【私的録-MY PRIVATE SIDE】 気さくなご近所付き合いに心が温まる、ロビンさん&真純さん夫婦による清荒神ローカル散歩。


2人が“絶対的先輩”としてリスペクトする『シチニア食堂』のオーナー夫婦と仲良くトーク。

(左から)偶然会ったご夫婦、真純さん、ロビンさん、シゲさん、チカさん

最後に訪れたのは、2人がリスペクトしてやまない清荒神の先輩であり、力を合わせて街を盛り上げるイベントなども企画している『シチニア食堂』。野菜をたっぷり使った彩り豊かな料理が楽しめる、清荒神参道沿いの人気店です。

「今日は1日お疲れさまでした〜」と、偶然その場に居合わせたご夫婦も交えてみんなで乾杯!『AHSO』のすぐ近くに住んでいるそうで、持ち前のコミュニケーション力ですぐに仲良くなっていた2人(特に真純さん)の姿が印象的でした。

料理人のシゲさんと盛り付け・ディスプレイを担当するチカさんがオーナーを務める『シチニア食堂』は、清荒神にオープンして今年で14年目。「今でこそ新しいお店が増えているけど、出店した当初は参道商店街の高齢化が進んで、どんどん活気がなくなっている時期でもありました。そんな街でみんなが集えたり、出会えたりする場所を作りたいと思い、このお店をスタートしたんです」と、チカさんが当時のことを振り返ります。

『シチニア食堂』のオープン以来、シゲさん&チカさん夫婦の温かい人柄やおいしい料理に誘われるように、清荒神でお店を始める仲間が少しずつ増えていき、ここ数年で続々と新店が開業する注目エリアに。シゲさんは参道商店街の会長も務めており、ロビンさんや真純さんと同じく、街のキーパーソン的な存在でもあります。

本日ラストの取材ということで、『シチニア食堂』の2人を交えつつ、ロビンさんと真純さんに今日の感想や清荒神への思いを聞きました。

今日は清荒神をご案内いただきありがとうございました。1日巡ってみていかがでしたか?

真純:いつもの道を歩いて、いつもの人と会ってお喋りして、これが私たちの何てことない日常です。だけど、こんなにゆっくりお店を回れたのは初めてかもですね。この取材があったおかげで、貴重な時間を過ごすことができました。

ロビン:個人的には『casimasi』さんの魅力を再確認できて良かったです。少し立ち寄ることはあっても、取り扱っている商品をじっくり見る機会がなくて、杏さんの選書がかなりツボなことを知りました。これからもっと通うことになりそうです。

豪快な買いっぷりを見せていただきました。ロビンさんって普段は会社にお勤めなんですよね。

ロビン:平日は会社員としてシステムエンジニアを、休日は電子工作クルー<ヅカデン>のメンバーとして活動をしています。忙しいけど充実しているし、本業のストレス発散にもなるんですよね。お金儲けにはこだわらず、面白いものが作りたくて。“大人の部活動”みたいな感覚です。

“大人の部活動”ってすてきな言葉!あくまで趣味の延長だけど、全力で取り組むところも部活と似ている気がします。ちなみに『シチニア食堂』さんとはどのように知り合ったんですか?

真純:宝塚に引っ越してきたばかりの頃、知り合いが『シチニア食堂』に連れて来てくれて仲良くなったんです。当時は大阪に出て遊ぶことが多かったから、宝塚エリアのお店や人をほとんど知らなくて。初めてお店にお伺いしたとき、「あまり宝塚のことを知らない」という話をすると、「じゃあ来週飲み会があるからおいでよ!」とチカさんが誘ってくれたんです。

チカ:面白くていい子だなって思ったから、仲良くなりたいと思ってナンパしました。

真純:私はその飲み会に、日本酒の一升瓶を持って行ったんです。そしたらまだチカさんが来てなくて、みんなきょとんとして「この子は誰?」みたいな感じになってました(笑)。「シチニアさんに呼ばれて来ました」と伝えると快く受け入れてくれて、そこから宝塚の方たちとの交流やつながりが生まれました。

