
阪本さんの妹“マユ”と中谷さんの妹“ユリカ”の名前をくっつけたのがコンビ名の由来、というちょっと変わった同級生コンビ<マユリカ>。神戸出身の彼らは3歳からの幼馴染で、人間味溢れる絶妙なダメっぷりと遠慮のない掛け合いが、なんだかクセになるんです。度重なる遅刻での謹慎処分や賞レースの棄権など、数々の困難を乗り越えてメディアの出演も徐々に増えているお2人。昨年9月には、パーソナリティーを務めるラジオ関西のポッドキャスト番組『マユリカのうなげろりん!!』より、男性芸人史上初となるビキニ写真集「Perfect!!」をリリース。なんと2700部を売り上げる快挙を果たし、SNS上で密かに話題となりました。神戸市内のプライベートビーチで撮影された表紙には、フリルの付いたビキニをまとってかわいらしい表情でこちらを見つめる彼らの姿が……。今回はそんな<マユリカ>に、写真集を作ったきっかけから過去の恋愛事情、地元の魅力まで、いろいろ聞いてきました!2人のことを知ってる人も知らない人も、これを読んで興味を持ってもらえたら嬉しいです。そして『マユリカのうなげろりん!!』もぜひ聴いてみてください!!
あれよあれよと言う間に2700部突破!運よく色んなタイミングが重なって、むっちゃキモいバブルが来てる感じがします。

まずは、ラジオ関西のポッドキャスト番組『マユリカのうなげろりん!!』から昨年リリースしたファースト写真集「Perfect!!」のことを聞かせてください。男性芸人初のビキニ写真集を発売されたということで、お笑いファンの間でかなり話題になっていました。
阪本:ポッドキャストの制作費集めという名目で、何かグッズを出してお金を稼ごうとしていた時、ビキニ写真集はどうかとラジオで話していたのがきっかけです。
中谷:最初は作家さんにiPhoneで撮ってもらって、自費出版でやろうという話だったんです。

阪本:いつも聴いてくださっているリスナーさんの中に、たまたま大手の出版社で写真集を作っている方がいて、「一緒にやりませんか」と声かけてくれたんです。プロのカメラマンさんにもお願いして、とてもクオリティの高いものになりました。
中谷:めっちゃラッキーです。こんなことになるなんてとびっくりしています。
私も『うなげろりん!!』は毎週聴いていて、写真集のこともポロッと言われていた印象でした。
阪本:ほんまポロッとというか冗談半分で、「それいいやん!」みたいな感じだったんです。そしたらあれよあれよと……。

中谷:実際にお金になるなんて微塵も思わんかったよな。
阪本:マジで何十冊とかで終わってた可能性もありますからね。それでお金がなくなって、番組潰されてた可能性も全然あります。結果『うなげろりん!!』も隔週から毎週配信になって、やってみて良かったです。
中谷:ほんまにそうやなぁ。めっちゃラッキーです。
阪本:こんなに当たるとは思ってなかったです。
ラジオ関西さんとしては、これまで写真集を出版したことあったんですかね?
中谷:初めてだったみたいですよ。
ラジオ局ですもんね(笑)。撮影中に印象的だったことはありますか?
中谷:プロとはまさにこのことというか。カメラマンの方もそうですし、編集の方も、「じゃあ次これ持って、ここに立ってください」とか、その場で言うことを聞いてたら進んでいく、みたいな感じでした。

阪本:こんなにタイムスケジュール組んでやるんやってなりましたね。
中谷:言われた通りにするだけなんで、こっちに全然ストレスがないんですよ。
阪本:最初から全部決まっていて、カットも見えてはる感じで。でもお金の関係でその方のスケジュールを撮影の中盤までしか押さえられなくて、途中で帰っちゃったんです。そこからは、もともと言ってた作家さんたちと撮影したんですけど、こんなにちゃうんやっていう。

中谷:ほんまにエラい差でしたね。
阪本:やっぱりプロのカメラマンさんってすごいんやなと思いました。
中谷:誌面で見てもらったらよりわかるんですけど、明らかに途中でクオリティが下がっているんです。
阪本:別の本みたいになってます。
「かわいい!」ってたくさん言ってもらえて、すごいテンションが上がったっていう話も耳にしました。
阪本:そうですね。ビキニのショットをその方に撮っていただいて、とてもテンションが上がりました。

