「人生は思っているほどシリアスじゃない」。映画『ニワトリ☆フェニックス』の公開に先駆けて、キャスト陣にインタビュー!

大阪出身のかなた狼氏が監督を務め、2018年に公開された作品『ニワトリ★スター』。その世界を取り巻いていたものを陰とするなら、第2弾となる今作『ニワトリ☆フェニックス』は、その対面である陽の世界を生きているような体感を得ました。この物語は決して前作からの単純な続編ではありません。草太(=井浦新)と楽人(=成田凌)が、どこか別の世界線を越えた場所で再会してからの出来事なのです。それぞれが抱えているシリアスな問題から、少しだけ目を逸らすために出掛けたロードトリップ。行く先々で出会う、エキセントリックな場所や人々、彼らから聞く啓示のような言葉たち。まるで白昼夢を見ているような不可思議な物語が与えてくれたものは“人生をもっと積極的に面白がってもいいんじゃないか”という希望でした。主演の井浦新さん、成田凌さん、紗羅マリーさんの3人に、この作品を通して伝えたいことについて語ってもらいました。

『ニワトリ☆フェニックス』制作のきっかけは、コロナ禍で作った短編動画。僕らを輝かせてくれる人たちに、「ありがとう」を伝えたかった。

『ニワトリ★スター』の第2弾となる今回の作品は、予め予定されていたいわゆる“続編”ではなく、監督と井浦さん、成田さんの3人から発足したとお聞きしました。

井浦:2020年の5月くらいに、僕と凌と監督の3人で撮った『ありがとう』という短編動画をSNS上で公開したのがきっかけでした。その頃の僕たちは、予定していた仕事が完全に止まってしまって、家でただただ不安な日々を過ごしていたんです。そういう状況下のなかで改めて気付かされたのが「自分たちを輝かせてくれているのは、やっぱり映画やさまざまな作品を介して僕らの表現を求めてくれる人たちのお陰なんだ」ということだったんです。こんな状況下だからこそ得ることになった時間を使って「ありがとう」の気持ちを、僕と凌、つまり“草太”と“楽人”で伝えられたらいいよねって。撮影自体はリモートで、それぞれが撮ったものをレスポンスし合って、半日くらいで撮影しました。

“草太”と“楽人”というあの2人であることが重要だったんですね

井浦:前作の『ニワトリ★スター』を撮り終えたあとも、「僕と凌と監督の3人でまたいろいろと作品を作っていきたいよね」と話していたんです。でも、監督が新しい作品構想のなかに僕や凌を新しいキャラクターとしてはめ込んでいっても、やっぱりどうしても“草太”と“楽人”という2人に戻っていってしまうと言っていて。「ほんとに2人とはな、楽人と草太以外では考えられないんだよ!」って(笑)。監督はあんな図体と風貌しているんですけど(笑)、本当にものすごく感受性が高くて、心の動きが大きくて深くて、めちゃめちゃアツい人なんです。

成田:そうなんですよね。

井浦:「ありがとう」を撮ったことで、監督も完全にスイッチ入っちゃったから「もう、撮ろうよ!ちゃんと!」って。

紗羅:私も監督とはずっと連絡を取り合っていたんですけど、それで「ニワトリ、もう一度撮ろうと思うんだよね」って聞いて。そこから「じゃあ、月海は今回は何になろっか?」って(笑)

そこから相談されたんですね(笑)

紗羅:「暴走族でいく?」とか(笑)

成田:草太と楽人サイドじゃなくて、逆に2人を荒らしてくる側のキャストとしても有り得るからなぁ(笑)

紗羅:そう(笑)。「K-1の選手は?」とかも言ってた(笑)

井浦:めちゃくちゃだよね(笑)

紗羅:それは半分冗談だったと思うんですけど、結局、この作品での月海がどんな存在になるのかは、私にとっても開けてみてのお楽しみになったので。それで実際、開けてみたら本当に監督らしいことをしてくれたというか、「やっぱりそうなるんじゃん(笑)」って。

成田:月海の新しい存在の仕方としては、本当にこれ以外は考えられないくらいにビタっとハマってましたよね。

紗羅:うん。監督も「月海をどうするのか」というところを、すごく考えたって言ってましたね。

「漠然と過去を後悔する。漠然と未来を怖がる。期待する」という台詞が印象的。漠然と未来に期待して、漠然と怖がっているんだと気付いてハッとした。
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