注目のイべントオーガナイザーたちに聞く、関西のコスプレ・アニソンクラブイベントの現在とこれから。

コロナ禍の影響で多くのエンタメ業界が影響を受けています。いまだに先の見えない状況ではあるけれど、そういった状況の中でも盛り上がっているコンテンツも少なからず存在するんです。
コスプレは、そういったコンテンツの代表と言ってもいいんじゃないでしょうか!?今やテレビでも有名人がコスプレをしたり、コスプレイヤーが多くの支持を集めてSNSでインフルエンサーとなっていることも多く、流行の発信点のひとつとなりつつあります。

そんなコスプレ界と縁深い存在であるのが、アニソンクラブイベント(アニクラ)。普段はコスプレイヤーやDJが華やかに彩り、盛況となるはずですが、現在は厳しい状況であることは言うまでもありません。相反する状況であるふたつの界隈だが、実際にイベントを主催する方々は今、何を思っているのでしょうか。

そこで今回は、京都・WORLDにて同府最大級のアニソンイベント・“アニメメメ”を初開催するsaqkiiii!!!!(サッキー)さん、神戸のハーバーランド・モザイクエリアにてアニソン・コスプレイベント“かみこす!”の主催者であり、神戸のワクワクロックンロールバンド“ワタナベフラワー”のベーシストでもあるムサさんの両名にインタビューを敢行!自らの地元で、アニソン・コスプレ文化を盛り上げているふたりの、今の思いや野望をたっぷりと伺ってきました!

第一印象は、めちゃくちゃ楽しそうにハナヤマタを踊る人だなあって。

今日はアニソンイベントやコスプレについて、関西のキーマンであるお二人にいろいろ伺えればと思いますので、よろしくお願いします!

“アニメメメ”主催のaqkiiii!!!!さん(左)、“かみこす!”主催のムサさん(右)。

ムサ:saqkiiii!!!!さんと普通に喋ることそんなないですもんね?

サッキー:いや、ほぼほぼないですよね(笑)

ムサ:そう、だから逆にソワソワしちゃって…喋りたかった人と喋れるんか〜て思いながら今日来ました。初めて認識して喋った時に、僕がズタボロに酔っ払ってたんで…(笑)

サッキー:(笑)。なにかのイベントで会った時ですよね?

ムサ:なんか、意識を取り戻したらsaqkiiii!!!!さんからLINEが入ってて、「昨日は楽しそうでしたね」って。どうやらやらかしたなと(笑)

お二人の付き合いはけっこう長いんですか?

ムサ:いや、全然。僕は一方的にイベントに出演されてるのを見てて。多分初めて見たのは“アニカフェスタ”っていうイベントで、ゲストでDJ出演されてる時。すごく楽しそうにハナヤマタを踊る人だなあって。それで気になってたんですけど、京都で大きなイベントされてたりとかでその後もお名前をよく聞いてて。それでその後たまたま遊びに行ったイベントでお会いして、テンション上がって酔っ払ってウザ絡みしてって感じですね。

サッキー:そんなことないそんなことない(笑)。僕は、ムサさんが開催されてる“かみこす!”のアフターイベントに別の人に呼んでもらって出演させていただいた時に、ムサさんって人が主催されてるのかって認識したのが最初です。そこからしばらくして、京都でやってるイベントのスタッフの子に、「ムサさんって人がラジオの番組内でsaqkiiii!!!!さんの名前を出してましたよ」って言われて(笑)

えええええ(笑)

サッキー:そう、えーーみたいな(笑)。その時はまだ全然喋ったこともなかったんで、どういうこと!?って思って。

ムサ:誰が何を電波に乗せてんねん!みたいなね(笑)

サッキー:確か去年“アニメゾンスペシャル”っていうイベント(saqkiiii!!!!さんが主催するイベントのひとつ、“アニメゾン”の特別版。平安神宮前にて野外イベントとして開催された)を開催する前に、ちょっとそれを触れてくれたって感じですよね?会場で楽しそうにハナヤマタ踊ってる人がいたら、それがsaqkiiii!!!!さんだよみたいな(笑)

ムサ:楽しそうに踊ってる人が一番えらい人やからと(笑)。でもまあ、そういうイベントに行ったことない人のきっかけになればな、と思って。せっかく行くなら、音鳴ってて楽しそうだけど怖いな、じゃなくて、ラジオ通じて知ってる人がいれば安心するかなあと。僕も20年バンドやったりラジオさせてもらったりしてるんですけど、知らないとこが苦手なんですよ。けどアニメとか漫画は好きやったんで、そういうのやったら喋れるかなと思って。最近まで公表してなかったんですけどね。で、実際遊びに行ったら楽しかったんで、そういうこともみんなに知ってもらいたいなと。だからそういう身内の話もたまにするんですよ。

“かみこす!”出演時のsaqkiiii!!!!さん。

ということは、アニソンDJをされるようになったのも結構最近ですか?

