Interview & Writing
前出 明弘
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西野 恭平

グルメインスタグラマーとして2万人のフォロワーを持ち、日々の酒飲み&食べ歩き情報を発信してるのが、365日酒を飲むあんちゃん。カラフルなヘアスタイルでいつもテンション高めに乾杯してる姿を、どこかの酒場で見かけた人も多いんじゃないでしょうか。SNSが全盛の時代、グルメな情報を発信してる人はたくさんいるけれど、あんちゃんって“何か”が違う。その“何か”が知りたくて、彼女が大切にしてる酒場という場所でじっくりインタビューしてきました。いつもハッピーオーラを振りまくあんちゃんの中身やいろんな想い、野望などなどがたっぷり詰まってます。もし、酒場で出会ったら、迷わず恐れず乾杯しちゃってください。絶対に楽しいお酒が飲めるはずですから!!

私にとってのお酒を飲む楽しさって、人との出会いがあるから!それが絶対的なもの。

「365日酒を飲むあんちゃん」という名でインスタグラマーやインフルエンサーとして活躍されていて、いつも楽しそうにお酒を飲んでる姿が印象的です。この活動はいつ頃から始めたんですか?

ちょうど3年前くらいからですね。実は地下アイドルをしてて、今のインスタのアカウントも自分の顔をアップしたり、活動報告するためのものだったんです。でも、過去の投稿を全部消してグルメにシフトしたのがスタートになります。

地下アイドルだったんですか!?

21歳くらいからしてましたね。昔からきゃりーぱみゅぱみゅのコピーダンスや顔真似をしてたんですが、たまたま知り合いのイベントにゲストで出たら、そこからいろいろ声が掛かるようになり、27歳くらいまで地下アイドルでした(笑)

そこから転身したわけですが、何かきっかけが?

元々飲み歩きと新しいお店に行くのが大好きだったから、その方がマッチするんじゃないかなと思って。すごい飽き性ってわけじゃないですけど、次に進むタイミングを見極める嗅覚はけっこうあるんです。

なるほど、それでグルメにシフトしたんですね。でも、「365日酒を飲むあんちゃん」というアカウント名、インパクトありまくりですね。

1日10軒とか普通にハシゴ酒するし、休肝日があったとしても確実に365日飲んでることになるなと。当時はYouTubeのチャンネルも立ち上げてて、とにかくインパクトのある名前を考えてたんです。それで、365日酒飲む人がいたとしても、自分で名乗る人はなかなかいないから、「おもろいんちゃう?」と思って。パンチもあるし、1回聞いたら忘れられないかなと。

確かに忘れませんよ。逆に肝臓が大丈夫かなって心配してしまいそう(笑)。今はグルメインスタグラマーで、その前は地下アイドル。ちょっと過去のことも遡って聞きたいんですが、学生時代とかって何してたんですか?

まず幼稚園から高校生までは、ずっとバレエをしてました。けっこうガチな感じで。

その経験は地下アイドル時代のコピーダンスにも生かされてそうですね。

それから受験を機にバレエをやめて、すごい自由になってしまって。大学生って何でもできると思って、めちゃくちゃ遊びました。とは言え、親が厳しいので控えめなレベルかもしれませんけどね。あとは学生団体に所属して、いろんなイベントとかも運営してたんです。

これまでの反動で一気に解放されたと。

そのおかげで就活もいい加減にしちゃって、内定決まってたけど全部蹴ってしまったんです。就職せずにフリーターして、卒業した年の10月にようやく化粧品販売の会社に就職しました。それからリクルートに転職して広告の営業して、退職後はニートになって…。地下アイドルの活動はその間も続けてたものの、グルメインスタグラマーにシフトして現在に至るって感じです。

なんか目まぐるしいですね(笑)。でも、グルメインスタグラマーとしての活動は現在も継続中ですが、過去の遍歴を聞くとバレエと地下アイドル、学生団体は長く続けてますよね。

基本的に人前に出るのがめちゃ好きだからだと思います。目立ちたがり屋で、まとめることも得意だし、学級委員とかもするタイプだったので、そこにハマったものは長く続けていたのかも。

インスタをグルメにシフトした時もそうですけど、好きなことと自分の内面をマッチさせるのって、常に自己分析ができてるからなんですね。そんなあんちゃんにとって、飲む楽しさってどんなところにあるんでしょうか?

人との出会いがあるから!それが絶対的なもの。おいしい料理は好きだけど、別にすごいグルメな人間でもないんです。だって、どれもおいしい(笑)。何がおいしくて、何がおいしくないとかの線引きもないし、古くて汚いお店でも「このお母さんが作ってくれる味が最高!」ってなるタイプなんです。お店ありきというよりも、そこにいる人や出会いのあるお店に行くのが好き!だから、私の場合は人を重視してると思いますね。

味の前に、作る人やそのお店に集う人の存在があるからこそですね。ちなみにお店選びとかはどうしてるんですか?

