Interview & Writing
鈴⽊ 直⼈

2020年11⽉20⽇(⾦)についに開業する⼼斎橋パルコ。その4階にSkiiMa(スキーマ)というワーキングスペースがオープンします。

いわゆる「シェアオフィス」かと思いきや、やたらと個室が少なかったり、ギャラリースペースや個⼈の趣味の品々が並ぶコレクションブースなんかもあって、なんだか様⼦がおかしい……?

聞くところによるとこのSkiiMa、ある⼀⼈の⼥性が発起⼈となって⽣まれた場所なのだとか。そこで今回は張本⼈である松井睦さん、そしてプロモーション・広報などを担当する野⼝泰佳さんに直接お話を伺ってきました。

⾊んな「好き」がぶつかって、「好き」の価値が⽣まれる場所を作りたい

まずは簡単にお⼆⼈のご経歴を教えてください。

松井:不動産デベロッパーで3年働いたあと、PARCOに⼊社して広島店・名古屋店で勤務後、本部で福岡や仙台、上野と新店の⽴ち上げに関わりました。それから株式会社中川政七商店に社外出向。

中川政七会⻑のもとで様々な経験を積ませていただき、2018年12⽉にパルコに戻ってきました。今はその頃の経験を⽣かして、 SkiiMaを中⼼とするワーキングスペース事業部の部⻑を務めています。

野⼝:私は新卒⼊社5年⽬で、 SkiiMaに携わる前は福岡PARCOでプロモーションに携わっていました。今の仕事に就いたのは、2019年の9⽉。今もタブロイドを作ったり、WEBサイトを作ったりと、主にプロモーションの業務を担当しています。

ワーキングスペース事業部の部⻑を務める松井さん。
SkiiMa⽴ち上げを通じて⼀番楽しかったことは 「チームメンバーの成⻑を感じられたこと」。

SkiiMaの発起⼈は松井さんだと聞きましたが、どうしてこんな場所を作ろうと思ったんですか?

松井:個⼈で仕事をしている⼈たちがもっと輝けるよう、応援できる場所を作りたかったんです。

何かきっかけがあったんですか?

松井:出向時代の経験が⼤きかったですね。それまでは企業やチームといった、何かしらの集合体と仕事をすることが多かったんですが、それに⽐べて出向時代は個⼈で仕事をしている⼈たちが本当に多かった。

でも個⼈の⼈たちには、なかなか他の個⼈や企業と出会ったり、協業したりする機会って あんまりないじゃないですか。もちろん個⼈で仕事をする楽しさもあると思うんですけど、同時に⼈と仕事をするのって楽しいことだと思っていて。

だから個⼈と個⼈、個⼈と企業のネットワークが⽣まれるような場所を作りたいと思ったんです。それは、PARCOのコーポレートメッセージである「Special in you」にもつながると考えています。

SkiiMaのプロモーションを担当する野⼝さん。
⽴ち上げを通じて⼀番楽しかったことは「クリエイターさんと直に話しながら、モノづくりができたこと」。

SkiiMaのコンセプトが「好きと好きの間に」になった経緯を教えてください。

松井:今回私たちは東京で「みどり荘」というシェアオフィスを運営しているMIRAI-INSTITUTE株式会社と⽴ち上げからタッグを組んでいるのですが、彼らとの話し合いで最初に出たアイデアが「個⼈で働いている⼈たち=好きなことを仕事にしている⼈たちを応援したい」だったんです。

でもそれだけだと、ワーキングスペースっていう形をとる必要はないですよね?

松井:そうなんです。だから話し合いを重ねました。すると「じゃあどうやったらその“好き”から価値が⽣まれるんだろう?」という話になって。誰かが⼀⼈で「これ好きなんだよなあ」と呟いていても、個⼈の趣味で終わってしまいますし、それこそワーキングスペースなんて必要ありません。

別に⾃分の家でやっていればいい話ですもんね。

松井:はい。だからSkiiMaは「好きと好きの間に」あるべきだよね、という話になったんです。“好き”に価値が⽣まれるのは、誰かに伝えて「いいね、それ!」と⾔ってもらった時です。

そのためには他の⾊んな“好き”とぶつかったり、すり合わせたりしながら、⾃分の“好き”を磨いていかなくちゃいけない。だから⾊んな⼈の“好き”が集まる場所=SkiiMaが必要だ、というわけです。

SkiiMaが「シェアオフィス」ではなく「ワーキングスペース」なのは、何か理由があるんですか?

