそのギラギラ感、すごく素敵やと思います。
今の僕はまだ何者でもないので。正直なことを言うと、明確な夢とかもまだないんです。もっと大きな作品を制作したいとか、色んなアーティストさんやラッパーさんとコラボして表現したいとか、音楽のジャケットをやってみたいとかは色々あるけど、それは僕がこれからも続けていく表現としての結果だし、プロセスの部分なのかなと。
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なるほど。今の自分と向き合い続け、作品を生み出し続けることで、道は拓けていくと。だからGentoさんは作品と同様に、常に右上を見続けてるってことなのかな。これは漠然とした質問にはなりますけど、アーティストとしての理想像はあるんですか?こんな存在になりたいとか。
ありますね。僕は、いろんな方々が自分の作品を観た時に「あの人の作品だ!」「やっとリアルに観れた!」とか、そう感じてもらえるような存在になりたい。相手の心にしっかりと印象を残し続けられる存在というか。
胸に刻ませる。そんな存在になりたいと。そうやって聞くと、やっぱり作品として表現してるそのものが、Gentoさんなのかも。2月18日(火)からは大阪の『Calo Gallery』で個展がスタートしますが、どんな展示になりそうですか?
個展のタイトルは、「みえてくるもの」です。大阪では初の個展で、作品としては大小合わせて20点ほど展示します。色鉛筆を使った技術的な部分も見てもらいたいですが、パッと観た時の印象と、そこから感じて見えてくるものを届けたいと思ってます。
陰と陽、表と裏の部分も含めて?
別に僕の制作テーマにたどり着いてほしいというわけではないんです。人それぞれの中で解釈して、作品を消化したり、昇華してもらえたら。その人の新しい視点になれば、僕は一番嬉しいです!
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<Gentoさんのお気に入りのお店>
Marco Gallery(大阪市中央区南船場4)
興味深い展示が多く、とても勉強になります!ギャラリーの方も優しく、楽しい雰囲気のため、よく訪れています。
丸栄額縁(京都市伏見区両替町14)
額縁や画材の種類に関する知識が豊富で、注文時には親身に対応してくださるため、信頼感があります。展示前にはいつもお世話になっています!
<INFORMATION>
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Gento Solo Exhibition みえてくるもの
日程: 2025年2月18日(火)〜2月22日(土)
場所: Calo Gallery(大阪市西区江戸堀1-8-24 若狭ビル5F)
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
Instagram:@calobookshop
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Gento
2001年生まれ、交野市出身。高校を卒業して一度就職するも、絵の道に進むために退職して専門学校へ入学。卒業と同時にアーティストとしての活動を始める。GEISAIでのAce Hotel賞、UNKNOWN ASIA2024では審査員賞を受賞。事物の外見にとらわれることなく、その本質をとらえることを意識し、色鉛筆による緻密なグラデーションで表現した作品が注目を集めている。