3月4日(土)から心斎橋PARCOでGOMA EXHIBITION『ひかりの地図』が開催!grafの服部さん、写真家のMAIさんとの鼎談から見えてきた、GOMAさんの描く“ひかり”とは。
こっちの世界とあっちの世界があるとしたら、“ひかり”の世界というゲートはあると思ってる。そのゲートの深さは定かじゃないけど、今認識してる一番深い部分の“ひかり”は、発光体。
では、ここからGOMAさんの描く“ひかり”の世界について、さらに深く聞いていきたいと思います。
MAI:“ひかり”の世界を描く上では、GOMAさんの中にある意識がすごくポイントになってると思います。これはあくまで私の見解なんですが、意識の部分で言うと、宇宙との関係性を感じたりすることってありますか?
GOMA:宇宙は見たことがないから分からないけど、多くの人が言う自己宇宙のような世界とはもしかすると通じてるかもしれない。結局全ては自分の中にあるわけだし、意識、行動、決断なども宇宙の中での行為とするならば、やっぱり自分で選択して完結させていくものだからね。事故後に脳科学の研究者と対談してきたけど、その人たちが追い求めてるのは、意識はどこから来るのかということ。そこが解析された時には、ブラックホールも解析されるんじゃないかと言ってる人もいて、結局は宇宙なのかも。
MAI:その説はすごく興味深いです!
GOMA:臨死体験をした人へのインタビューや研究をしてるお医者さんがいて、その方に「意識がない時に覚えてることを教えてほしい」と言われ、“ひかり”の話をしたことがあったんですよ。すると、「やっぱりですか」と言われてね。なぜかと聞いたら、臨死体験した人はみんな“ひかり”の話をすると。性別や年齢、人種、国籍に関係なく同じことを言ってるそうで、結局はみんな同じ場所から来て同じ場所に戻っていくんじゃないのかなと。
みんな繋がってるんですね。
GOMA:こっちの世界とあっちの世界があるとしたら、僕は“ひかり”の世界というゲートはあると思ってて。世界中の人が同じ話をしてるし、自分も何十回と経験してるので、その世界があることは確信してる。いつもその“ひかり”の世界から戻って来て、そのゲートがどの辺りのレベルの深さかは定かじゃないけど、今認識してる一番深い部分の“ひかり”は発光体。その発光体のさらに奥の世界に行くと、ひょっとしたら完全に死の世界なのかもしれないし、先の世界は宇宙かもしれないし。
MAI:実は私、UFOをよく見るんですよ。
服部:ブッ込んできたねー(笑)
MAI:(笑)。でも、UFOって拡大して見ると発光体なんです。飛行機とか、みんなが思いがちな形状ではなくて、本当に発光体。昔からUFOが好きで、呼べる人に会いたいとずっと思ってたら偶然会えることができて、UFOの会を開いてもらったんです。
マジですか!ちなみにどこで?
MAI:UFOの会は須磨で行いましたが、淡路島の子午線が通る場所には頻繁に出現するんですよ。須磨の時は、3時間で50機くらいのUFOを見ました。波動が合うか合わないかで肉眼では見えてても、カメラには映らないこともあるんですが、その時の映像を拡大すると“ひかり”の発光体だったんです。
GOMA:今度連れて行ってほしい!
服部:同じく!