一升瓶はさすがすぎます(笑)。ロビンさんと真純さんは、最近いろんなフェスやイベントに引っ張りだこですね。

真純:ここ数年、音楽関係のブッキングを行う<爆発メルヘンCity>や<ヅカデン>の電子工作で、関西を中心にフェスのお手伝いさせていただく機会が増えて、めちゃくちゃありがたく思っています。だけど、そういう仕事って調整が大変なことも多いんですよね。もっと何も考えず、単純に自分たちが世に出てほしいと思う人を紹介したいとも思っていて。そういう自主企画イベントを、『AHSO』でたくさんやっていけたらいいですね。

今年は特に忙しいんじゃないですか?いろんなイベントでお見かけしています。

真純:今年はたくさんの人に私たちを知ってもらうため、ちょっと無理をした場面もありました。大掛かりなイベントの日程が3つも被ってしまったり……、あのときはかなりハードでしたね。体力的にはしんどい場面もありますが、今は「一緒にやりたい」と言ってくれる人の期待にできるだけ応えたいなと。この人たちってどのフェス行ってもおるなっていう印象を残せたら、何かあった時にまた声を掛けてもらえるかなって思うんです。次につながることも多いし、夫婦で行動するからちょっとした旅行気分にも浸れて、大変だけど楽しいです。

ロビン:いい感じのことを言っているけど、真純は将来の夢や目標が特にないんです。

以前のインタビューでも真純さんが仰っていました。

真純:そこはブレてないですね。そのときの興味や好奇心が赴くまま、“カラダ半分”でいろんなことをやっていきたいです。

ロビン:個人的には、清荒神参道で「エレクトリカルパレード」をやりたいです。ネオンでキラキラ装飾した毛むくじゃらのモンスターや妖怪が参道を練り歩く。面白そうだと思いませんか?

真純:最近ずっと言ってるよな。私はやっぱり自分の好きなアーティストを集めたフェスをやりたいなって思っています。

ロビン:じゃあパレードの先に、フェス会場があるとかはどう?僕はこの参道がめちゃくちゃ好きで。長さも狭さもちょうど良くて、パレードするのにぴったりやと思うんです。

チカ:パン食い競争とかしても楽しそうやな。

ロビン:シゲさんそういうのって許可出ます? (※シゲさんは参道商店街の会長さん)

真純:結局、別の話をしていても、この街にまつわる話になっちゃうんですよね。それも含めて私たちっぽいなと思います。

以前インタビューしたときも、飲みの席からいろんなアイデアが生まれるって仰っていましたね。皆さんは、清荒神ってどんな街だと思いますか?

真純:街のつながりだけに固執せず、外の世界にもコミュニティを持っている人が多い街。例えば、シチニアさんはよくフェスに出店していたり、うちはアーティストさんとのつながりが深かったり。それぞれジャンルの異なる個が集まって、街を形成しているように感じます。普段は外の世界で経験値を高めて、いざ団結するタイミングになると、これまでに得た知恵や人脈を結集して盛り上げていく。街ぐるみでイベントを考えるとき、めちゃくちゃ心強いんですよね。変に馴れ合ったりしない絶妙な距離感も、心地いいなと思います。

それぞれが自立している、なんだか大人な関係性ですね。

シゲ:スタンスが似ている人が集まっているような感覚はあります。ここは商店街ではあるけど、この先にお寺がある歴とした参道なので、単純に自分のところだけ儲かったらいいエリアじゃないと思うんですよね。商売に信仰心が絡んでいて、「お寺」というワードで1つになることができるんです。

ロビン:普段は個々で好きなようにやっているけど、たまにみんながドアを開け放って、力を合わせて何かに取り組んだりするんです。他人に干渉しすぎないニュアンスが、逆に心地良かったりもしますね。

シゲ:先ほど真純が言っていたように、清荒神でお店をやってる人たちは、ここを拠点に外の世界にもコミュニティを持っている人が多いんです。たまに外でつながった知り合いや友達を、この街に連れてきてくれるんですけど、「あの子がすごい人を連れてきた」っていうのを街の人はちゃんと見ていて。「やるなぁ」って尊敬しつつもちょっと悔しかったり、僕らも頑張らなって触発されることもあるんです。特にこの2人は、僕らの店の跡地に拠点を構えて、いろんなシーンで活躍しながらすごい人とセッションをして、そんな人をこの街に連れて来てくれる。街にいい風を吹かせてくれる存在だと思うし、僕らにとってもいい刺激になっています。

ロビン:そんな風に言ってもらえるとすごく嬉しいですね。

真純:私たちからすると2人は“絶対的先輩”なんで。恐れ多いです。

シゲ:じゃあ俺らからすると、“絶対的舎弟”ってことか。

真純:“絶対的先輩”と“絶対的舎弟”のTシャツとか作ります(笑)?