中谷:やっぱり一線で活躍されているプロは違いますね。思わずノせられるというか。
結局2700部売れたんですよね。写真集をきっかけに、何か仕事に変化はありましたか?
阪本:写真集がきっかけで増えた仕事って、なんかあるんかなぁ。
中谷:タイミングがちょうど良かったのかもしれないですね。僕らのことは<見取り図>さんのYouTubeで知ってくださった方も多いみたいで、去年『うなげろりん!!』も始まって、年末にはM-1の敗者復活もありましたし。色んなことが重なってちょっとずつ知ってもらえてるんじゃないのかなと。

コロナの関係でytv漫才新人賞を棄権したりとか、これまで少し不運なイメージがあったんですが、そこの運が今ドバッと来てるんじゃないかと個人的に思っていて。TVの出演も増えたように感じるんですが、お2人の体感的にはいかがですか?
阪本:そうですね。むっちゃキモいバブルが来てる気はします。ビキニ写真集がめっちゃ売れたりとか。
中谷:TVに関しては『ラヴィット!(TBSテレビ)』さんとか『ザ・ベストワン(TBSテレビ)』さんとか、特定のところにちょこちょこ呼んでいただいてるだけで、そんなにババっと増えたりはしてないですよ。昔は数ヶ月に1回あるかないかくらいだったんで、その頃に比べたら増えてきたなって感じです。
お2人は『うなげろりん!!』で、特に印象に残っている回はありますか?
中谷:単純に嬉しかった話なんですけど、僕の大学時代のショウタっていう同級生が『うなげろりん!!』のグッズをデザインしてくれてて。そいつがブースの見学に来てくれたことがあって、ゲストとしてラジオに出演してくれたんです。阪本とショウタと3人で喋って、それはちょっと嬉しかったですね。友人がこういう形で関わってくれて、今もこうやって喋っているっていうのは、とても印象深いですし嬉しかったです。
『マユリカのうなげろりん!!』 #11:種子島

阪本:僕は罰ゲームをかけた対決回で、ほんまに接戦、接戦で盛り上がっていた時、この問題を外したら中谷が負けてしまうってところで、中谷が威嚇のオナラをしたことです。で、そのまま負けていったっていう。
『マユリカのうなげろりん!!』 #29:のろし
中谷:威嚇ちゃうねん。別に死に際の最後っ屁じゃないで。
阪本:屁こいて負けていったんです。
中谷:力みすぎてちょっと出てしまったんです。「のろし」っていうタイトルは、僕がちょっとでもマイルドにまとめようと思って、咄嗟に言ってしまったフレーズですね。
その回は歩きながら聴いてて、思わずマスクの中で笑ってしまいました(笑)。『うなげろりん!!』ではあまりお便りとかも読まないですよね。ずっと2人で喋っているイメージがあって、それがこの番組のスタイルなんですか?
中谷:そういうわけでもないんですけど、読みたいお便りがあれば読むって感じです。リスナーの参加回も、またあったらいいなと思いますね。

