死ぬまでフロアにいたい。アツいイベントを仕掛け続ける『CATS』の吉田サキさんが持つ、好きなものへの熱量って。
音楽とは一生の付き合いだと思ってる。若い子とかに「あの人誰なん?」って言われながらも、フロアの最前列でずっと手を振っていたいかな。
これまでいろんなイベントを企画されてきましたが、サキさんが特に印象に残ってるものってありますか?選べないかもしれませんけど…。
ホントいろいろやってきましたからね。ただ、私自身イベントを組む度に思ってるのは、「絶対に前回のイベントよりも最高にする!」ってこと。お客さんにたくさん入ってもらうことはもちろんだけど、楽しんでる顔を見るとやっぱりうれしいんですよね。「そやろ!めっちゃいいやろ?」「このラッパーもこの曲も、このDJもカッコイイやろ?」みたいな。毎回ね、「どや!?」って気持ちでフロアを見てますね(笑)
1つ1つのイベントに熱量と想いを込めて企画してるからこそ、お客さんが楽しんでる姿を見た時の気持ちは分かるような気がします!
それがこの仕事の醍醐味でもありますからね。だから、自分としては毎回が最高のイベントにしてるつもりだから選ぶのは難しいけど、ちょっと趣向を凝らしたものだと<RIZE>のKenKenさんの時と、<変態紳士クラブ>の時ですかね。
それ気になります。どんなイベントだったんですか?
KenKenさんの時は、お客さん100人限定のイベントでした。でもね、そもそも『CATS』に100人も入れるのか謎の状態で…。フロアのテーブルやイスを全部どけて、お客さんを入れ替えしながらなんとかやり遂げましたね。<変態紳士クラブ>のみんなにはゲストDJをしてもらいつつ、ゲストバーテンダーとしてお客さんにお酒も振る舞ってもらいました。私自身も「めっちゃ楽しいー!ありがとー!!」って叫んでたかな(笑)
どっちもスゴイ盛り上がったでしょうね!<変態紳士クラブ>さんは大阪で結成されてるし、昔から知ってたんですか?
TAKA(WILYWNKA)が、上の階の『一二三屋』で働いてたのでその頃から。仕事終わりに飲みに来たり、仕事終わってCIRCUSでライブして、また飲みに来たり。なんか、「このビルだけでお金動いてるやん!」みたいな時期もけっこうあって、楽しかったですね。
この中西ビルは、入ってるテナントのラインナップもそうだし、楽しさが相当濃いですね。先ほど、お客さんの楽しんでる姿を見るとうれしいと言ってましたが、サキさん自身の楽しい瞬間ってどんな時ですか?
やっぱりライブの時とかの一体感かな。みんなで「イェーイ!」ってなってる時はたまらなく楽しい。基本、イベント中はフロアに出るタイプなんでね。それまではめちゃくちゃ頑張るから、当日だけはお願いだから遊ばせてくださいと…(笑)
イベントを企画してる人が一番楽しんじゃうんですね(笑)。最高だと思います、それ!
CIRCUSも含めて、スタッフみんなおかげだと思ってます。いつも感謝しかないですね。そうじゃないと、私は遊ばれへんし。
ってことは、後輩も順調に育ってきてるんですね!
どーなんでしょうね。『CATS』では基本的には1人だし、超忙しい時はサポートしてくれる子もいますけど、すぐに外に出て全然帰ってこないから…。ぶっ飛んでる子なんですよねー。
いやいや、それ昔のサキさんと同じですよ(笑)。ある意味、順調に育ってるってことじゃないですか?
あ!でも、変なところだけ育ってしまってる……(笑)
いつか実を結ぶはずですよ!!第二、第三のサキさんが生まれてくる感じで。そうなると、さらに『CATS』も『CIRCUS Osaka』もおもしろくなりそうですね。まぁ、育てるって言うとおこがましいかもしれませんが、スタッフだけじゃなく、クラブとしては若手のアーティストさんをフックアップする役目もあると思います。最近の推しの方がいれば、教えてもらえますか?
<YAMATO HAZE>ですね。沖縄出身のレゲエDeejayで抜群にカッコイイ!ちょうど沖縄に行ってた時、みんなで“ゆるい曲を流そう選手権”をしてて、唾奇に「サキちゃん好きだと思うよ」って教えてもらったんです。聞いた瞬間、めっちゃいいなと。しかも海を見ながらだったから、「コレ!コレー!!」って感じでしたね。『CATS』の5周年イベントにも出てくれたんで、ぜひぜひチェックしてもらえれば!
<YAMATO HAZE>早速聴いておきます!沖縄はよく行ってますよね?
半年に1回くらいですかね。出張CATSという名目でイベントしつつ、みんなで遊んでます(笑)
めっちゃ理想的じゃないですか!
やっぱ最高なんですよねー。これからは沖縄だけじゃなくて、いろんな場所でもしたいなって思ってます。北海道とか名古屋とか全国各地を大好きなアーティストとキャラバンして、現地でイベントもしつつ、おいしいごはんを食べて遊ぶ!もう考えるだけ楽しい。
いいですねー。やっぱ楽しいことをしてると、次々と楽しいことが生まれますよねー。
まだまだやりたいことはいっぱいありますからね。他にも、みんなでビルを買って、それぞれができることをするとか。私はバーをして、友だちがレコードショップしたり、美容室したり、レストランしたり…。全てをまかなえるから「最強やん!」って、よく話してますね。
音楽が大好きだったからこそクラブで働き続け、今ではできること、やりたいこともどんどん増えてる。スゴイ漠然とした質問ですけど、サキさんにとって音楽とは?クラブとは?
何やろ、正直考えたことないですね、ホントに。ただ、音楽とは一生の付き合いだと思ってるし、死ぬまでフロアにいたい。早く後輩を育ててバーカウンターからは退き、現役は引退しつつも、フロアではずっと現役でいたいんですよ!若い子とかに「あの人誰なん?」って言われながら、フロアの最前列でずっと手を振って盛り上がってる感じ。それが、私の目指す理想の姿かなって思いますね。
<吉田サキさんがお気に入りのお店>
なんやかんや(大阪市浪速区幸町)
ザ・町中華で、カウンターだけのアジのあるお店。おすすめは野菜たっぷりでヘルシーな、トマトピリ辛ラーメン。
Candyrim(大阪市西区南堀江)
よく行くセレクトショップで、気になるアイテムが発売されたらいつも取り置きしてもらってます。
Cauliflower(大阪市中央区西心斎橋)
アメ村にあるバー&クラブ。知り合いがDJしてる時もあり、週末のイベント終わりに遊びに行ってます。
吉田サキ
アメ村のミュージックバー『CATS』の店主。18歳の頃からライフワークの如く夜のクラブ活動を続け、そこで培ったアーティストたちとの繋がりを生かしながら、HIP HOPをはじめさまざまなイベントを企画している。周囲からは「いつもスゴイ人をイベントに呼んでくる!」と言われるほどのブッキング力を持つが、本人は好きなものに対してただ真っ直ぐなだけ。これからの大阪のクラブカルチャーを支えるキーマンの一人。
CATS
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