遊びと仕事のちょうど真ん中、部活みたいな感覚を大切にしたい。大阪発のDTMユニット・パソコン音楽クラブの実験的思考。
アートワークは音楽の印象を左右する重要なもの。今となってはビジネスパートナーだけど、部活っぽくやってた頃の感覚は忘れたくない。
アートワークに関するこだわりを教えてください。
西山：iTunesやサブスクって必ずヴィジュアルを目に入れてから聴くものだから、アートワークは音楽の印象を左右する非常に重要なものとして捉えています。それを踏まえて今回リリースした「FINE LINE」は、あいみょんさんのジャケットなどを手がけているとんだ林蘭さんにアートディレクションをお願いしました。今まで以上にアートワークを重視した作品になっています。
柴田：自分たちの世界観に一貫性を持たせるため、デザイナーさんはずっと同じ方にお願いしています。
西山：今までの世界観を保ちつつ新しい意識を入れる。収録曲とのカラーとの統一性を持たせることもできたのかなと思います。
ポップなミュージックビデオも素敵でした。
柴田：今回はビジュアル的なかわいらしさを追求しました。VHSなど古いガジェットをポップに落とし込んだ点にも、僕らのカラーを出してもらっています。
6月30日（金）に『心斎橋SUNHALL』、7月には東京・渋谷でアルバムのリリースパーティを控えていらっしゃいます。クラブツアーもありますし、今後が楽しみですね！
西山：大阪・東京の2公演はワンマンではなくライブセットと銘打っていて、映像・演出・演奏も含めた作品の世界観をより感じていただけたらと思います。クラブツアーはクラブのカルチャー自体の魅力を伝えられるよう、みんなでお酒を飲んで楽しめたらいいなぁと。たぶんアレンジもめっちゃ増えるんじゃないのかな。
ライブやクラブツアーへの意気込みを教えてください。
柴田：ライブはより音楽に浸っていただけるように。クラブはハコによって雰囲気が違うので、同じ趣旨のイベントでも全然異なる楽しみ方ができるんじゃないかなと。素人玄人問わず来てほしいです。
西山：オールナイトでクラブイベントをやるんですが、夜中に音楽を聴くのってすごくいいですよ。ライブ感覚で行くとずっと見なきゃと思っちゃうから、お酒を飲みながら聴いてもいいし何なら聴かなくてもいいし。音楽の趣味の合う友達を探すのもおすすめです。
柴田：途中で抜けて『すき家』とか行っちゃってもいいと思います。
ちなみに関西に住んでいた頃はよくクラブに行かれてました？
西山：僕は昨年までミナミに住んでいたので、アメ村のクラブや京都の『CLUB METRO』にはよく行ってました。特に京都は学生が多いぶんにぎわっていて楽しかったです。
大阪時代に2人でよく行った思い出の場所はありますか？
西山：結構いろいろ行ったなぁ。2ndアルバムの「Night Flow」は、2人で天王寺をチャリで徘徊した夜のことを作品に落とし込んでいます。
柴田：僕ら南大阪が実家なのに、わざわざ住吉とかにもチャリで行ってました。
西山：あの時はそれが楽しかったんですよね。堺にある僕の家から泉大津にある柴田くんの家まで行って、そこから天王寺まで一緒に行って帰ったりとか。2人で遠出した時にチャリがパンクして、わざわざ親に車で迎えに来てもらったこともありました。
柴田：難波に楽器を見に行ったり日本橋のソフマップで機材を買ったりもしてて。三国ヶ丘の『FUZZ』っていうライブハウスにもよく行きました。そこは僕らもよく出させてもらいました。
お話を聞いているとなんだか部活の友達みたいですね。
柴田：まぁ友達の延長ですね。
西山：だけどだんだん仕事のパートナーになって、会社を作って自分たちでやらなきゃいけないことも増えて……。すでにビジネスパートナーではあるんですが、部活っぽくやってた時代を守りたいっていう思いは常に持ち合わせています。
部活からビジネスへ意識が切り替わった瞬間はありましたか？
西山：契約書を見た時ですかね。
柴田：外から依頼をいただいて曲を作る機会が増えたりとか。
西山：実印を押す時も仕事としての実感がふつふつ沸いてきます（笑）。ただ僕は仕事として考えると生真面目になっちゃうので、友達みたいな関係でいられる方がおもしろい作品ができるんじゃないかなと。その感覚は忘れたくないと思います。
今後やってみたいことはありますか？
柴田：海外でライブをしてみたいです。音源をサイトに出品しているんですが、意外と海外に興味を持ってくれている方が多くて、僕たちもぜひ海外公演をしたいなと。クラブカルチャーの本場であるイギリスでできたら最高ですね。今後挑戦したいことの1つです。
最後に、宇宙人やUFOは現実世界にいると思いますか？
西山：UFOは見たことないし会うのはなかなか難しそうですが、宇宙人はいると思います。
＜INFORMATION＞
パソコン音楽クラブ アルバムリリースパーティー2023
『FINE LINE』～Green Boy Festival～
日時： 6月30日（金） OPEN 17:30 / START 18:30
場所： 心斎橋SUNHALL （大阪市中央区西心斎橋2-9-28 ビッグステップサウスB2F）
ゲスト： in the blue shirt / 髙橋芽以（LAUSBUB） / 林青空 / The Hair kid（Milk Talk）
パソコン音楽クラブ
2015年結成、大阪出身の柴田碧（左）と⻄山真登（右）からなるDTMユニット。往年のハードウェアシンセサイザー・音源モジュールを用いた音楽制作をしており、他のアーティスト作品への参加やリミックス制作も多数手掛ける。アニメ「ポケットモンスター」のエンディングテーマ制作なども担当。
Website： https://www.pasoconongaku.club
Youtube： https://www.youtube.com/@pasoconongaku
Soundcloud： https://soundcloud.com/0jyvjnv1dely