「芸人になろう」という誘いに乗ってくれる自信はありました。小学生の頃の中谷は、しっかりしていてリーダー的な存在だったんですが……。

次に、芸人を目指したきっかけを聞かせていただけたらと思います。
中谷:僕は単純にカッコいいなあっていうくらいで、別になるつもりはなかったんです。大学1回生の時に阪本に呼び出されて、一緒にやらへんかって誘われたのがきっかけです。
阪本:僕も絶対なろうとは思ってなかったですけど、お笑い番組は小さい頃からずっと見ていて、高校生の時にグッと深く好きになりました。高2、高3くらいで『内村プロデュース』にむっちゃハマって、毎週楽しみに観るようになったんです。そこからやりたいなぁって思い始めた感じですね。
中谷:阪本に関しては、芸人やりたいんやろうなぁっていうのを当時から感じてましたね。別に直接聞いたことはなかったけど、なるんやろうなぁって思っていました。
「芸人になりたい!」っていう人が周りにいるのは、関西だと割と普通にあることなんですか?
中谷:僕の周りは阪本だけですよ。そうなんかなって思った人が、たまたま1人おっただけです。
阪本:僕もそんないないですけど、高校のクラスメイトが一期上の先輩でいましたね。もう辞めはったんですけど、元<へべれけ>っていうコンビの澤下さんという方です。
それは知りませんでした!阪本さんは、一緒にお笑いをやるなら中谷さんって決めてたんですか?
阪本:いや、澤下さんと中谷で揺れた時期もあるんですよ。
中谷:どっちもと組んでインディーズライブに出てた時期もあったよな。
阪本:NSCに入学する前の大学時代に澤下さんが誘ってくださって、どうしようかなぁっていうので少し迷いましたね。
インディーズのライブにいろいろ出たあとで、NSCに入られたんですね。

阪本:結局中谷と組むことになったんですけど、NSCに入る前は一般参加できるライブに出てました。
中谷:当時<baseよしもと>の「トライワラビー」っていう、一般人でも出れるオーディションライブがあったんですよ。
阪本:素人でも出れるやつで、それは何回か出てましたね。
中谷:神戸から僕の実家の車に乗って2人で大阪に来て。でも全然受からへんし、横の繋がりもできへんし。これはあかんってなって、NSCに入ろうということになりましたね。
ネタはどちらが書かれてたんですか?
中谷:当時も今も阪本ですね。阪本がボケで、僕がツッコミっていうのも変わらずです。
男女の掛け合いをベースにした漫才が多いと思うんですが、いつ頃から確立されたんですか?
中谷:4〜5年目くらいかな。僕が男性のまま「なんでやねん」とか言って漫才をしてたら、しらこく映ってしまうみたいで。たまたまた阪本に「女役でやってみてくれへん?」って言われてやってみたら、それが思ったよりハマったんです。
漫才中の中谷さんの喋り方もすごく特徴的ですよね。変わったワードとかも結構入っているイメージがあって、M-1の敗者復活で印象的だったのものだと、「へんてこしっこ」とか。ああいうワードはどんな感じで思いつくんですか?
阪本:え、「へんてこしっこ」の思い付き方?そんなん聞かれても……、ちょっと答えが難しいですね。「へんてこしっこ」とかはたぶん異色なんで。
印象的だったので聞きたいなぁと、すみません(笑)。中谷さんは高校時代の阪本さんを見ていて、「芸人になりたいんやろうな」って思ってたんですよね。阪本さんのことをおもしろいなと思う出来事があったんですか?
中谷:それはありましたね。高校は別だったので、夏休みとか土日とかに結構遊んでいたんですが、発言がいちいちおもしろかったです。