舌の感覚が自分と合う友だちのインスタでチェックしたり、お店の人に紹介してもらったりが多いです。

今回の取材で1軒目に訪れたのが中津にある『トラットリアあるふぁ』。オーナーの奥山さん(左下)やシェフの坂下さんこと“さっかん”(左上)の人柄と、絶品イタリアンでのっけからグビグビです。

そこもやっぱり人を介してるんですね。

そうですね、人に興味があるんだと思います。人間は嫌いだけど、人間が好きなんです。

なんか哲学っぽい考え方!

人間っていろんな人がいるし、闇とか嫌な部分もあるじゃないですか。こう見えてけっこう繊細なんで、物事を敏感に感じるタイプなんです。でも、そんなことを超えるくらい人間っておもしろい!だから、人に興味があるんです。グルメインスタグラマーの大半は、まずグルメを調べて「あそこに行こ!」となってると思うけど、そういう選び方は全然してなくて。今の時代って情報があふれすぎてるし、そこを追いかけるのもしんどいなと(笑)。だから私は、「この人に会いたい!この人が行ってるお店に行きたい!」って基準でお店を選んでるんです。

記憶はなくなってナンボ!正直、記憶がない日の方がめちゃくちゃ楽しく飲めたんじゃないかなと思うくらい。

人ありきでお店選びをしてるってことですが、他のグルメインスタグラマーとの差別化で意識してることはありますか?

それが特にないんです。飲んでるキャラを見てもらったり、楽しんでもらってると思ってて、私の場合はグルメ情報は二の次じゃないかなと。飲んでるシーンとかはストーリー中心なんですけど、「あんちゃんベロベロやん!」「食いすぎやろ!」「あいつ、またやってもうてるなー」みたいな。生き様を楽しんでもらってる部分が大きいと思うんです。お店でフォロワーさんに会ったら、「この前やばかったやん!」とかツッコまれてますから(笑)

人間味が出まくりってことですね(笑)。でも、そんな姿が次のコミュニケーションのきっかけにもなってるし。

人間って誰もが完璧じゃないし、もちろん私もそう。ちょっとスキがある方が、いいかなって思ってます。その部分に関しては無意識の時もあるし、意識的にしてる時もありますね。

自然体とセルフプロデュースの絶妙なラインがあるんですね。でも、いつもほんと楽しそうに飲んでますけど、ベロベロの時は記憶も飛んでるんですか?

記憶はなくなってナンボ!正直、記憶がない日の方がめちゃくちゃ楽しく飲めたんじゃないかなと思うくらい。ただ、そんなに記憶なくすわけじゃないですよ(笑)

記憶ない日の方が楽しく飲めてるというのは?

記憶がなくなるくらい飲んでるってことは、やっぱり楽しいからなんですよ。それに、次の日に振り返ったらやっぱり楽しい人と飲んでた。そりゃ、記憶なくなってもしょうがないなと。私にとって記憶がなくなるのは、ある意味でステータス。今日も飛べてよかったなって(笑)

確かに、楽しいから飲みすぎちゃうってのは分かります。でも、記憶がなくなると、どうやって家に帰ったか不安になる時ないですか?

初めましての人には信じてもらえないんですけど、実は門限があるんですよ。親が厳しくて外泊できないので、死ぬ気で家に帰ってます。帰巣本能ってやつが全力で働きますね。

門限って何時なんですか?

深夜0時です!

シンデレラ状態ですね(笑)。ちなみに、二日酔いのケアとかはしてるんですか?

ハッキリ言って対策しても無理ですね。よく聞かれるんですけど、最善の策は飲まなかったらいいだけ(笑)。楽しすぎた次の日の代償はしょうがないし、二日酔いしてナンボですよ。まぁ挙げるとすれば、とにかく水をめちゃ飲むことですね。あとはビタミンとか漢方でお肌のケアもちょっと意識するくらいかなと。

二日酔いにビビるくらいなら、飲むなってことですね(笑)。インスタに投稿する写真やコメントでこだわってることはありますか?

写真はまず迫力重視です。めっちゃ接写でシズル感のあるものが好きなので、投稿する写真は料理にできる限り寄ってるものが多いと思います。人がどうこう思うより、自分がいいと思うのが一番かなと。コメントも同様で、基本的には自分の感じたことを書くようにしてますね。それと絶対に悪口は書かない。お店をしてる時点ですごいことだし、お店にはリスペクトしかないので。私は料理しないから、料理を作って提供していただいてるだけで大感謝なんですよ。そこを忘れてはいけないなと。

でも、いろんな料理を食べてると「自宅でも作ってみよ!」って思わないんですか?

