梅田サイファーがニューアルバム『ビッグジャンボジェット』をリリース!メンバーのR-指定、KOPERU、KennyDoesが語る、本気でラップが好きなヤツらとだからできること。

梅田サイファー。ラップが本気で好きで、純粋に楽しむことを追求してる集団。その名の通り、大阪・梅田の歩道橋で行っていたサイファー(輪になって不特定多数でラップセッションする行為)がルーツとなって結成されたのだが、グループとかユニットでもなく、“ラップが好きすぎる仲間たちによるチームのような存在”とでも言うべきか。ドンズバな言葉がなかなか見つからないほど、その存在も一人ひとりのスタイルも型にハマってないのが、梅田サイファーなのです。そんな彼らが、満を持して最新作となるアルバム『ビッグジャンボジェット』をリリース!ってことで、アルバムのことからライブのこと、ラップへの熱量、思い出話まで、メンバーのR-指定、KOPERU、KennyDoesにインタビューしてきました。

メンバーがしたためたバースを聴いて、それぞれが負けじとバースを仕込む。『ビッグジャンボジェット』には、その繰り返しで生まれた曲が詰まってる。

多くのファンが待ち望んでたアルバムだと思います。まずは、最新作『ビッグジャンボジェット』についていろいろ聞かせてください!

R-指定:2019年にリリースしたアルバム『Never Get Old』から外部のプロデューサーさんにもお願いして、いただいたトラックに自分たちのラップを暴れさせる感じで楽曲制作を続けてきたんです。その後の『トラボルタカスタム』も同じように作ってきて、「さぁ今回はどうする?」となった時に、お願いしたのがm-floの☆Takuさんとtofubeatsさん。アルバムタイトルにもなった『ビッグジャンボジェット』については、メンバーのOSCAが☆Takuさんとやりとりしながら進めていった感じですね。

R-指定は、Creepy Nutsのメンバーとしても活躍中。

なるほど。外部のプロデューサーさんを立てることで楽曲にもまた新しい広がりが出ると思うんですが、☆Takuさんとのやりとりで印象に残ってることは?

R-指定:いただいたトラックに僕らがラップをのせて返すと、全然違うトラックで返ってきて、それに対して僕らもまた違うラップで返してと、まさにラリー状態。その繰り返しでどんどん曲が化けていった感じですね。

KennyDoes:僕らのラップをすごく生かしてもらえて、何十倍にもよく聞こえるようになりましたね。それと、やっぱサウンドタグ!m-floの楽曲ではお馴染みのサウンドタグが、ラリーしてる途中でいただけたんですよ。初期段階では入ってなかったので、それを聞いた瞬間は「あー、ありがてー!」なと。おこがましいですが、お墨付きをもらえた気がしましたね。

R-指定:☆Takuさんご本人にも聞いたんですが、「ラッパーが何人もいて、しかも全員のスタイルが違う。送られてきたトラックをメンバーそれぞれのフロウや声に合わせてビートを変えてくのが、楽しくて仕方なかった」と言っていただけて。

KOPERU:そんな言葉をもらえるなんて、本当にうれしいよね。

どんどん進化して生まれたのがあの曲なんですね。今回のアルバムはメンバー総出演ですが、他の曲はどうやって作っていったんですか?

R-指定:『Never Get Old』や『トラボルタカスタム』は時間を空けずにバンバン作ってたんですが、『ビッグジャンボジェット』に関しては2019年末からずっと作り続けてたんかな。2020年の頭に『SPACE INVADER』と『Dream finish』はできたけど、そこからがまた長かった。

KOPERU:最初の頃に作ってた曲は、けっこうボツになったしね。

R-指定:ほんま今回はボツバースがかなりある。

KOPERU:それこそ全員参加でマイクリレーしてた曲とか、「これ長いし飽きるよな」ってボツになったり。

KennyDoes:それと、僕らの中では意外な組み合わせ、意外な配置というのがあってね。「このメンバーにこんなことしてもらったら、こんな風になるんか!」みたいな。新しい驚きも模索しながら作ってたんですよ。

メンバーたちも一目を置くラップスキルを持つKennyDoes。ソロとしても精力的に活動している。

だから時間もかかると。アルバム制作のプロセスもライブ的な感じですか?

KennyDoes:近いかもですね。トラックに対してメンバーが送ってきたバースを聞いて「お!」となって、この方向で行くのはおもろいなとか。後はメンバーの中からプロデューサーを立てたり、コンペ形式で進めたりとか、曲によって作り方は全然違うかったんですよ。そこがアルバムのおもしろさに繋がってるかもしれません。

R-指定:それに、去年の夏くらいから加速度的に制作のギアも上がった気がするよね。

KOPERU:コロナにも慣れてきた頃やし、活動を止めたらアカンなと。それもあってYouTubeのライブ配信を始めたもんな。1週間に1人ずつソロでライブ配信して、最後に全員集まって配信。そうやって止まることなく動き続けてきた結果が、アルバムに集約されてる気がしますね。

R-指定:そのライブ配信で手応えを感じたというか、「俺らめちゃイケてるやん!」と改めて思えるようになったんです。

B-BOY PARK UNDER20のMCバトルで優勝するなど、若い頃から高い注目を集めていたKOPERU。

その理由って?

R-指定:配信が終わってから、みんなで映像見ながらメシ食ってたんですけどね。映像を見てたら全員がメシ食うのも忘れて、見入ってしまってて。その時に「俺らって、めちゃイイな!」ってみんなで実感。なんか…、いい時間でしたね。そこから制作のギアや目指すところが一段階上がった気がするんです。

KennyDoes:ライブが中止になったりして顔を合わす機会は減ってたけど、みんなそれぞれがインプットし続けていて、自分らの中で溜め込んでいたものを一気に放出したような感じでした。コロナでいろんな制約があった中で、アルバム制作においては逆にイイ方に転んだんかなと思いますね。

KOPERU:普段はみんなバラバラで活動してるので、梅田サイファーとして唯一のコミュニケーションが音源作りなんです。だから、あのライブ配信を境にさらに着火したのは事実。メンバーが録ったラップを聞いて「おいおい、こんなヤバいバースを仕込んでたんかい!」と思って、また一人ひとりが負けじとバースをしたためるみたいな。そうやってみんなで刺激し合いながら作ったのが今回の『ビッグジャンボジェット』なんです。

それぞれが日本のヒップホップシーンと日々戦ってるけど、やっぱり一番刺激をもらってるのがこのメンバー。それに、一番振り向かせたかったり、一番悔しがらせたいのもそう。
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Profile

梅田サイファー

大阪・梅田の歩道橋で行われていたサイファーから生まれた、ラップが本気で好きなメンツたちによる集合体。メンバーそれぞれがソロやユニットとして活動し、日本のヒップホップシーンやMCバトルなどで活躍中。2021年4月21日に最新作『ビッグジャンボジェット』をリリース!

https://www.umeda-cypher.com

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