松井:あります。“好き”のぶつかり合いやすり合わせが⽣まれるためには、⼈と⼈のちょうどよい距離感が必要です。そのためには「オフィスをシェアする」という形では少し距離が遠すぎるんです。

だからあくまで「⾊んな⼈が⼀緒に働ける場所」という定義にしておきたかった。 SkiiMaが「ワーキングスペース」になっているのはそのためです。

コレクションブースにギャラリー……SkiiMaに張り巡らされた「仕掛け」をご案内!

なるほど、よくわかりました。では具体的にワーキングスペースSkiiMaは他とどう違うんでしょう?

松井:わかりやすいところだと、4階という中層階にある点、ギャラリーとコレクションブースの存在、あとはワーキングスペースの構成でしょうか。

1つずつ説明してもらえますか?

松井:まずは⽴地についてですね。これにはワーキングスペースを利⽤する⼈だけでなく、普通にショッピングをする⼈もいる場所から、⾊々なことを発信していって欲しいという、パルコとしての明確な意思があります。

エントランスを⼊ってすぐのところにギャラリーを設置したのは、ワーキングスペース利⽤者以外のお客様も⼊りやすいように、という意図があるんです。

SkiiMaのギャラリー。今後様々なイベントが⽬⽩押し!

ギャラリーはワーキングスペースを使わなくても⼊れるんですね!

野⼝:はい、そうです。⼼斎橋PARCOのオープン時には、OIL by 美術⼿帖さんの企画で、辺⼝芳典さんの詩と⾚⿅⿇耶さんの写真をコラボレーションさせたアートを展⽰・販売する予定です。

アート作品というとお⾼いイメージがありますが?

野⼝:そちらはご⼼配なく(笑)。 SkiiMaのギャラリーでは気軽に購⼊できるアートも提案していきます。⽣活の⼀部にアートを取り⼊れていただきたいと思っています。

ここにはそういった外部のアーティストの⽅が出展していくんでしょうか?

野⼝:そんなことはないですよ。ギャラリーは「好きを表現する場所」という位置づけなので、外部の⼈でも内部の⼈でも、誰でも出展できるようにしていくつもりです。

⼩売店をされている⽅がここでテスト販売をして、パルコのクラウドファンディングプ ラットフォーム「BOOSTER」(https://camp-fire.jp/booster-parco)を使って⼀緒になって良い商品を作っていく、みたいな流れもアリだと思いますし。そのあたりの仕組みづくりもこれからですね。

3ヶ⽉に1度のペースで内容が変わる、⾊んな⼈の⾊んな“好き”が並ぶコレクションブース。
並んでいる商品をPARCOのオンラインサイトから購⼊できるような仕組みづくりも進⾏中。
オープン時は、「⼤衆⾷堂スタンドそのだ」を営む株式会社FERの代表・園⽥さんのコレクションなどが登場!

続いてはコレクションブースですが、ここはどういったスペースなんですか?

松井:⾊んな⼈の⾊んな“好き”を共有して、SkiiMaを利⽤する⼈が多様性に触れて、⾃⾝の価値観・美意識を磨く場にしたいと思って設けたコレクションブースです。

場所に縛られずに働く⼈って、多くの⼈が⾃宅で仕事をしているんですよね。でもそれではSkiiMaを使ってもらえません。だから「SkiiMaに⾏く理由」を作るために、このブースを作ったんです。

「そろそろSkiiMaのコレクションブース⾒に⾏こうかな」みたいな。

松井:そうです。新鮮さを保つために3ヶ⽉に1回を⽬安に出展する⼈を変える予定です。

出展する⼈はどこから選ぶんですか?

松井:有名・無名にはこだわりません。これから伸びていくであろう若⼿のクリエイターとか、あるいは「誰これ?」みたいな⼈でも、コレクションを⾒て内⾯が滲み出るような⼈なら⾯⽩いなと思っています。それこそ「野⼝泰佳」でもいいかな(笑)。

フリーアドレスエリアにあるので、このブースをきっかけに利⽤者の⽅同⼠のコミュニケーションが⽣まれてくれたら嬉しいですね。

SkiiMaのガイドマップ。⼀⾒してほとんどがフリーアドレスだということがわかる。

ワーキングスペースの構成にも何か仕掛けが?

野⼝:ガイドマップを⾒てもらえるとわかるんですが、 SkiiMaってほとんどがフリーアドレスなんです。普通はもっと個室を設けるんですが、それでは先ほどお話ししたようなつながりは⽣まれにくいですよね。だから施設の⼤半をフリーアドレスにしています。

これは松井さんのアイデアなんですか?

