自分のスタイルを持つカッコいい人になりたくて。最近気になる“看板屋のあの子”、サインペインターの岩切理子さんに会いに行く。


手描きならではの味わい深さをぜひ楽しんでほしいです。将来は、アトリエを併設したカフェを開いて色んな人が集まる場所にしたい。

理子さんは手描き看板の職人さんとして活動されてますが、どこかのタイミングでアーティスト感覚で“あなたの作品が見たい”って声を掛けられることもあるかもしれません。その場合、どんな表現がしたいですか?

おもしろい意味の古着のデザインを参考にして、それを私らしく表現したグラフィティアートができたらいいなって思います。イラストも好きだけど、それ以上に文字を描くのが好きなので。それは職人とはまた違ったスタンスで取り組む活動になるのかなと思います。実際、先日『STREAMER COFFEE』さんのグループ展にグラフィティアートを展示させていただいて、普段の仕事とは違う作品作りも楽しかったです。

ご自身の表現ができる場があるのもいいですね。普段のお仕事とは違った新鮮さがありそうです!ちなみに屋号の<PUCCA SIGNS>のPUCCA(プッカ)はどういう意味なんですか?

当て字なんですけど、幸福の“福”に華やかの“華”でプッカと呼びます。私が看板や内装を描いたショップに、福がたくさん舞い込んで華やかになったらいいなという思いを込めていて。やっぱりお店のオープンに関わることが圧倒的に多いので、縁起を担げるめでたい名前がいいなと考えて決めました。

すてきな意味があるんですね。

そうなんです。最初は英語にしようとも思ったけど、あんまりピンとくるものがなくて。“プッカ”っていう破裂音もいいなぁと。

理子さんが考える、デジタルでは出せない手描き看板ならではの魅力ってなんだと思いますか?

デジタルとは違って完成するまでの工程がたくさんあるので、そこに乗ってる想いが全然違うのかなと。私自身も商売繁盛をお祈りしながら1つ1つの工程をこなしています。同じ文字でもよく見ると残っている筆の跡が少し違っていて、それが味わい深さや温かみに繋がってくるんです。今日は『ブルックリン』のガラス窓のロゴを、カッティングシートから手描きに変える作業をしました。劣化した時の見栄えが気になるカッティングシートに対して、手描き看板はところどころかすれてくる経年変化さえも味わいになるんです。そのカッコよさが楽しめるのも、手描きならではなのかなと。大好きなお店にこういう形で関わることができるのも、幸せだなって感じます。印刷でできるところをわざわざ依頼してくれるクライアントさんからも想いの強さを感じますし、そこに私の気持ちも乗っかって、強い想いが込められたものになっていると思います。

ガラス窓にペイントする理子さんの周りには、平日にも関わらずギャラリーができていた。ふと1歩立ち止まって眺める人も。

最後に、今後の展望や将来の夢を教えてください。

いつかアトリエを併設したカフェができたら最高だなって考えてます。アトリエで作業して、気が向いたらコーヒーを淹れてお客さんとお喋りして。みんなが会いに来てくれるハッピーな空間を作りたいです。自分にとってのカフェがそういう場所だったから、私もみんなにそういう場所を提供したいなって。私も自分のスタイルがあるカッコいい人になりたくて、それを目指して日々アップデートを続けていけたらと思います。


<理子さんのお気に入りスポット>

W&B Delicious Service(大阪市阿倍野区阪南町)
朝7時から500円のおいしいモーニングプレートが食べられるお店。私のアトリエも2階にあって、めちゃくちゃいいお店なのでぜひ来てほしいです。

EIGHT TO FIVE(大阪市西区京町堀)
靱公園のすぐ近く、『ブルックリン』出身の店主さんが営むコーヒーショップ。NYスタイルの店内もカッコよくて、アメリカンブレックファーストが人気です。

PEEPLE(大阪市城東区東中浜)
新深江の住宅街にたたずむ古着と雑貨のお店。ストリートっぽいカジュアルな雰囲気の洋服がたくさんあって、めっちゃツボなのでよく買いに行きます。

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Profile

岩切 理子

サインペインター。大阪府出身、1997年生まれ。専門学校のプロダクトデザイン学科を経て、ベビー用品の会社に就職。その後、サインペインターの田辺竜太さんに従事しノウハウを学ぶ。現在は<PUCCA SIGNS>として、関西を中心に飲食店やアパレルショップなどの手描き看板や内装を担当。コーヒーが大好きで、以前は『ブルックリン』に勤めていたそう。

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