阪本:当時、中谷は漫画家になるって言うてて。僕も中谷は漫画家になるんやろうなと思ってたのと同時に、コイツは漫画家辞めるんやろうなとも思っていました。本気さを全く感じんかったというか。俺には漫画があるからって言うてるだけで、そもそも作品がおもしろくなかったし。
中谷:おい、言いすぎやろ!
阪本:僕が誘ったらこっち(芸人側)に来るなっていう自信もどっかにあったんです。
中谷:自主性とかはずっとなかったですからね。
阪本:「一緒にNSC行かへん?」ってマンションの下に呼び出した時も、絶対いけるって思ってたんで。「俺漫画やるからごめん」っていうのはないなと思ってて。
中谷:失礼すぎるやろ。
阪本:ほんまに自信はありました。
中谷:親に言われて中学受験して私立の中学行ったりとか、今まで流されて生きてきてたからな。
阪本:僕ら3歳からの幼馴染で、幼稚園と小学校が一緒なんです。
中谷:中学校、高校、大学が別です。小学校のメンバーで遊ぶ時に、いつも4〜5人くらいで集まって一緒に遊んでました。
印象に残っている子どもの頃のエピソードってありますか?
阪本:小学校の時の中谷は、「俺は唾液が強いから、歯磨かんでも虫歯にならへんねん」っていう謎の発言をしてました。自慢というか嘘というか、誰も聞いたことないようなことを堂々とクラスのみんなに言ってて。「だからアイツいつも口臭いんや」って陰でむっちゃ言われてたのを覚えてます。
中谷:子どもやったから、訳分からん理論を言ってたんやと思います。
阪本:むっちゃ臭かったんでね。大丈夫かなぁってなってたんで。
中谷:裏で言わんとせめて直接言ってくれよ。小学校5年生くらいの時、僕と阪本はクラスが別だったんですけど一緒に帰っていて。阪本が「もォ〜早く帰るわよォ〜」みたいなお姉喋りにめっちゃハマった時期があったんです。僕も最初は「おもしろいなぁ。なんでそんなんするん」とか言ってたんですけど、それが1年半終わらなくて。「もういいでさかも(さかも=阪本さんのニックネーム)」って何回も言ってたけど聞いてもらえなくて、「何がヨォ〜。やめるとかないわよォ〜」みたいな感じで毎日続いたんです。それがほんまに辛すぎて、僕が親に相談するっていうのはありました。全然やめてくれなかったです。
小学校時代の2人は、どんなキャラクターだったんですか?
阪本:小学生の時のコイツはめちゃくちゃリーダー的存在というか、ほんまに周りを引っ張っていくような感じでした。中谷のお父さんと中谷が、同じ小学校の男子を7〜8人集めてバレーボール大会に出たり、ドッジボールの大会に出たり、声をかけてみんなを誘ってくれてましたね。
中谷:確かにアクティブでしたね。身体も他の子より大きくなるのが早くて、そういう意味で自信があったんかもしれないです。
阪本:自信に満ち溢れてました。
中谷:アンダーヘアが生えるのも、他の子よりちょっと早かったりとかして。トイレにみんなを集めて、見せたるわみたいな感じでした。
阪本:こういう記事でアンダーヘアのこと書かんやろ。
一同:(笑)
中谷:そういう自慢もしていましたね。
阪本:お父さんも結構かっこいいイメージやったんですよ。
中谷:えー、そう?
阪本:子どもをいっぱい集めて遊ぼうって先導してくれるタイプの。
中谷:ラジオでもいろんなエピソードを話してますけど、決して悪い人ではないですからね。
阪本:悪い人ではないけど、今はなんか……(お父さんのニュアンスは文字では伝えきれないので、『うなげろりん!!』をぜひ聞いてみてください!)。そんな感じになるとは夢にも思わなかったですね。
中谷:年齢も若かったからね。
中谷さんは、子どもの頃スポーツがすごくできたっていう話は聞いたことあります。
中谷:まぁ人並みですけど。
阪本:でも小学校の時は水泳の選手コースみたいなのに入ってたよな。
中谷:そうそう、神戸市の大会で2位とかになってたんですよ。そういうのも自分の自信を肉付けする要素にはなってたかもしれないです。
ということは……、実はめっちゃモテてたとか?
阪本:モテてなかったです(即答)
中谷:せめて俺に言わせろよ。別にモテてはなかったです。
初恋の話とか聞けたらいいなって思ってたんですけど。
阪本:別にこれボケじゃなくて、ほんまの話なんですけど、僕小学校の時めっちゃモテてたんですよ。
一同:(笑)