MAI:ぜひぜひ!UFOは一度見ると波動が合うようになるらしく、それ以来よく見れるようになったんです。まさに、街で犬に会うような感覚で(笑)
すごい能力ですね。
MAI:すみませんちょっと話が逸れちゃいましたが、UFOは“ひかり”の発光体であるということで、GOMAさんの描く“ひかり”の世界も宇宙的だなと。それに、意識がなくなって戻ってくる最中は、宇宙と行き来してるんじゃないかと思ったんです。
服部:カラダではなくて、確かに魂だけは行き来してるのかもしれない。
MAI:私の周りにはそういった感度を持った人が多くて、人間は死ぬと“ひかり”になって宇宙に吸い込まれていくと言ってる人もいるんです。だから、GOMAさんが体験してる“ひかり”の世界の話が、すごく腑に落ちました。
服部:なるほどね。以前、僕もライトチルドレンと言われたことがあって、地球環境や政治とかも含めて正していかないといけない使命を持って生まれてきてると。それも宇宙と繋がる話だし、GOMAちゃんがそういう体験をしてるのも、きっと何かの使命だと思う。
GOMA:使命や役割は人それぞれあると思ってて、自分がこんな風に生きたい、こんなことをしたいと思う方向に進もうとしても、結局はその人の持ってる本質に向かって花は開いていくのかなと。そんな流れを最近は特に強く感じますね。
服部:若い時って逆風に向かって進み、そこでの体験や苦労が成長になってると思う部分もあるけど、本質的には違うとも言えるし。
GOMA:それも運命かもしれない。自分がこうありたいと考える姿と、持って生まれた本質が合致する人って、とんでもない革命を起こす人だと思う。僕自身、今までやってきたこととは全く違う点描を始めたのも使命だろうし、持って生まれた本質なのかも。脳科学者の人に絵を見てもらったことがあって、その時言われたのが「これはGOMAさんが本来持ってたものですよ」って。人間って成長するにつれていろんなことができるようになってると思うけど、実はいろんなことに蓋をしてる。アレをしたら怒られるとか、変な感じになるなとか。でも、事故をきっかけに蓋をしてた自分を解放できて、絵を描くという本来持ってた自分が出てきた。今は、そんな考え方をしてますね。
服部:哲学の世界でも、対話とか人と人の関係性とか、コミュニケーションの話にもあるんだけど、例えば、対話するとは何か。人って、ついつい思い込んで話すじゃないですか。GOMAちゃんはこんな人だろうとか、こんな回答があるだろうと思い込んで話すから裏切られてしまう。裏切られるって、思い込みを消していくことなんよ。何万回もコミュニケーションを重ねて思い込みを超え、違うことによって得られる喜びを認識できるのは、消していく作業があるから。でも、哲学的に言えば、思い込みと違ったことに寂しさを覚えるんよね。勘違いしてた、今までの彼への気持ちは何だったんだろうとか、その寂しさというのは蓋をしていく作業であり、能力を高めるための裏返しの話。実は、寂しいことがすごく大事だってこと。
なるほど、そういう哲学的な見解もあるんですね。寂しさから逃げないことで、自分の本質的な能力をどんどんソリッドに磨き上げていく。
GOMA:孤独に向き合えってことか…。
服部:そうやね。
GOMA:歴代の偉人たちも同じことを言ってるし、みんな本当にたくさんのことを考えながら何かを生み出し、生きてたんやろうね。
GOMA
オーストラリア先住民アボリジナルの伝統楽器「ディジュリドゥ」の奏者、画家。1998年にオーストラリアで開催されたバルンガディジュリドゥ・コンペティションにて準優勝を果たし国内外で広く活動。2009年交通事故に遭い高次脳機能障害の症状により活動を休止。一方事故の2日後から緻密な点描画を描きはじめるようになり、現在ではオーストラリアBACKWOODS GALLERY(2016)、新宿髙島屋美術画廊(2018・2019)など多数の個展を開催。2012年本人を主人公とする映画『フラッシュバックメモリーズ3D』に出演し、東京国際映画祭にて観客賞を受賞。2021年TOKYOパラリンピック開会式にてひかるトラックの入場曲を担当。2022年舞台「粛々と運針」の音楽監督と劇中のアートを手掛ける。千年の歴史を持つ古社常陸国総社宮に青華曼荼羅が収蔵された。
服部 滋樹
1970年生まれ、大阪府出身。graf 代表、クリエイティブディレクター、デザイナー。暮らしにまつわるさまざまな要素をものづくりから考え実践するクリエイティブユニットgraf。1993年から活動を始め、異業種が集まる環境と特性を生かした新たな活動領域を開拓している。建築、インテリア、プロダクトに関わるデザインや、ブランディングなどを手掛け、リサーチからコンセプトワーク、デザイン、設計、プログラムへとソフトからハードまで持続可能な形態を生み出す。地域や社会基盤もその領域として捉え、仕組みの再構成と豊かな関係性を生み出すコミュニケーションをものづくりからデザインしている。コンセプターとしてデザインやディレクションを行い、あらゆる領域の視点から社会を翻訳するようなアウトプットを行う。京都芸術大学 情報デザイン学科 教授。
MAI MURAKAWA
ヨーロッパの紙ものなどを中心に扱うアンティークショップやお菓子屋さんを運営する会社のカメラマン、クリエイティブディレクター、キュレーターなどを経て2019年独立。また、13歳の頃から"はじめての感情を忘れたくない"と教科書の隅に詩を書きはじめ、詩人「月森文」としても活動中。2022年4月に京都・修学院に拠点を移し、写真・詩・タロット、古道具の販売ほか、祇園で月2回スナックマイのママも。