窪塚洋介さんが陶芸と向き合って、得たもの、生まれたもの。初の個展となる“陶芸やんか”を控え、その胸の内を明かすスペシャルインタビュー。

11月18日(金)から『ASITA_ROOM』で始まる窪塚洋介さん初の陶芸作品展、その名も“陶芸やんか”。窪塚さんのキャリアはもはや説明不要だろうし、振り返る必要もないけれど、いつも新しい刺激を求めて走り続ける姿は、同じ時代を生きる僕らにも確かな刺激を植えつけてきてくれました。そんな窪塚さんの新たな挑戦が、陶芸。強烈な個性と、自由でエキセントリックな表現力から放たれる作品は、一体どんなものなのか。開催を約1ヶ月前に控えたとある日、焼き上がった作品と初対面するタイミングでインタビューを行いました。丹波焼の伝統ある窯元、丹文窯の大西雅文さんの協力を得て作った30点以上の作品には、誰にも真似できない“個”の強さ、魅力が凝縮。まさに、一つひとつが、窪塚洋介そのものです。開催まであと少し、陶芸と向き合った窪塚さんの想いを読みながら、胸を踊らせて待っててください。個展で作品と対峙した時、きっと、すごくポジティブなパワーをもらえると思いますから。

ミルクを混ぜる行為はできても、その混ざり方は誰もコントロールできない。そんな感覚で、あとは野となれ山となれって感じで作っていった。

そもそも窪塚さんが陶芸を始めたのには、どんなきっかけがあったんですか?

マサ君(丹文窯の大西雅文さん)と共通の友だちがいて、「子どもに陶芸させるの良いよ」っておすすめされたので、紹介してもらって丹文窯に家族みんなで遊びに行ったんです。その時に自分もやってみると、すげえ良いなと思って。

直感的に何かを感じたと。

みんながよく言う土に触れる良さも体感できたし、ろくろを回すスピードはコントロールできるけど、そこにはえもいわれぬ触感があって、その感覚を知れたことがおもしろかった。それに、ろくろだけで作るんじゃなく、手びねりとかいろんなアプローチがあるのも良いなと。

なるほど。窪塚さん自身が陶芸に興味を抱き、奥深い世界への扉を開けようとしていた中で、今回の個展“陶芸やんか”は、どういった経緯で実現したんですか?

とある映画にアシタノシカクの藤井さんも出演されてて、そこでご縁をいただいて。何度か飲みに行ってるうちに、藤井さんから「うちにギャラリーあんねん。洋ちゃん、何かやれる?」って誘われたんです。その時に、「陶芸をちょっと。と言っても2、3回のレベルですけど、焼いたのもあるんですよ」みたいな話をしてたら、「それ、ええやん!」って流れで。そこからアシタノシカクのガクさんも紹介してもらい、今に至ってます。すべてはご縁ですね。あとは、芸能人で良かったなと(笑)

陶芸を始めたのも、個展をするに至ったのもご縁ですし、でもそこに導かれる何かがあったのかもしれませんね。個展タイトルの“陶芸やんか”は、ガクさんが「この名前でいきたい!」とお願いしたと聞きました。窪塚さんが語ってた、あの「ピースやんか」のオマージュとして。

それで良ければ、どうぞどうぞという感じで。ご縁で生まれてる話なので、藤井さんやガクさんの良きようにしてもらえれば本望だし、自然の流れにゆだねた結果、こうなりましたってことですから。

今回の個展に向けてかなりの数を制作されましたが、いきなりたくさん作るのは大変じゃなかったですか?

手びねりする時にマサ君がいろいろアドバイスしてくれたんですが、「大胆に!躍動感を出すように!」って言われて、初心者に躍動感なんて出せねーって思ってました(笑)。でも、土をブリッと取って実践してくれる姿を見て、そういうことかと直感で理解できたので、俺もブリッと土を取って制作を始めたんです。その感覚で作れたから、これだけの数が生まれたと思いますね。

直感を大切にして自由に制作できたんですね。

そうですね。例えは良くないかもしれないけど、コーヒーにミルクを混ぜるみたいな。ミルクを混ぜる行為はできても、その混ざり方は誰もコントロールできない。そんな感覚で、あとは野となれ山となれって感じでした。ただ、釉薬を塗ったり、火入れしたり、仕上げはすべてマサ君がやってくれていて、俺は造形をしただけ。水晶を入れたり、ネックレスを巻きつけたりとか、訳の分からんアプローチはしてますが、マサ君が最終的に仕上げてくれてるので、そこは誤解のない方がいいと思います。

窪塚洋介×丹文窯 大西雅文の夢の合作ですね。大西さんは「洋介君は土のコンディションをすぐ理解して、造形もすごいセンス。当日はお互いノープランで挑んだけど、身につけてるものを使ったりして、めちゃ良かった!」と言ってました。

土と向き合いながらイカサマ整体師みたいな感じで、造形の仕上げにいろんなアイテムをつけたんです。水晶やネックレスは最終的には溶けてしまったものもあるけど、結果的に謎の模様が生まれて、それはそれで良いなと。結果オーライ主義ですね。

そのグラスがネックレスを巻きつけたやつですよね?せっかくなんで、ちょっとビールを注いで飲んでもらえれば(笑)

これもネックレスは溶けちゃったんですけど、今回作った中では唯一のグラスなんですよ。

どうです?

いやー……、めっちゃ良い!それに、ビールがうまい。ビールの味もグラスで変わるんだなーと。

ご自身で作ったものだし、なおさらですよね。では、軽く飲みながら引き続き陶芸のお話を聞かせてください!

作業一つひとつにエネルギーを費やしてるのに、エネルギーをもらってるような感じもあった。それが、直感的に感じた素直な気持ち。
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Profile

窪塚 洋介

1979年5月7日生まれ。神奈川県横須賀市出身。1995年にドラマ「金田一少年の事件簿」で俳優デビューし、2000年にドラマ「池袋ウエストゲートパーク」で注目を集める。2001年公開作「GO」で第25回日本アカデミー賞新人俳優賞と最優秀主演男優賞を受賞。主な出演映画は「Laundry(ランドリー)」「ピンポン」「凶気の桜」「モンスターズクラブ」「ヘルタースケルター」「ジ、エクストリーム、スキヤキ」「サンブンノイチ」「TOKYO TRIBE」「アリーキャット」「みをつくし料理帖」「全員切腹」など。2017年にはマーティン・スコセッシ監督作「沈黙-サイレンス-」でハリウッドデビューを果たし、BBC×Netflix Londonによる連続ドラマ「Giri/Haiji」にも出演。また、レゲエDeeJay”卍LINE”として音楽活動を行う他に、モデル、映像監督、カメラマン、執筆など幅広く活動中。

YouTube:窪塚洋介の今をよくするTV
YouTube:窪塚チャンネル洋介
https://asmakina777.com/

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