今は実家暮らしなんですが、一人暮らししてる時は料理する気満々でいろんな調味料も揃えてたんですけど…。レシピ通りに作ってもダメだし、自分で作るごはんはマズいし、料理することがまさかのコンプレックスになってしまって…(笑)。もう作らなくなりました!だから、人に作っていただいたものをおいしく食べるのが私の使命だなと。

潔く切り替えたと。でも、おいしく食べれる、楽しく飲めるというのも才能だと思いますよ!それに、あの乾杯コール!あのコールでみんなのテンションが一気に上がるのもすごいなと。

「はっぴーはっぴー酔いしょー!」ですね。

そうです!そのコールって、どうやって生まれたんですか?

元々は友だちのインスタのハイライトで見て、「めちゃおもろいやん!」って思ってたんです。ルーツを聞いたら福岡の『JIS』の店長さんがやってたみたいなんですけどね。その友だちたちと一緒に生で見て、これは私もやりたいなと。「私もやっていい?普及委員長になるから!!」と承諾を得て、やり始めたんです。確か去年の11月くらいからですかね。

それからコールし続けて、徐々に広まってきてると。

「あのコールを一緒にしたい!」と言ってくれるフォロワーさんもけっこういて、着実に広まってきてますね。みんな使ってくれて真似してくれるし、本家はありますけど、着実に自分のものになりつつありますね(笑)

事実、あんちゃんのコールとして広まってますもんね。あんちゃんの声のトーンも相まって、楽しく飲める感じがするし、酒場でのみんなの元気さがぶつかり合う感じもします。あんちゃん自身はいつもハッピーオーラをまとってる気がするんですけど、メンタル的に落ちる時もあるんですか?

まぁ、たまにありますよ。そんな時のために、メンタル上げる動画集を作ってますからね。アホなことばっかりしてる芸人さんとかの動画なんですけど、落ちてる時は片っ端から見るようにしてます。その動画を見てたら、「アホなことしてるし、体も張ってる。私もへこたれてられへんな」って、自然とメンタルが回復していくんですよ。大事なのは、自分の機嫌は自分でとるってこと。自分のことを分かってるのは自分だからこそ、その機嫌とりにはメンタルが落ちてる時だけじゃなくてもするようにしてますね。

「夜は短し酒飲め乙女」のイベントで全国制覇することが、私の野望!日本各地で人と人が繋がって、楽しくお酒が飲める場所を作っていきたい。

ここまでインスタグラマーとしての話をいろいろ伺ってきましたが、それ以外の活動はどんなことをしてるんですか?

インスタグラマーやインフルエンサーの延長線上にあるものとしては、「夜は短し酒飲め乙女」というイベントを開催したり、お店のPRなどをしてますね。

イベントは定期的に開催してるんですか?

始めた時は月1ペースのつもりだったんですが、お客さんもたくさん集まっていただいてけっこう反響があったんので、今では月4回くらい開催してます。

イベントの中身って?

最初はお店の定休日に間借りしてお酒を振る舞う感じでしたが、今ではお店の営業中にコラボするようなカタチになり、お店の料理を味わいながら私がフロアで盛り上げてみんなで楽しく飲む感じです。個人オーナーさんのお店が中心だったんですが、徐々に規模も拡大してきて心斎橋PARCOさんや本町のHUB KITCHENさんで開催させてもらったり、東京や福岡でもさせていただきました。

2軒目に訪れたのは、5月11日にオープンした中津の『酒舗モモノキ』。本格中華をカジュアルに楽しめるお店で、店主のいくちゃんとは大の仲良しだそう。

みんなで「はっぴーはっぴー酔いしょー!」のコールもしてるわけですね。

それはもちろん!やっぱりみんなで飲むと楽しいし、知らない人同士でもすぐ盛り上がれる。そんな熱量や熱狂が入り混じる環境は、やっぱり大好きですね。

コロナ禍も少し落ち着いてきましたけど、世の中的に飲むことがNGの時期は、そんな行為自体できなかったですもんね。

人が集まることがダメと言われた時は、ほんとツラかったです。人と人の繋がりって、飲みだけじゃなくて人生の醍醐味じゃないですか!できなかったことが少しずつできるようになってる今は、まさに爆発してる感じです。

対面で会えない時期があったからこそ、会える喜びを噛み締めながら飲めますもんね。他にはどんな活動を?