街を盛り上げるために、何かやりたいことはありますか?

ロビン:以前は助成金を使わなきゃいけなかったり、阪急電車さんからイベントを企画してくれっていうお願いがあったり、ちょっと大人の事情もあって街を上げてのイベントをやってきたんです。一旦、誰かにサポートしてもらいながら企画するフェーズが終わって、次は自分たちだけの力でどうやって街に人を呼ぶか考えている段階ですね。

シゲ:誰かにお尻を叩かれるわけでもなく、自分たちでゼロから企画をしなきゃだから、ちょっと腰が重いところではありますね。参拝客がもっと楽しめる場所にはしたいなと思いますけど。

チカ:私は大好きな人たちと一緒に飲めたり、今ここにいる人たちが楽しいって思える街になるのが1番だと思っています。

シゲ:以前「清荒神ナイトウォーク」というイベントを企画したとき、老舗の餅屋さんが「僕らもこれまで同じように夜のイベントをやって来たけど、こんなにたくさんの人を呼べたことないで」と、お褒めの言葉をいただいて。街に新しい風を吹かせることができたように思えて、すごく嬉しかったんですよね。小さな街であるからこそ、街づくりの面白さをダイレクトに感じられるように思います。

今後、清荒神にはどんな街になっていってほしいですか?

ロビン:うーん。単純だけど僕はラーメン屋ができてほしい(笑)

チカ:わかる。まだ一軒もないもんな。私はシチニアの目の前の道を参道って言い続けたくて、そのためにもお店がたくさんあってほしいな。コンパクトな街ではあるから、この街の人が望む、まだ街に足りていないものが、新たに加わっていくのが理想です。

真純:でもちょっとずつ集まっていってる気もしますよね。やっぱりここは参道やから、街にとって必要なものが吸い寄せられて来てるんかも。

チカ:この地域には、シンパシーを感じられる人も多いですし。

真純:外の世界でもっともっとパワーを貯めて大きくなって、近いうちにみんなで力を合わせてでっかいイベントを企画できたらいいですよね。

『シチニア食堂』でお喋りしていると、参道を歩いている赤犬のオカピーさんを発見。他にも数人の知り合いに遭遇し、2人の人脈と街のアットホーム感を肌で感じました。
参道を散歩するワンコと、お店の前で優雅にくつろいでいるネコ。穏やかな日常に癒やされました。

シチニア食堂
@sicinia_kitchen

取材日はちょうど七夕シーズンで、参道にカラフルな七夕飾りがありました。

取材が終わり、私たちも帰路につきます。普段よりバタバタしている日曜日の取材にも関わらず、温かく迎え入れてくれたお店ばかりで、ロビンさん&真純さん夫婦が普段からすてきな関係性を築いていることが伝わって来ました。街を歩いていると、「こんにちは〜」と挨拶や立ち話をしていく方も多く、気さくなご近所付き合いに癒やされた1日でした。

2人に教えてもらった清荒神のおすすめスポット、ぜひ巡ってみてください!

別れ際、またもジュースを飲んでいたロビンさん。
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Profile

川村 裕介/ロビン

川西市出身。システムエンジニアとして会社に勤める傍ら、休日を利用して電子工作クルー<ヅカデン>の主要メンバーとして活動。最近は、飲食店のディスプレイやイベントの装飾などで引っ張りだこに。奥さんの真純さんと力を合わせて、体感型アートギャラリー『AHSO』の運営も行なっている。

@zukaden.jp

Profile

川村 真純

淡路島出身。2018年より音楽・マーケットイベントを手掛ける<爆発メルヘンCity>を主宰。<MOJOme.>のアクセサリー作家や電子工作クルー<ヅカデン>の営業担当としての顔も持つ。持ち前のフットワークとポジティブマインドで、各地を飛び回りながら多彩なイベントを仕掛けている。

@bhmhcity

Shop Data

AHSO

宝塚市清荒神3-6-27
営業時間/11:00〜17:00(ライブ・夜営業〜22:00)
定休日/月曜・不定休

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