世界のお土産物と、オリジナルアクセと、天むすと。好きなことしかできない『行先』店主・ブルボンさんの行き着く先はどこ?

JR野田駅を降りて徒歩3分、静かな住宅街にある古民家の引き戸を開けると、そこはかわいいの宝石箱! 色とりどりのシャンデリアや不思議な形の提灯、ビーズのれんなど、キッチュでカラフルな雑貨が並ぶこちらは、2022年にオープンした『行先(いきさき)』。店主のブルボンさんが買い付けたさまざまな国のお土産物や、ブルボンさんのオリジナルアクセサリーなどが、2階建ての民家にぎっしり詰まっています。店内にはキッチンも完備され、時々はご自慢の「天むす」が登場することも! 2階はブルボンさんが製作のために使うアトリエになっていて、普段は非公開ながらこちらもかわいいものだらけの空間です。雑貨店であり、飲食店であり、アトリエでもある、このときめきあふれるお店を営むブルボンさんは、ご本人もとびきりキュート! 「好きなことしかできない」というブルボンさんの自由な生き方や、好きなものたちへのあふれんばかりの愛について、お話を伺ってきました。

どこの国に行っても、かわいいものが見つかるんですよ。私が買って来るお土産もみんなにめっちゃ喜んでもらえるから、雑貨屋をやりたいって思ったんですね。

すごくかわいいお店ですね!こちらはいつオープンされたんですか?

ここに移転して1年半くらいです。でもまだお店づくりが続いていて、全然開けれてなくて。いつやってるん?って聞かれるくらい、開けれてないんです。

移転はしたけど、オープンはされてないんですか?

不定期では開けてるんですけど。ここはキッチンもあるので、たまに天むす屋さんもやってます。

なぜ天むす屋さんなのか……は、後ほど伺うとして。こちらはショップ兼アトリエという感じですか?

そうですね。開けてないときは製作所にして、提灯とかアクセサリーを作ってます。

なぜ提灯なのかも気になるところですが、まずブルボンさんがこのお店を始めるまでの経緯を教えていただいてもいいでしょうか?

もともと堀江で10年ぐらい、『OMIYAGE』っていう雑貨屋をしてたんです。海外でいろんな雑貨を買い付けて販売してたんですけど、それと同時に<poi>っていうブランド名でイヤリングとか鞄も作ってたんです。そしたら、そのオリジナル商品を梅田の商業施設のお店に置いてもらえることになって。ちょうどその頃に子供が生まれて、海外まで商品を買い付けに行くがめちゃめちゃ大変だったんですよ。だから、いいタイミングかもと思って、堀江から森ノ宮に移って、オリジナルアイテムを作るアトリエを構えました。

森ノ宮はショップではなく、アトリエにされたんですか?

そうそう。森ノ宮でも8年ぐらいやったと思います。でも、商品を置いてもらってたお店の閉店もあって、それからは、ポップアップの出店がメインになりました。でも、コロナで出店する機会がなくなって、暇になって。おばあちゃんになったら天むす屋をやりたいなと思ってたので、それやったら今かも!と思って、物件を探して、ここを見つけました。

天むす屋をすることを想定して探した現在の店舗。向かって右奥がキッチンスペース。

雑貨のお店は学校を卒業されて、すぐに始められたんですか?

27歳で始めたんですけど、それまでは美容師でした。でもお店をやりたくて、美容師を辞めて1年半ぐらいバイトしてお金を貯めたんです。

美容師さんだったんですね!

そうなんです。働いてた美容院もすごくおもしろいところで、それぞれ休みを取って海外に行くとか、お店を休んでみんなでフジロックに行くとか、そんな趣味を大事にするお店やったんです。それでいろんな国に行ったんですけど、海外ってエネルギーをもらえるし、私は言葉が喋れない分感じるものが凄すぎて、いつも感動して泣いてしまうんですよ。それにハマって。

海外にハマったことが、お店をやりたいと思ったきっかけに?

海外に行くたびに、どの国にもめっちゃかわいいものがあるやんって思ったんです。いろんなとこに行きましたけど、どこに行ってもかわいいものが見つかるんですよ。私が買って来るお土産もみんなにめっちゃ喜んでもらえるから、将来雑貨屋をやりたいって思ったんですね。それで、27歳でお店する!ってみんなに宣言しまくって。で、27歳になったときに、まわりに「27になったのにお店せえへんの?」って言われて、やるけど!?みたいな感じで始めました。

お店を始める前に、なにか経営の勉強されたりとかは?

ないですね、いきなりです。私あんまり文字を読むのが得意じゃないんですよ。ちょっと読んだら頭が痛くなるので、本を読んだりとかも全然せず。だから最初は本当に何も知らなくて、商品を原価で売ってたんです。

買い付けた商品に、利益をのせずに販売してたということですか?

知らなかったんですよ。だから、100万円分買い付けしたものを、そのまま100万円で売る、みたいな感じでした。一応ちょっとだけ、100円から300円ぐらいは上乗せしてましたけど(笑)

最初の買い付けで、入国審査で止められたんです。でも、アイ・ラブ・サンフランシスコ!とか叫んでたら、「君はもうええわ」みたいな感じで解放されました。
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Profile

ブルボン

富山県出身。美容師を経て、27歳で南堀江に雑貨屋『OMIYAGE』を開業。その後、森ノ宮のアトリエに移り、2022年野田に『行先』をオープン。<poi>のブランド名で、ピアスやバッグなどのオリジナルアイテムも製作。ブルボンの名前は、「ブルボンのお菓子が好きだったこと」が由来。

Shop Data

行先

昭和な長屋をリノベーションした空間で、インドやベトナム等で買い付ける雑貨と、オリジナルのアクセサリーやバッグなどを販売。飲食スペースでは、不定期で天むすなどの料理も提供。

大阪市福島区吉野3-16-4
営業日はInstagramで案内

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