松井:いえ、これはデザイン⾯でご協⼒いただいている、流⽯創造集団株式会社の⿊崎輝男さん(IDEE創始者)の⼀声から始まりました。
⿊崎さんには他にも、テーブルや椅⼦など、様々な部分でコミュニケーションが⽣まれやすくするためのデザインを提案いただきました。おかげで、リラックス感のある柔らかなワーキングスペースになりました。

ミーティングルーム。
ランプシェードや机、椅⼦など、⼤半のものが⾓がない柔らかな印象。ちなみに床もふかふかで柔らかい。

他にはどんなスペースがあるんですか?

野⼝:ミーティングルームや個室、固定デスクなどがあります。使える場所や時間はプランによっても変わるので、詳細はSkiiMaのホームページ(https://skiima.parco.jp/)から⾒てもらえたらと思います。

「“デザインの街・⼼斎橋”の⼀端を担える存在に」彼⼥達が⾒据えるSkiiMaの未来

近い将来、 SkiiMaがこうなったらいいなというイメージはありますか?

松井:「OSAKA×MILANO DESIGN LINK」などで⼤丸さんが掲げているように、⼼斎橋という街はこれからますますデザインの街になっていきます。私たちSkiiMaもその⼀端を担える存在になれたらと考えています。

野⼝:そのためにも国籍、出⾝、性別、職業、年齢などの壁が何もない、フラットな場所にしていきたいですね。変な隔たりがなくなれば、⾃然と⾊々なクリエイターが集まってきて、⾯⽩い化学反応が起きるんじゃないかなと思っています。

どんな⼈がSkiiMaに集まってきて欲しいですか?

野⼝:好きなものを持っている⼈なら誰でも!⾃分の“好き”を誰かに伝えて、価値を⽣み出したいと思っている⼈なら、もっと⼤歓迎ですね。

「クリエイターを育てたい」というとおこがましいんですが、次世代のクリエイター同⼠のつながりを作るとともに、⼤丸さん含めて私たちから⾊々と関わっていきたいとも思っていて。

メンバー(会員)の皆さんの“好き”から、そういう形で価値を⽣み出していけたらいいなと考えています。

松井:ギャラリーやコレクションブースをはじめ、 SkiiMaはとてもチャレンジングなプロジェクトです。もちろん私たちから提供するものもたくさんありますが、同時に私たちの挑戦に⼀緒に参加したいと思ってくれる⽅が来てくれたら、なおさら嬉しいですね。

SkiiMaはPARCOさんが運営していくんですか?

松井:いえ、⽇常的な運営はビジネスパートナーのMIRAI-INSTITUTE株式会社さんが担当してくれます。

SkiiMaのコミュニティマネージャーを担当する橋本さん。
SkiiMa発のイベントは橋本さんをはじめとするMIRAI-INSTITUTE株式会社のメンバーが運営する。

では、オープン後のSkiiMaは松井さんや野⼝さんの⼿を離れる?

野⼝:いえ、毎⽉イベントの開催や新規のメンバーさんに会いにきたり、何かしらあるので、その度に私たちのチームメンバーの誰かがSkiiMaに来る予定です。

松井:先ほどお話ししたように、ギャラリーでのイベントがたくさん進⾏中なので、楽しみにしておいてください。

ものすごく楽しみです!オープンまで⾊々と⼤変かと思いますが、頑張ってください。本⽇はありがとうございました。

Profile

松井 睦
株式会社パルコ ワーキングスペース事業部部⻑。店舗誘致や新店⽴ち上げに関わったのち、株式会社中川政七商店に社外出向。その際の経験を⽣かして、今回SkiiMaの⽴ち上げを発案した。

野⼝ 泰佳
株式会社パルコ ワーキングスペース事業部所属。新卒⼊社5年⽬。現在の仕事をするまでは、福岡パルコで主にプロモーションの業務に関わってきた。広報誌であるタブロイドや公式サイトの制作に携わっている。

SkiiMa

住所:⼤阪府⼤阪市中央区⼼斎橋筋1-8-3 ⼼斎橋PARCO 4F
営業時間:⼼斎橋PARCOに準ずる
アクセス:Osaka Metro 御堂筋線「⼼斎橋駅」南改札直結

お問い合わせ:skiima_shinsaibashi@parco.jp
https://skiima.parco.jp/

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