阪本:小学校3年生にして、むっちゃかわいい女の子とラブレターのやりとりとかしてたんですよ。朝学校に来て、机の中を見たら手紙入ってるとか。小学校6年生の時はクラスの女の子2人からバレンタインのチョコをもらって。そのうちの1人は十数年後にグラビアアイドルになってて、雑誌の表紙を飾ったりとかもしてるんです。家にもピンポン押して、チョコ渡しに来たことありましたし。
わー、青春ですね。
中谷:饒舌に喋りすぎやろ、小学校の時の話。かっこ悪いやろ。そんなベラベラ喋るの。
阪本:「アイツさかものこと好きらしいで」とかも結構周りから聞いてて。モテましたよ、小学校の時。
中谷:やめた方がええで、今の話ちゃうねんから。20年以上前の話やねんから、そんなんベラベラ喋ってたらかっこ悪いんちゃう?
阪本:でも結構モテましたよ。
中谷:それ文字に起こしてほしい?
阪本:うん、ほしい。
中谷;ほしいんかい!ほしいやあれへんやろ。
ちなみに中谷さんはどうでしたか?
中谷:俺かぁ、モテはしなかったなぁ。
阪本:いや一番良くなかったで。「女子と喋ってるやん」みたいなのやってたやん。
中谷:僕は妹がいるんですけど、小5くらいの頃に机の中に手紙入ってると思って、「うわぁ!」と思ったら、クラスの女子3人が「妹がかわいいから好きです」みたいな感じやって。「妹に渡してください」みたいなよくわからんラブレターはありましたね。
かわいい妹を持つとお兄ちゃんは大変ですね。初めての彼女とかも知ってたりするんですか?
阪本:知ってます。コイツはmixiで作った彼女がいました。
中谷:そんなあかんことみたいに言うな。
阪本:東京の立川の女の子で。中谷はmixiでウケ狙いみたいな長文の日記を毎日書いてたんですよ。
中谷:おもしろいと思ってね、当時。
阪本:たまたま東京に住んでた女の子が中谷のmixiを見つけたみたいで。会ったこともないし顔もわからない状態で、「日記おもしろいです」っていうコメントをきっかけに付き合うところまで行ったんですよ。
中谷:当時スカイプが出たての頃で、自分のパソコンがあったからそういうやりとりをしてたんです。その子が大阪に遊びに来てくれて、実際に会って付き合いました。
mixiから付き合ところまで、すごいですね。
阪本:たぶん高校2年か3年くらいやと思いますけど、初めて彼女ができたのも同じ時期でした。
中谷:阪本の初めての彼女は会ったことないんですけど、相談は聞いてました。デートをしたことがなさすぎて、どこ行ったらいいのかわからなかったみたいで。2人で知らん子どもが泳いでるスイミングスクールに行って、2時間水泳を見てたとか。最悪のデートの話もありました。
別の高校に通っていたそうですが、その頃も定期的に会ってたんですか?
阪本:それもスカイプですね。無料で電話できるっていうのが画期的で、学校終わって帰ってきて、夜スカイプをするのにハマってたんです。
中谷:他の友達と3〜4人で喋ったりとか。ほんまに地元の友達の集まりって感じですね。
そうなんですね。今も一緒に移動してるっていう話も聞きますし、やっぱり仲良しなんですね。
阪本:以前は遅刻防止のために大阪の劇場も一緒に行ってましたけど、さすがにもうやってないです。
中谷:遠くに行く時は一緒ですけどね。阪本が全く自分で調べようとしないので。
阪本:僕は携帯を触りながら、 コイツの後ろを付いて行ってるだけです。どこどこの駅で降りて、この線に乗り換えてみたいなのは全部やってくれてます。
中谷:自分でやってくれって言うても、1人の仕事の時に電話かかってきたりするんで。「梅田のMBSまでどうやって行くねん」とか。いや、何回も行ってるやんっていうことが多いです。
阪本:覚えてないんですよ、付いて行ってるだけなんで。
中谷:それやったら黙って付いて来てほしいなと思いますけどね。
そういえば阪本さんは、中谷さんがお休みだった収録回で、ゲストで来られたロングコートダディのお2人に「中谷離れができてない」って言われてましたね。芸人になって、互いの接し方は変わりましたか?
『マユリカのうなげろりん!!』 #22:DとE
阪本:変わりましたね。もともとは僕が一歩引いてるくらいの感じだったんです。さっきも言いましたけど、地元にいた頃の中谷は割としっかりしていて、リーダーシップがあるイメージだったんで。でも蓋を開けたらもう、虫みたいな……。
中谷:え、今虫って言うた?
一同:(笑)