ムサ:もう最近も最近。それこそsaqkiiii!!!!さんにも出ていただいた“かみこす!”っていう神戸のコスプレイベントを主催してるんですけど、痛車があったりステージがあったり、コスプレ以外も楽しめる空間を作っていてね。僕はバンドマンなので、自分らが一番目立てるものとしておっきいイベントを自分で作って出たら、勝手に自分が一番王様じゃないですか、もちろんトリを飾って(笑)。なのでそのための“かみこす!”やったんですけど、回数を重ねるごとに好評いただいて規模が大きくなってくると、バンドやってる場合じゃなくなってきたんですよね。
例えばバンドで演奏してる時にお客さんが揉めたりしたらどうしようとか。そうなると、だんだん裏方側の人間になっちゃって。だからこのイベントでは今バンドやってないんですよ。で、司会やってたんですけど、これもまた身体をとられるんですよね。だから事件を処理できない。

事件?(笑)

ムサ:野外でやっていることもあって、一般の観光客の方にびっくりされちゃったりとか、よくあるんですよ。そういう時に、ちゃんと説明できるように体をできるだけあけておきたくて。でも、何か出演したほうがいいよって言われて、DJだったら30分なら30分なんで、できるかなと思って初めてみようと思ったのがきっかけですね。けど、やってみてわかる難しさがめちゃくちゃありますね、saqkiiii!!!!さんが神に見えました(笑)

saqkiiii!!!!さんもイベントを運営する上で大きいトラブルとか事件とかありますか?

サッキー:うーん僕はそんなめちゃくちゃ大きいのはないですね。今ちょっとコロナでお休み中ですけど、京都で”アニメゾン”ていうイベントを木屋町の路面店でやってるんですけど、店の前でお酒飲んでる人とかが自由に入ってこれる感じなんで、かなり酔ってる人が入ってきてお客さん同士で口喧嘩になったことがあるくらいで(笑)、そこまで大きいのはないですね。

自分の育った街を盛り上げたい、っていう気持ちが一番。

お二人は、それぞれ神戸、京都エリアでイベントを開催されるなど活躍されています。いわゆる地域密着で活動されるということには、その土地や場所に特別な思いがあるのでしょうか?

ムサ:そうですね。僕は、もともと自分がやってるバンド“ワタナベフラワー”が「神戸のワクワクロックンロールバンド」というコンセプトでやってて、それが今、人生の母体というか。バンド自体はデビューした直後は東京とか大阪の事務所に所属してた時期もあったんですけど、その時も自分たちは神戸に住んでたので、月に数回事務所に行って仕事させてもらってたんです。
でもそれって、やっぱりその場所に住んでなかったから。なんか、遠い出来事に思えてしまって。しかも、お給料ももらえて、スタジオに入れば制作費ももらえて。正直、今思えば環境に甘えた働き方だったと思いますね。年一回しかアルバム出さないとか、ビートルズみたいな活動してましたから(笑)。
そんな経緯もあって、いざ、そういう生活から離れるってなった時に、活動がミニマムに見えるのも嫌だったんで、「じゃあ、地元密着、神戸密着のことをやろう」と。お世話になってきた神戸に、ちゃんと恩返ししていこうという活動に切り替えました。

具体的にどんな活動をされるようになったんですか?