実は4月から『株式会社えをかく』という会社に入社して、酒飲みのためのアパレルブランド<Alcohol Society>のディレクションやマーケティングも担当してます。

そうなんですね!個人の活動とブランドの仕事は別ってことですか?

『株式会社えをかく』の社員としてこれまでの個人活動も継続しつつ、アパレルブランドの仕事もしてるって感じです。ここは<Over Print>という私も愛用しているブランドを展開してて、「何か手伝えたらな」と思ってたら、ご縁があって声をかけていただけて。代表の山脇さんとは一緒に仕事したいなと思ってたので、即答でしたね。

もちろんブランドが元々好きだったのもあると思いますが、やっぱり決め手は人ですよね。しかも、活動の幅もどんどん広がってますし。

私、好きなことへの熱量ってすごいんです。多分、他の人が好きと思うレベルと比べたら、ちょっと異常かもしれないくらい。例えば、とあるアイドルが好きだとしたら、その人の趣味とかプライベートの部分とか奥の奥まで知り尽くして、友だちになるくらいの熱量で生きてるんです(笑)。だから、好きなことへの熱量の異常さは誰にも負けないし、今もバリバリありますね。そのおかげで、活動の幅も広がってるのかもしれません。常に先のことは考えてるし、一点集中は危険だなとも思ってます。自分の持ち札は3つ4つ持っておかないと、今の時代は生きてけないのかなと。

異常な熱量を持ちつつ、時代を見つめる冷静さもあるって、すごい強み!ちょっと踏み込んだ質問したいんですけど、今は会社員として安定してると思いますが、個人で活動してた時期って、食べていけてたんですか?

正直お金のない時期もありましたね。でも、ライバーをしてた時期はそこそこ稼げてたし、食いっぱぐれはなかったかも。ただ、自分だけでやっていく限界は感じてて、「30歳やしどうすんの?」と自問自答もしてたんです。そんなタイミングで声をかけていただいたので、収入という面だけでなく、自分がさらにステップアップできるチャンスをもらえたと思ってますね。

これから活動の幅やステージもさらに広がっていきそうですね!最後に、あんちゃんが目指す自分の理想像ってどんな存在なんでしょう?それと、野望もあれば教えてください!!

とりあえず「酒飲む子=あんちゃん」って、誰もが思える存在になりたいなと。そして、「あんちゃんとお酒飲みたい!」と思われるのが理想ですね。理想像で言えば、まだまだありますよ!例えばもっともっと有名になった時、私のことを推してる人が「あんちゃんと友だちでよかった!」「俺、昔から知ってるで!」「みんな、あんちゃんにようやく気づいたか!」とか、誇ってもらえるような存在になっていきたいと思ってます。

自分の理想像をいろんな面からすぐに言葉にできるのって、やっぱり常に考えてるからこそですね。

あとは、「夜は短し酒飲め乙女」のイベントを、さらに成長させていきたい。このイベントには私もいるけど、やっぱり人と人が集う場所なんです。中には1人で参加してくれる方もいて、最初はちょっとドギマギしてるんですけど、そんな人を見つけたらすかさずみんなの輪に入れちゃいます。私、性格的に誰も1人ぼっちにさせたくないんですよね。この場所に来てくれたみんなが仲間だから!そうやって楽しんでもらってる姿を見ると、めちゃくちゃうれしくなっちゃいます。しかも、その1人だった子から「今日楽しかったです。来てよかった!」とかDM来たら、もう感動しかないですもん!だからね、野望としては、「夜は短し酒飲め乙女」のイベントで全国制覇すること!日本各地で人と人が繋がって、楽しくお酒飲める場所を作っていきたいと思ってます!!


<あんちゃんのお気に入りの酒飲みエリア>

中津エリア
今回の撮影に協力してもらったお店もあるし、友だちのお店もオープンしてますますアツい!梅田からも近くて、酔い覚ましに歩きながらハシゴ酒できるからおすすめです!

天満エリア
人もいい、味もいい、雰囲気もいいお店がいっぱい!私がよく飲んでるエリアでもあるので、天満はハッキリ言って庭みたいなものです。

難波エリア
あまり出没しなかったエリアですが、最近になって開拓中。知らなかったお店やディープなお店がまだまだ眠ってるので、難波エリアにいる率が増してきてます!

Profile

365日酒を飲むあんちゃん

生き様とも言える酒飲みライフとグルメ情報を発信するインスタグラマー。「夜は短し酒飲め乙女」というイベントを主催し、インフルエンサーとしてお店のPR業務なども行う。酒飲みのためのアパレルブランド<Alcohol Society>のディレクションとマーケティングも担当している。「はっぴーはっぴー酔いしょー!」のコールは、お酒が楽しく飲める度数高めのコール。

TikTok:@annchan___25

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