阪本:もうちょっとで四足歩行になるんちゃうかくらいの……。
中谷:そんなわけないやろ!退化の仕方おかしいわ!
阪本:もうどんどん退化していってて……。ほんまにあかんヤツやったんやなっていう。
中谷:むちゃくちゃやな。まぁね、深く接するとどんどんメッキが剥がれていくというか。そういう感じですかね。
阪本:僕らは中谷の遅刻が原因で謹慎もあったんで。
今はもう遅刻とかもしてないんですか?
阪本:赤ちゃんみたいな遅刻は大量にしてます。
中谷:赤ちゃんみたいな遅刻ってなんやねん(笑)。かわいく言ってもあかんからな。
阪本:5分、10分の遅刻です。今もよくやってますね。
中谷:以前ほどめちゃくちゃご迷惑をお掛けするようなことは、最近はないかなという感じです。
2人でいる時は、いつもどんなお話をされてるんですか?
阪本:昨日こんなおもしろいことがあってさ、みたいなのはないけど、大きいことがあったら普通に話してますね。
中谷:ラジオでも言いましたけど、痛風の話とかもしますし、Netflixのあれめっちゃおもしろかったけど知ってる?みたいな話もします。ほんまに普通の話ですよ。
なるほど。本当にラジオを聴いてる時のような感じでお話されてるんですね。ちなみに最近メディアの露出も増えましたが、めっちゃモテたりしてますか?
中谷:いいえ!!
阪本:全くモテないです。
中谷:この間も阪本と喋ってたんですけど、始めた時はもっと芸人って夢のある仕事やと思ってたよなって。お金の面もそうですし、モテるとかっていうのも、思ってたんと全然違うんやなと。
芸人さんってめっちゃモテて派手に遊んでるイメージがありました。
阪本:周りの芸人はチラホラ「飲みませんか?」とか、ちょっとエロいなっていうDMが来る話は聞いてますけど。
中谷:僕はナメられてるんかなっていうDMが結構来ますね。「もうすぐフォロワー1万人いくやんけ!」って若い女の子から来たり、変な顔してる写真のスクショだけ送られてきたりとか。
阪本:おなかが空いたら必ず報告してくれる女子高生とかもいます。
中谷:何それ!
阪本:ずっと無視してるけど、おなかが空いたら「おなか空いた!」って来るねん。
中谷:なんやねんそれ。あとは一方的に日記をずっと送ってくる福岡の大学生とかもいます。返さないですけど、ナメられてる感はすごいありますね。


子育てするなら僕らの地元がベスト。子どもの頃一緒に連れてってもらったモトコーは、とってもディープで刺激的でした。

お2人は神戸出身ですが、お気に入りの場所とかってありますか?
阪本:僕ら神戸の井吹台出身で、そこはむっちゃいいところですね。
中谷:確かに、むっっちゃいいですね。
阪本:東町ってところなんですけど、むっちゃいいです。
中谷:何がいいねん(笑)。わからんやろ。

阪本:東町の小学校と中学校に通ってたんですけど、タバコ吸ってる人とか髪の毛を金髪に染めてる人とかがいなくて、マジで不良がゼロなんです。外を歩いても変な人がいなくて、おばあちゃんとかちょっと上品な人しか歩いてなくて。閑静な住宅街って感じです。
中谷:僕らの地元はニュータウンの開発で切り拓かれた場所なんです。
阪本:別に田舎ってわけじゃなくてキレイな住宅街なんですけど、田舎みたいな要素があるというか。治安がめちゃくちゃいいんですよね。地元はめっちゃ好きです。
中谷:治安は異常にいいですね。僕らはそこで育ちましたけど、子育てするにはほんまにベストだと思いますよ。パチンコ屋とかゲーセンもないですし。
阪本:今そこで住めって言われたら退屈かもしれないですが、自分が親になって子どもを育てるってなったらめっちゃいいと思います。
子どもの頃はどんなことをして一緒に遊んでたんですか?

阪本:ゲーセンとかも行ってないからむっちゃ健全で、公園のトランポリンでベーゴマしたり、フリスビーを真剣にやったり、森の中に入って遊んだりとか。とにかく健全な遊び方をしてました。
中谷:「タバコ吸ってみようぜ」とかグレるヤツとかもいなかったです。
のびのび育った環境が、今のマユリカを作ってるんですね。昔よく行っていたり印象に残ってたりするお店ってあるんですか?
中谷:親父が子どもの頃の僕を、「キミ〜知らんかもしれんけど、おいしい餃子屋あんねん〜。連れてったるわ〜」って自分が開拓したみたいに連れてってくれてた店があって。元町の『赤萬』っていうちっちゃいお店で、餃子と瓶ビールしかないんです。
『赤萬』ですね、わかります!