ムサ:例えば、CDを発売するにしても、神戸のショップのみでの販売にするとか。そういう地元での活動ばかりをやり出したら、ようやく「地元のこと盛り上げてくれてるんやったら、うちの祭り出えへん?」とか「うちのラジオで喋りませんか?」とか、神戸の人たちがすごく受け入れてくれたというか。で、そういう中で、僕もようやく、オタクであることをカミングアウト?じゃないですけど、そうしたらみんな仲良くしてくれて。ただ、大阪はやっぱりイベントが多いんですよね。コスプレイベントに関しても、何万人と集まるフェスとかがあって。

確かに大阪は多いイメージありますね。

ムサ:そう。で、四国にもあるんですよ、“マチ☆アソビ”っていう、徳島駅降りたらもう駅前がコスプレしてる人がいたりとか、絵の展示がされてるとか、ステージがあるとか、そういうDJイベントだったりコスプレイベントが各地で開催されてる中で、神戸ってなかったんですよね。京都にはもちろん“京まふ”があるし。でも神戸にはなくて、それが嫌だなと。じゃあないなら、作ってみよっかな、ってのが、イベントを考えた最初ですね。
僕は昔ガンダムカフェに入りたいけど中で何話してるのか分からなくて入れなかった経験があるんで、初めての人が来やすいように野外で、ハーバーランドに遊びにきた人がチラ見できる感じにしたら、いつかその子がクラブイベントとかコスプレイベントに行けるきっかけになるかなと思ったんですよ。だから知り合いのメイドカフェとかDJさんにも声をかけました。

それが最初のイベントなんですね。

ムサ:初心者の館的な。一回心臓に水つけていただいて。

慣らしていく感じですね(笑)

ムサ:遊びに行き出したらもっと色んなすごいことが待ってるから、それを楽しみにして、一回これを楽しんでみてね、ていうのが“かみこす!”のきっかけですね。神戸の景色もいいので、それを地元で開催しました。

“かみこす!”のイベント風景がこちら。昼と夜で大きく景色の変わる会場です。

開催場所のハーバーランド・モザイク周辺は、確かに景色も抜群にいいロケーションですね。

ムサ:そうなんですよ。さらに言うと、神戸ってアクセスがいいから、海外から神戸に来ても結局神戸で遊ばずに大阪とか京都に行っちゃうんですよ。だから日本の文化であるコスプレのイベントがあって、それに興味持ってもらって写真に撮ってくれたら、神戸の風景が全世界に広まってくれるんじゃないかという、「ぽい」理由も…(笑)

地元を世界へ発信して盛り上げる役割も担ってるワケですね。saqkiiii!!!!さんはどうですか?

サッキー:僕はシンプルに、自分が京都生まれ京都育ちなので、この街を盛り上げたいっていうのが一番。で、アニソンクラブ界隈で言うと、さっきムサさんがおっしゃってたみたいに、本当に関西は大阪ばっかりなんですよ。京都や神戸もちょろちょろはあったんですけど、近年それがさらに少なくなってると感じてて。
そういう中で、京都でアニクラをよくやってた“スワロウテイル”っていう箱が少し前に閉店しちゃって。そこでやってたイベントはいっぱいあったんですけど、大阪に場所を移したりとか、イベント自体をやってなかったりしてることもあり、京都のアニクラ界隈がちょっと元気ないなと感じているので、なんとか盛り上げたいなという気持ちもあります。

今回、京都WORLDで立ち上げた新アニクライベント“アニメメメ”も、そういう思いがあって立ち上げられたのでしょうか?

サッキー:そうですね。昨年9月に“京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)”の公式連携イベントとして平安神宮前で“アニメゾンスペシャル”を開催して、アニクラ、DJイベント未体験の多くの方にも広く楽しんでもらうことができました。この日に各地方や界隈の多くの方も集まってくれていて、そこかしこで再開を喜ぶ姿を目にしました。 それと同時に今京都にはこういった場がないので、みんなが集まれて、ジャンルや属性、カルチャーも越えて交流が生まれてく。そんな場が今の京都に必要だと強く感じて、今回“アニメメメ”を企画しました。

“アニメゾン”の1シーンより。
“アニメゾンスペシャル”は、由緒正しき平安神宮前で開催。

アニクラ・コスプレ界隈だけでなく、まさに京都を盛り上げることがひとつの目的になってるんですね。

サッキー:あと僕は、DJを体感してもらって、「こういう音楽の楽しみ方があるんだよ」ってことを多くの人に知ってもらうってことを目的の軸として、色んなイベントを主催して活動してます。でも、京都はやっぱり学生の街で、若い街なので、間口を広げて色んな人が出入りできて交流してもらえる場を作っておくと、今後ここからDJを始めたりイベントを開催してくれる人が出てきてくれるんじゃないかと思ってるんです。実際、“アニメゾン”で初めてアニクラを知ったお客さんがそこで楽しみを知って、DJ・VJに興味を持って実際に自分でDJやVJを始めて、今では自分のイベントを開催してることもありますから。僕の活動でもこうやって興味持ってくれる人がいるのを見ると、もっともっとこういう活動をやってかないといけないな、と思うと同時に、京都にもまだまだ可能性があると感じるので、これからも京都で続けていきたいなと思いますね。

京都も神戸も人の流れが大きそうなので、街の特徴的にも面白いですし、色んな人が行き来しますもんね。ただ間口が広くても、実際にお客さんが入ってきやすいようにする工夫もあると思うのですが、その辺りはどうですか?

