僕らはずっと子どもみたいな感覚で生きている。古着と雑貨を扱うちょっぴりアダルト(?!)なショップ、大阪・中崎町の『YAMASTORE』ってどんな店?
古着屋やけどヴィンテージにこだわって買うことはほとんどなくて。自分たちで価値を決められるところが古いものを扱うおもしろさです。
『YAMASTORE』には個性的なプロダクトが多いですが、どんな視点で集めているんですか?
河田:単純に自分が「おもしろい!」と感じたものです。たくさんある中から、これっていうアイテムを見つけ出すのが好きですね。掘って掘ってようやく巡り会えると、抱きしめたいくらい嬉しくなります。
大吉:「何年代のこういうアイテムやから買おう」と思って買い付けることはほぼなくて。そのプロダクトが作られた背景や元の持ち主は気になるけど、歴史あるヴィンテージを集める感覚とはちょっと違うかもしれません。
河田:僕らは商品を3,000円で仕入れて4,000円で売ることもあって。正直利益は薄いかもしれないけど、そうしてまで売りたいアイテムに巡り会えると、古着屋やってて良かったなと思います。人の価値観ってそれぞれ違うから、100円で売っていてもガラクタと思う人が見ればガラクタやし、5,000円でも1万円でもそれを魅力的に感じる人がおれば買うわけで。名の知れたヴィンテージを扱ってる店じゃないからこそ、自分たちで価値を決められるところがおもしろいなと感じます。
積極的に集めているものや思わず買ってしまうアイテムはありますか?
河田:昔から石を集めるのが好きなんで、石を使ったプロダクトは買っちゃいますね。あとは、アクリル系のクリアなオブジェとピカピカ光ったり動いたりするアイテム。特に用途もわからず飾るだけなんですけど、それがあるだけで空間がより魅力的になるので、買わずにはいられないというか。
コロナになって商品のラインナップは変化しましたか?
河田:最近はアメリカ買い付けに行けてないので、国内のコレクターさんから直接買い付けることも多くて。既存のアイテムを使って自分たちでもの作りをするようになったかな。<magma>っていう東京のアーティストとコラボしたライトとか。
大吉:いつか僕らのプロダクトが「誰がこんなん作ったんやろ」って言われながら古着屋で売られていたら、それはそれでおもしろそうやなと。以前とは少しアプローチを変えて、みんなに楽しんでもらえるようにしています。とはいえそろそろ買い付けに行きたいですね。雑貨の梱包はめっちゃ大変やけど……。
河田:洋服やったら段ボールにポンポン詰め込むだけでいいけど、雑貨は割れ物も多いからキレイに梱包しないといけなくて、日本に送るのがとにかく大変なんです。
大吉:でも2人とも買うのが好きやから、キャパオーバーの物量を仕入れてしまう。いつもヒイヒイ言いながら梱包しています。ここ数年は洋服を衝撃吸収剤代わりにするテクニックも覚えたけど、最初は梱包材で埋め尽くして空気を送ってたこともあったよな。
河田:膨大な物量を買い付けてるので、梱包が1番大変です。
古着以外のアパレルも充実していますが、どんなブランドを取り扱っているんですか?
大吉:知り合いのブランドが多いですね。最近力を入れてる<SPUT Performance>は、ディレクターの考え方がおもしろくて、そこに共感して仕入れています。
河田:<magma>さんはもともと好きで、 <AWA>はもともとご夫婦2人とも知り合いで活動を始めた時期が同じだったりとか。そういうつながりのあるブランドが多いです。
大吉さんがディレクターをされているのはどんなブランドなんですか?
大吉:古着のリメイクとグラフィックを中心とした<AIRR>と、僕が国籍不明の外人のふりをしてやっている<DMC(Dave Ming Cheng)>です。夏にぴったりのTシャツなんかもたくさんあるので、ぜひ見に来てください。
大吉 純一
1984年生まれ。大阪自発のブランド<AIRR>と<DMC>のディレクター。最近は大工にハマっており、『コーナン』に行くことが楽しくて堪らないそう。カッコいいパッケージをコレクションするのが好き。
河田 達矢
1988年生まれ。高校生の頃からアメリカ村に通う古着好き。『YAMASTORE』では主に接客とディスプレイを担当。石を生かしたユニークなプロダクトやアクリル素材のオブジェなどに心惹かれるそう。
YAMASTORE
住所: 大阪市北区中崎2-2-2
電話: 06-6136-3211
営業時間: 13:00〜20:00、土日祝12:00〜20:00
休日: 不定休