中谷:追加注文ができないお店なんで、最初に何人前か頼まないといけないんです。「これがええんや。餃子をアテにビールを飲むのがおいしいんや。追加注文はしたらアカンで。お店が忙しいからな。回転率が大事やからな」って親父がツウぶって教えてくれてました。あとは親父が阪本とかも一緒に連れてってくれた、元町の高架下の商店街もめっちゃ好きです。なんかディープな雰囲気で。
阪本:あそこ今もあんのかな?
中谷:昔ほどディープな感じじゃないかもしれんけど、ゲームを売ってる店の隣で爬虫類売ってたりとか。
阪本:ちょっとダークなエロいお店があったり、本格的な日本刀のお店があったり、ガスガンとかスタンガン売ってたりとか。ちょっと思春期に興味出てまうような刺激的な商店街でしたね。
中谷:3駅分くらい高架下にそれが続いてて。あ、モトコー(元町高架通商店街)っていうんか。そこはよく行ってました。
家族ぐるみで一緒に遊んでたりとかしたんですか?
阪本:僕は中谷のお父さんに、結構いろいろ連れて行ってもらってます。最近は僕の親父が中谷を連れて行くみたいなのもありました。両家族で一緒に遊ぶのはあんまりないですけど、僕らとどちらかのお父さんを交えて3人で飲むことはありますね。
中谷:3、4年くらい前の正月に、「家に帰ってくるのが嫌や」って母親に締め出されたんです。車で寝なあかんみたいな状況になって、それを知った阪本の両親が「それは裕太くんがかわいそうや。ウチに呼んだら?」って言ってくれたことはありました。
そんなことがあるんですね(笑)
中谷:母親が「私もスケジュールがあるから、急に帰って来られても困るわ〜」って言うて。
阪本:正月やろ(笑)。スケジュールって。
中谷:行くとこないってなってたら阪本家に呼んでくれて、食卓で一緒にごはん食べさせてくれました。いっぱい料理作ってくれててびっくりしましたね。
中谷さんは少し前の『うなげろりん!!』で、これからの人生どうする?みたいなことを言われていましたが、何か将来の不安みたいなのがあるんでしょうか?