ムサ:“かみこす!”で僕がやってるのは、広い場所なので、あえて閉鎖させることですね。

あえて閉鎖…ですか?

ムサ:場所作りの考え方なんですけど、普通の考え方だと、与えられたスペースをフルに使ってお客さんを入れたいって感じだと思うんですけど、僕はあえて一部にお客さんが集まるような作りにしてます。

自由なスペースを確保するってことですね。

ムサ:そうですね。お客さんがけっこう集まりそうなステージ前とは別の場所に、メイド喫茶とか、サバゲーのお店出したりとか、写真が撮れるようなスペースを確保して、普段に近いような居心地のいい空気感を作るように意識してます。ありがたいことにレイヤーさんも回を重ねるごとに増えているので、みんなでいい雰囲気を作り出してくれてますね。

野外イベントは特に外からも見えるので、イベントの空気がよく伝わると参加しやすそうですね。

サッキー:僕はさっきも言った通り、まずはDJという音楽の楽しみ方を知って欲しい、広めたいっていう思いがあるので、色んな人に入って来てもらえることを考えてます。イベント規模が大きくないところでもそこは変わらなくて。例えば“アニメゾン”だと、世界でもめちゃ有名な観光地である京都、さらに言うとその中でも一番の繁華街。そこを歩いてるとアニソンが流れてくるような環境を作って、かつそれを入場無料・出入り自由のイベントにしてる。とりあえず入って来てもらえるような場所作りで、母数を増やすことを意識してます。

京都という場所柄もあり、外国からの観光客も“アニメゾン”には多数訪れるそう。(写真は2019年8月の様子から)

やっぱり入場無料はインパクトも大きいし、ふらっと入る人にとってはありがたい!

サッキー:あと、“アニメメメ”でいうと公式感を意識してます。「ちゃんとしてる感」というか(笑)。DJイベントとかクラブに来たことない人にとって、「どこの誰がこのイベントやってるねんやろ?」ていうところはけっこう大事だと思うんです。同じ美術展が雑居ビルでやるのと百貨店の催事場でやるのでは全然違ってくるのと一緒で。告知の際のビジュアルイメージや言い回しでも、素人感をできるだけ出さないようにして安心感を大事にしてますね。

昔と比べてコスプレ環境が変わった今、楽しみ方も年齢層も広がってきてる。

コロナ禍でイベントが打撃を受けている反面、世間的にはコスプレやアニソンにかなり注目が集まってきているように感じます。普段僕はあまりテレビを見ないんですが、それでもたまにつけると芸能人がコスプレしてたり、アニソンを歌っていたり。実際、アニクラシーンの現場感として何か変化はありましたか?初めて遊びに来るお客さんは増えました?

ムサ:増えてると思いますね。特に若い女性の方。“かみこす!”は女性は10代、20代。男性は30〜40代が一番多いですね。男性は学生さんが少ないんですけど、若い女性はもうファッションの一部としてコスプレを捉えてるのかもしれない。昔に比べて、インドアであることが自分のアビリティに変わってきてるので、昔は「踊ってみた」「歌ってみた」みたいに自宅でこっそりしてたことが現代ではスキルに変わってきて、昔のピラミッド型カーストが変わってきてるのかな。

サッキー:力が強いとか。

足が速いとか、みたいな。

ムサ:そうそう(笑)。そういう人よりも、アニメに詳しい、とか裁縫ができる、って人が目立てるようになってきたんじゃないのかなって。

“かみこす!”のイベント風景。ポートタワーが望める景色も映えます。

なるほど、コスプレの衣装が作れるから裁縫もそうですね。

ムサ:もしかしたら今の高校の手芸部って結構ギャルギャルしてるんちゃうかなあ、なんせ学校にはミシンがあるからね。他にもダンスとか、声楽とかも、アニメとリンクしてるところが人気になってたりするのかも。そう思えるくらい若い子は増えてます。客層の年齢差が大きくなってるのも、特徴かもしれないですね。

