実はふたりとも裏方気質? アジアの情緒を刻むrajabrookeと新鋭ブランド・Mrs.MINEが、協働して動き始めたワケ。

2025年10月にファーストコレクションを発表したアパレルブランド<Mrs.MINE(ミセスマイン)>。実物と同じアイテムをフィギュアに着せて撮影・発信するなど、世界観はポップでありながら、そのスタイリングや高品質なアイテム群はオーセンティックなアメカジの影響を感じさせます。現在、<Mrs.MINE>のアイテムを購入できるのは、直営のECサイトと『Mansion Butik HALIA』(以下、ハリア)のみ。ハリアは、東南アジアのカルチャーを独自の視点で解釈し、様々なモチーフの再構築を得意とするアパレルブランド<rajabrooke(ラジャブルック)>の拠点となる場所。これまでは事務所兼ショップとして、自社ブランドのみを取り扱ってきました。今回はそのハリアを訪れ、<rajabrooke>の牛田さんと<Mrs.MINE>の常國文聖さんの両デザイナーにインタビュー。異なるコンセプトを持つふたつのブランドが協働するに至った経緯や、その後の変化について、“関西ブランド”の若き担い手たちを直撃しました。
ハリアとしても新しいチャレンジを考えていた時期に、常くんがスタートさせたのが<Mrs.MINE>だった。

常國さんは長らく<THE UNION(※)>の牧田耕平さんのもとで働いていましたよね?<Mrs.MINE>をスタートするに至ったのは、どんな経緯があったんでしょうか?
常國:ファッションの専門学校に入ったのをきっかけに大阪に出てきたんですけど、20歳ぐらいのころ、耕平さんのインタビューを読んで<THE UNION>を知って。「入りたい!」と思って手紙を書いたのが始まりですね。
牛田:筆ペンで縦書きの手紙だったよね。耕平さん、「めちゃくちゃ思想の強いヤツなんちゃうか」とか言って引いてたよ(笑)
常國:マジっすか!そんな感じでやり取りしてたらDMで「展示会あるから来ない?」って誘われて。でも最初は入りたいって言っても「まだ早いんちゃう?」って言われちゃったんです。<WHIMSY(※)>の宗太くんにも相談したら、「Supremeに面接行ってみたら?」って勧めてもらい、しばらくシュプで働かせてもらうことになりました。その後はコロナもあって、進路もいろいろ考えなあかんなって……地元に帰ろうかなって思った時期もあったんですよね。でもそこから、友達のプリント工場・wanna studioにバイトで入って、そのうち<THE UNION>と掛け持ちするようになりました。
※THE UNION…牧田耕平氏が率いる、大阪発のアパレルブランド。
※WHIMSY…中井宗太氏によるアパレルブランド。ソックス専門ブランドとして2015年にスタートした。

牛田:<THE UNION>にいたときは、結構いろんな仕事してたよね?
常國:そうっすね。半年くらいしてから<THE UNION>一本になって……、アパレルブランドの基礎的なことを片っ端からやらせてもらいました。とはいえ、教えてもらうというより「見て覚えろ」ってスタイルでしたね。
牛田:僕らが知り合ったのが、ちょうどそれくらいの時期。割と初めの頃から、耕平さんは常くんのことを「こいつ独立するんで」という感じのことを言ってたような。
常國:僕はそんなこと言ってなかったんですけどね(笑)。牛田さんと仲良くなって、相談もさせてもらうようになりました。30歳の区切りでブランドをやりたいっていうのは頭の中にあったけど、具体的に何を作りたいかがまだ定まってなくて、ちょっと怖さもあった。最終的に背中を押してくれたのが牛田さんで、「ジャンプ台立ってんねんから、あとは飛ぶだけや!」って。めっちゃ自信持たせてくれたんです。
牛田:いい意味で我が強いと感じていたので、「やった方がいいよ」ってね。


どちらもストリートブランドですが、一見するとかなり色が違いますよね。<Mrs.MINE>の最初の展示即売会もハリアで開催されましたが、それはなぜですか?
牛田:最後に背中を押しちゃったのは僕かも、って責任感もあって「ハリアに置いたら?」って誘いました(笑)
常國:ありがとうございます!(笑)
牛田:それは半分冗談だけど、実は新しいことに挑戦したいタイミングでもあったんです。これは前職である<A.D.S.R.(※)>のJUSEさんに聞いた話なんですけど、「Supremeの店舗にWTAPSを一部セレクトしてた」とか「A.P.C. NYではマルジェラのTシャツだけセレクトしてた」みたいな、そんな混ざり方を自分でもやってみたくて。ブランドの本拠地に他のブランドも置いてる、しかもちょっと雰囲気が違うってなったら、僕がお客さんだったら「何それ」って深掘りしたくなると思ったんですよ。
※A.D.S.R.…大阪に拠点を置くアイウェアブランド。音楽カルチャーに造詣の深いJUSE氏らが2010年に立ち上げた。

常國:でも自分のお店ってめっちゃ大切な場所じゃないですか。そこに新しいブランドを入れてもらえるって、本当にすごいことなんですよ。
牛田:そういう流れだったから、常くん本人にも言ってるけど「うちだけで置け」ってことじゃない。ここから羽ばたいて、全国向けに卸をやってもいいと思うんです。取り扱いたいって人はたくさんいると思うし。でも、スタートがハリアというのは面白いかなと。


牛田
rajabrookeデザイナー。東京出身。2019年にブランドを立ち上げ、マレーシアなどで暮らした経験と、日本の風土を融合させたものづくりに取り組んでいる。スポーツやアウトドアの機能性を土台に、刺繍やグラフィックで異国感を差し込む作風が特徴。ブランド名はマレーシアの国蝶に由来。北堀江の拠点『Mansion Butik HALIA』も運営する。
Instagram: @rajabrooke_asia
Instagram: @mansion.butik.halia.osaka
https://rajabrooke.com/

常國 文聖
Mrs.MINEデザイナー。島根出身。専門学校への進学を機に大阪へ。<Supreme>、<THE UNION>などを経て、自身のブランドを2025年10月からスタート。公式Instagramでは、プロダクトのビジュアルや制作断片を中心に発信。関西発ブランドの新たな担い手として注目されている。
Instagram: @mrsmineclub
https://mrsmineclub.co/