私が今世界で1番カッコよかった!そう思えるのが音楽。音楽業界注目のアーティスト・UCARY & THE VALENTINEのピュアでクレイジーなスタイル。


ファッションが大好き!好きなブランドの洋服を買うために、ご飯を抜いたりがんばって貯めたお年玉を全部使ったりしていました。

UCARYさんはファッションアイコンとしても注目されています。音楽をきっかけにファッションが好きになったんですか?

逆ですかね。ファッション入りで音楽が好きになりました。どちらもずっと身近にあったものだけど、「音楽が好き!」より「服が好き!」と自覚する方が早かったです。昔セックス・ピストルズも着ていた<セディショナリーズ>っていうパンク系のブランドがあって。私が好きになった時にはもう市場に出回ってなくて、あっても100万円くらいしていました。梅田の阪急百貨店でよく買い物をしていて、そこで最も<セディショナリーズ>に近かったのが、当時の<ヘルムートラング>と<マルジェラ>で。服を買うために貯めていたお年玉は全部使ったし、それだけじゃ足りないからご飯も食べなくなって、貯金や食費をすべて回して服を買っていました。今は<シュプリーム>や<ステューシー>も好きで、モードやストリートのブランドに古着をMIXして着ています。

パンクとモードとストリートがUCARYさんのベースなんですね。

いつからかパンクやロックはステージ衣装になって、普段着は少しストリートっぽくなっていきました。フランス映画が好きで、Tシャツ×シャツ×ジーパンみたいなシンプルな着こなしがカッコいいなって。私はそういうのを、モード&ストリートのブランドと古着を織り交ぜてやっているつもりです。

ちなみに今日の洋服はどちらの?

シャツは<パタゴニア>で、デニムパンツは<ラグ&ボーン>。このパンツのせいで、おじさんたちには「エルヴィス・プレスリーみたい」って言われます。

ビーズを使ったアクセサリーも制作されていますが、作ろうと思ったきっかけはありますか?

最初は自分用に作っていました。使っているのは、3歳くらいから集めている30年代~70年代のチェコビーズやフランスビーズ。おもちゃみたいで可愛いんですよ。アクセ作りが楽しくてハマっちゃって、ほしいって言われてないのに40本くらい作ったんです。どうせならライブ会場で売ってみようと思って、最初1本1,000円にしようとしてたら、服屋をやってる友達に「うちで取り扱うとしたら2万つける」って言われて。半信半疑で1万円で出したらみんな買ってくれて、オンラインショップも併せて130本くらい売れています。大阪の『BIO』でも取り扱っているので良かったらぜひ行ってみてください。

もの作りもお好きなんですね。

ビーズ、モール、糸、布、毛糸、リボン……、幼い頃から結構たくさん集めています。ママは刺繍をしていて、私の実家には洋服ダンスと手芸用のタンス、2つのタンスがあって。手芸用のタンスには、素材をぎっしり詰め込んでいました。

UCARYさんはファッションもお好きだし、モデルもされています。色んな可能性があったと思うんですが、やっぱり音楽の道を選んだんですね。

うーん……、ミュージシャンって本当に割に合わないから、もっと早い段階でアートディレクターという仕事があることを知ってたら、そっちに行ってたかも(笑)。デザインも好きだし、何より目に見えるものだからわかりやすい。歌は目に見えないから心に響いてるかどうか判断できなくて。とにかく時間と労力に見合わない(笑)

それこそアートディレクションをする機会もあるんじゃないですか?

2年前に<WIND AND SEA>とパラッパラッパーのコラボ商品のディレクションをやらせてもらって、それがすごく楽しかったんです。私みたいな格好の人いっぱいいると思って上京したけど全くいなくて、「UCARYちゃん変な服いっぱい持ってるじゃん」って周りにウケてモデルに誘われることが多くなりました。そこからファッション業界の人と仲良くなって、色んな撮影に呼んでもらったりランウェイを歩かせてもらったり。この前亡くなっちゃったけど、山本寛斎さんとかもすごく良くしてもらいました。

服はずっと好きだから着こなしにはちょっと自信があって、服のキャンペーンのディレクションはまたやってみたいな。とはいえどれも音楽ありきの仕事なんですよね。音楽が色んなことにつながるのはとっても嬉しいし、それで知ってもらえることも多くて。音楽は私が世界とつながる手段だから、ずっと続けていきたいです。

たまに「私が今世界で1番カッコよかった」と思う瞬間がある。私にとってそれを唯一感じられるのが音楽で、だから私は音楽をやめれない。
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Profile

UCARY & THE VALENTINE

1992年生まれ、兵庫県出身。シンガーソングライター/トラックメーカー。音楽好きの家庭で育ち、幼い頃から曲作りを始める。2011年に上京しソロ名義で活動をスタート。現在は、ソロでの音楽制作だけでなく、くるり、銀杏BOYZなど、様々なアーティストのゲストボーカルやバックコーラス、アレンジャーとしても活躍。ヴィンテージのビーズや珍しいチャームを使ったアクセサリー作りも行う。

https://ucary.theshop.jp/

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