サッキー:僕もそう思います。やっぱりコスプレ自体、始めやすくなってきたのかなと。昔って、コスプレイヤーは基本的に衣装を自分で作らないといけないし、お金もかかるものだったし、カラコンやウィッグの種類は少ないしで、本当にハードルが高かったんですよね。なんか、職人みたいなことしてたのに、今では既製品ですごい幅広く取り揃えられる。しかも、特に人気があってみんながコスプレしたがってるキャラのものに関しては、amazonで3000〜4000円とかで購入できますし、もうボタン押して、届いたのを被ればできちゃう状態。そうやってすごくハードルが下がってる上、発信もめちゃくちゃ気軽にできるようになってるし。クオリティに自信がなくても、加工アプリで簡単に盛れたり、短い動画でもtik tokにアップできたり。外に出たい人はもちろん外に行きますけど、家の中でコスプレしたのをSNSにアップして世界中の人に見てもらったり、いいねをもらったりすることを自宅で楽しめる「宅コス」というのもありますから。そういう感じでとても気軽にコスプレを楽しめるようになってるのもあって、若い人たちが現場に増えてるのはありますね。

ということは、実際に遊びに来られるお客さんはもちろんですけど、今後お客さんになりえるような、潜在的なアニクラ人口もかなり増えてるってことですよね。

サッキー:ただ、アニソンクラブイベントに関して言うと、アニクラに来るレイヤーさんと、純粋にコスプレだけを楽しんでるレイヤーさんて、結構違ったりするんですよね。そもそもコスプレを楽しみたくて一生懸命作った衣装を、クラブに行ってタバコの匂いがついたりお酒で汚したくないって人もいますし、普段コスプレする人もアニクラに遊びにいく時は私服でいく人もいます。もちろん逆も然りで。そこの差っていうのはまだまだありますね。そういう意味では、ムサさんの“かみこす!”はどっちのタイプのお客さんも遊びに行けるイベントじゃないかなと思います。

これからの目標はでっかく!いつか、神戸空港にかかる神戸大橋を貸し切ってイベントしたい。

“かみこす!”は8/14,15、“アニメメメ”は6/26,27(6/6開催予定だったが緊急事態宣言延長により延期)に開催予定となりますが、イベントや今後の活動への思いについて教えてください!

ムサ:個人的な思いとしては、自分はバンド、DJイベントやコスプレだけじゃなくて、シンガーさんや芸人さん、色んなジャンルのことが好きなので、関西のどの界隈でも信頼してもらえるような存在を目指していきたいですね。関西に遊びに来た時に頼ってもらえる、ポップアイコン的な。
“かみこす!”としては、今自分が神戸市さんとお仕事させてもらっていることも多いので、他ではできない場所でやってみたい!今一番やりたいなと思ってるのは、神戸大橋を貸し切ることですね。

神戸大橋ですか?

ムサ:神戸空港へ向かう時にかかってる大きな赤い橋があるんです。Fateっていう作品の中で冬木大橋っていうところが出てくるんですけど、それのモデルになったんじゃないのかと言われてる橋を貸し切って、橋の上でFateのその戦いを再現したくて。これが今の夢ですね。まあ、空港を閉鎖してもらわないといけないですけど(笑)。こういうお願いをするためにも、神戸市からもっと信頼してもらえうるようになっていきたいです。

えーっと…これは記事に載せてもOKなやつですか?こんな大きなプロジェクト、めちゃくちゃネタバレしちゃいますけど…(笑)

ムサ:全然大丈夫です!むしろ僕のアイデアはサブスク解禁してるので、誰かがやれるんならやって欲しいです(笑)

神戸市の方にも記事を読んでもらって、実現に向けて力を貸してもらいましょう(笑)。saqkiiii!!!!さんはどうですか?

サッキー:僕はそうですね、イベントで間口を広げて入って来てもらっても、出ていかれてしまうと残念なので、もっと定着させたいなあって思ってるんですよね。そのためにもイベントのクオリティを上げて“アニメメメ”をやっていくのもそうですし、音楽ジャンルやカルチャー、世代や属性などさまざまな交流を生みながらコミュニティを作っていきたい!だから、音楽ならアニソン以外のジャンルも楽しんでもらえるように他のジャンルのDJをブッキングしたり…、それ以外では例えば“アニメメメ”を通してファッションにも興味を持ってもらいたいんです。

ファッション!それはコスプレとはまた別のですか?