中谷:いや、別にそんな深い悩みがあるとか大層なものじゃなくて、漠然と気になっただけなんです。
阪本:不安定な時期ではあると思いますね。最近、異常に結婚したいとか彼女がほしいとか、寂しいとか、将来どうすんのとか。好調なぶん不安も大きくなってきてるんやろうなっていうのが透けて見えます。
中谷:まぁ不安はあるかもしれないです。例えばのちのち住む場所が東京に変わって、仕事関連の人しか周りにいなかったら、俺ここで1人で倒れたらどうなんねやろとか。今日も痛風の話をしててちょっと思いました。倒れた時はまず119に電話しなあかん、とか。そういうことをふと考えてしまうくらいです。
阪本:怖いですよね。俺今日倒れたらどうしようなんて思わんもん。
中谷:倒れたらというか、もし倒れることがあったら、鍵は開けといた方がええんかなとか。そういうことを考えてしまいます。
お仕事でもプライベートでもいいんですが、これからやってみたいことはありますか?
中谷:僕は最近『うなげろりん!!』を通して、漫画の連載のお話を出版社の方からいただいて。まだ具体的には進んでないんですけど、漫画はずっと好きで描いてきたからやっぱり嬉しいですね。
阪本:……(無言)
中谷:コイツがそういうこと言ってるの聞いたことがないですね。こういう仕事をしたいとか。
いつもフラットな気持ちでお仕事されてるんですね。
阪本:そうですね。結果やってみて楽しかった、みたいなことはあるんですけど。
じゃあどういう時にテンションが上がるんですか?
阪本:仕事とは真逆なんですけど、もうオフとかになってしまいます。夕方で仕事が終わるとか。
中谷:逆に心配なるわ!
阪本:あ、僕泊まりが好きなんです。ホテルが。
中谷:あー、いつも泊まりになると喜んでますね。
阪本:仕事で前乗りするとか。とにかくホテルが好きで、「泊まりです」って言われたら嬉しいかもしれん。
中谷:確かに、「それ泊まり?」ってすぐ聞いてきますね。
泊まりの時のお気に入りの過ごし方ってあるんですか?
阪本:ホテルで1人で飲むのが好きすぎて。
中谷:何がいいねん。
阪本:家で飲むのとはまた違うというか、説明むずいですね。ホテルのバスローブを着て、電気を薄暗くして鏡の前で飲むのが好きすぎるんです。
中谷:好きすぎるんや(笑)。マジでわからんわ。僕はあんまり泊まりたくないんですよ。家の方が落ち着くじゃないですか。
阪本:僕はホテルで寝た方がいつもより疲れも取れる気がしてて。
中谷:そうなん?寝具も違うのに?
阪本:うん。
もしめちゃくちゃ売れてお金持ちになったら何をしたいですか?
中谷:お金持ちか……、夢みたいなのって答えるの結構難しいんですけど、とりあえず旅行ですかね。島とかにいきたいです。あとは何部屋かある家に住んで、漫画ばっかりの趣味の部屋を作れるになったら嬉しいです。
阪本:僕は普通に犬と猫と子どもがおるみたいな……。ちょっと大きめの犬とかがいてくれたら。
毎日幸せに暮らせそうです。
阪本:そうなるともう家を出ないと思います。休みの日もどこ行きたいとかもないかもしれん。
それはそれで、なんだか阪本さんらしいような気もします。近々単独ライブとかはあるんですか?
阪本:大阪ではないんですけど、5月8日(日)に「立つのよ!マユリカ!!湧き出るパワーの化学式!!!」っていうベストネタライブが東京であります。直近なので来場チケットはあるかわからないんですけど。僕らの単独は大体年1、2回で、年末くらいの時期にやっといた方がええかって感じでやるようにしてます。
中谷:「よっしゃやるぞ!」ってよりは、ほんまに「やっとかなあかん」みたいな感じですね。去年はM-1の時期に被せてしまって、エラい目に遭いました。
阪本:ほんまエラいことになりましたね。一応毎月新ネタはおろしてるので、大阪の劇場でやってるライブに足を運んでくれたら嬉しいです。

知れば知るほど味わい深さが増すお笑いコンビ<マユリカ>。彼らのポッドキャスト番組『マユリカのうなげろりん!!(ラジオ関西)』は、毎週土曜の23時頃に配信中です!ぜひ聴いてみてくださいね!!

『マユリカのうなげろりん!!(ラジオ関西)』
毎週土曜23時頃更新

マユリカ
NSC 33期生。2011年結成、大阪よしもとの劇場を中心に活動する同級生コンビ。ともに神戸出身で、3歳からの幼馴染。ラジオ関西のポットキャスト番組『マユリカのうなげろりん!!(毎週土曜23:00頃配信)』のパーソナリティーを務め、21年秋にオリジナルグッズとしてファースト写真集「Perfect!!」をリリース。今年春に完成した<マユリカ>公式サイトも必見。

中谷 祐太(ツッコミ担当)
絵を描くことを得意とし、お絵かき芸人として活躍する。学生時代「小僧解体新書」というイラストサイトを運営しており、大手出版社のコンテストに応募するなど漫画家を目指していたものの、阪本さんに誘われて芸人の道へ。最近健康のためにダイエットに取り組んでいたが痛風を発症。漫才で女性役を演じる際の、語尾上がりの口調が特徴的。

阪本 匠伍(ボケ担当)
ネタ作りを担当。特技はセキセイインコのモノマネで、<モーニング娘。>とハイボールが好き。バンド<ジュースごくごく倶楽部>のメンバーでもあり、「ジンジャーエール阪本」という名前でボーカルを務める。最近は『千原ジュニアの座王(関西テレビ)』で王者に輝くなど、優れた大喜利センスも話題に。電車に乗るのを極度に嫌がる。