サッキー:そうですそうです、ファッションも楽しいよって。で、そういうのに興味を持ってもらうお手伝いをしたくて、今度の“アニメメメ”ではグッズにめちゃくちゃ力を入れてるんです。これはさっきの「公式感」に通じるとこでもあるんですけどね。今日も色々持って来たんですけど、イベントのロゴを使ったアクリルキーとか鞄とか服とか…。

“アニメメメ”のグッズがこちら。これでもまだほんの一部だというからビックリ!

すげえ…種類がハンパない!まさに、買い付けの人だ…(笑)

サッキー:もちろんこれだけでおしゃれができるとは思わないですけど、ひとつのきっかけになればいいなと思って。自分も昔はバンドTシャツしか着てなかったんですけど、ちょっとしたきっかけがあってのめり込んで、古着屋で服買い漁ってとかしてたので、ちょっとのきっかけでめちゃくちゃ楽しめると思うんです!それになれたらなと。だから普段使いできるように、うちのイベントって分からんやつばっかなんですよね(笑)

ムサ:普段使いできるっていうのは、服にお金を使うってことを意識してもらえる意味では良さそうですよね。

サッキー:みんな、アニメのグッズとかにはお金出すって人多いと思うんです。けど服屋さんで同じ額をってなると難しいと思うので、その中間の、イベントグッズの服ならみんな手を出しやすいかなと思って。あと、これ以外でも“アニメメメ”で会場に着物を販売するブースを作って和服を楽しんでもらったりだとか、アニメの版権のグッズを作ってる長野のアニエラって会社や、京都の老舗酒蔵でアニメとコラボした日本酒をたくさん手掛けている白糸酒造さんが“アニメメメ”内でポップアップショップを出してくれます。とにかく“アニメメメ”を通じてカルチャーとカルチャーを合流させて、新しい出会いを作っていきたいですね。



取材を終えた後も、音楽やアニメの話は尽きませんでした。コロナによって様々なイベントは中止、または延期を余儀なくされてますが、saqkiiii!!!!さん、ムサさんともに、とても前向きに話してくれるのがとても印象的。これからも地元の街のみならず、関西から全国を盛り上げてくれるであろうお二人の活躍には、はっきり言って期待しかないです!そして、“アニメメメと“”かみこす!”の次回イベントが無事に開催されることを、マジで願ってます!!


<主催イベント情報>
京都最大アニソン中心のコスプレミュージックパーティ
「アニメメメ」
期間/2021年 6月26(土)・27日(日)
会場/WORLD KYOTO 京都府京都市下京区真町97 イマージアムビル
時間/各日 12:30~17:30
公式HP/https://www.animememe.net/


<主催イベント情報>
神戸の野外コスプレサブカルイベント
「第8回かみこす!」
期間/2021年 8月14日(土)・15日(日)
会場/神戸メリケンパーク 兵庫県神戸市中央区波止場町2-2
時間/14日(土) 13:00〜20:00 / 15日(日) 12:00〜19:00
料金/観覧無料(コスプレ参加、カメラ登録には参加料が必要です)
公式HP/http://kami-cos.site



Profile

saqkiiii!!!!

(ex:suckiiii!!!!)。地元京都を中心にDJ / VJ / Organizer / Q,Editor(MOMEND) / Designer(sugarsign)としてマルチな活動を展開。
アニメメメ/アニメゾン/京都音楽通り/アニソンゆうえんちなど複数のイベントを主催しつつ、大箱で開催されるイベントにも所属。クラブ・バーだけにとどまらず海、山、川、湖、プール、遊園地、美術館、屋台村、公園や平安神宮前参道、大阪城西の丸庭園、USJ駅前広場、神戸ハーバーランド、山中湖交流プラザ きららと活躍の場は広がり続け、公式イベントにも出演を重ねる。

Profile

ワタナベフラワー ムサ

前人未到の2年連続NHKみんなのうたを歌う神戸のワクワクロックンロールバンド「ワタナベフラワー」でベース&フォローを担当。モテるのを諦めてオタ活に勤しんでいたらネトゲで出会ったダークエルフと結婚したり、声優さんのイベント司会をしたり、アニソンラジオ番組で喋ったり、コスプレイベント「かみこす!」を企画したりとなんだか忙しくなってきて今期のアニメを見逃しがち。

https://watanabeflower.com

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