
「ズィーヤ☆」のフレーズでお馴染みのお笑い芸人、<コウテイ>の九条ジョーさん。臙脂色のマオカラースーツを纏い、キテレツなネタを繰り出す独特の世界観が人気を集め、バラエティ番組を中心に様々なメディアに出演。最近では、映画やドラマの俳優を務めるなど活躍の幅を広げるほか、ずば抜けたファッションセンスも注目されています。そんな彼、実はMARZELにもたびたび登場する<THE モンゴリアンチョップス>のイーグル野村さんの友人であり、TV出演の際のスタイリングをお願いする仲でもあるとか。ということで今回は、日ごろから親交の深い2人がタッグを組んで、「ズィーヤ☆」という言葉に独自の解釈を加えつつ、コウテイの芸風になぞらえた“超不完全究極肯定完全感覚奇天烈不圧志音(チョウフカンゼンキュウキョクコウテイカンゼンカンカクキテレツファッション)”を提案。連載企画「イーグルチャレンジ」の一環として、イーグル野村さんにスタイリングを担当してもらいました。果たして、未だ世に知られていない九条さんの新たな一面を引き出すことができるのか?! お笑いファンはもちろん、ファッション好きの方も必見です!!
この日の感想や2人の出会いについて話してくれた後編はこちら。2人の仲のよさが垣間見える貴重なアフタートークをお見逃しなく!
可能性は無限大!コウテイ九条ジョー×イーグル野村がお届けする、超不完全究極肯定完全感覚奇天烈不圧志音!!
Joe Kujyo×Eagle Nomura style_01センシュアルな魅力を孕んだ
大胆不敵なカオススタイル


イーグル:一見ロックな佇まいながら、レインボー刺繍やスマイルポケット、スクエアボタンなどのディテールがウエスタンチックな<A PUZZLING HOME>のジャケットが主役。
それをトラックジャケットに見立てて、メッシュベストやバスケのゲームシャツでスポーティーなムードを、ビビッドな色使いでストリートなエッセンスをプラス。ひねりを効かせたスタイリングに落とし込みました。


九条氏には、普段穿かないであろうネオンイエローのトラックパンツを選び、インナー無しに着るとおなかが丸見えになるショート丈のパーカーにメッシュベストをレイヤード。
パーカーの下はもちろんハ・ダ・カ♡メッシュベストからチラリと覗く“オヘソチラリズム”。ギリギリ見えるかもしれませんので、こっそり画像を拡大してご堪能ください。
Joe Kujyo×Eagle Nomura style_02ふわふわのチュールに宿した
唯一無二のイマジネーション


イーグル:陽射しを受けてギラリと輝く玉虫風ファブリックのセットアップに、彼がプライベートでも愛用する<THE モンゴリアンチョップス>の大定番「グラデュエーター」をオン。さらに、リースしたもののウエストがキツく、穿けなかったピンクのチュールスカートをネックウォーマーっぽく首に巻き付けました。
図らずも生まれたこちらのコーディネート。これが正解なのか説明はできませんが、無限の可能性を秘めた「ズィーヤ☆」という言葉に、特定の答えは不要であると考えました。
Joe Kujyo×Eagle Nomura style_03先人がこよなく愛した名品を
躍進への祈りと共にアレンジ

イーグル:往年の名俳優やミュージシャンを魅了してきた”赤のスイングトップ”。芸人の枠を超えて活躍する九条氏なら、さらっと着こなしてくれると考えました。ブルーのトーンで統一したヴィンテージカバーオールとさり気ないレオパード柄のパンツ、そして昭和風情漂う鮮魚店という背景に、真っ赤なスイングトップが鮮やかに映えます。

芸歴10年目、彼の内に秘められた想いを知り、「今年こそは!」の願いを“一番”Teeに忍ばせました。どうか何ごともなく健康で過ごせる、飛躍の一年でありますように。
Joe Kujyo×Eagle Nomura style_04王道のアイビースタイルに
さりげないカリスマ性を投影

イーグル:“九条ジョーはブレザーが似合う”、シンプルにそう思ったので着てもらいました。チノパンとローファーによるアイビールッキンな装いに、総柄のアロハシャツを取り入れてハズしを加えたようなイメージです。

芸人、俳優と様々な顔を持ち、まるでアイドルのように人気のある九条ジョー。そんな彼の普段着にも通ずる紺ブレスタイルに、僕の大好きな『KinKi Kids』が描かれたアロハシャツを添えて。マルチな才能を持つ九条氏の、多面的な魅力を表現しました。
Joe Kujyo×Eagle Nomura style_05チュールトップスを重ねて
“ゆめかわいい”ムードに


イーグル:友人である田中芹さんのブランド<lili by SERI>のチュールトップスをメインにしたファンシースタイル。
九条氏には、ブルーのジャージやカモ柄のパンツ、コンバースを組み合わせて、あえて野暮ったくUSED感全開のコーディネートに。対して僕は、着丈長めのキーパーシャツやフリンジ付きのフレアパンツを選び、縦のラインがきれいに見えるよう意識しました。グリーンとピンクのチュールトップスが、メルヘンチックな世界観を演出します。

スポーティーなトップス、カモ柄とチェックのボトム、色違いのコンバース、全体のシルエットなど、リンク感とコントラストの絶妙なバランスを追求しました。
「九条の『めっちゃいいやん!』に正直救われた」。スタイリストを担当したイーグル野村さんに感想を聞いてみました。
九条ジョーは、服が似合う。
これは紛れもない事実で、今回のテーマに則った形で当たり前にカッコいいだけではなく、いかに全体を通してスタイルの振り幅や高低差(コウテイさ)を出すかにはこだわったつもりです。協力していただいたお店、ブランドの世界観やアイテムのキャラクターが濃い目だったので、どのようにすれば九条ジョーとアイテムたちがまとまるか、その親和性についてはかなり熟考しました。
彼自身、撮影時本当にこのスタイリングで合っているのか、こんな場所で撮影するのか、疑心暗鬼な表情を浮かべる場面もチラホラありました(笑)
しかし、撮影が進んでいくうちに、自然と各スタイリングに合った顔付きになっていくのを目の当たりにして“プロ”の仕事を感じました。芸人の世界だけではなく、俳優業など多方面で活躍してきた経験の賜物ではないかと思えるような表現力を見せてくれたんです。
そして、撮影後に写真を確認した時の、「めっちゃいいやん!!!!!!」という彼の言葉。そのひと言に救われたような気持ちになり、これで良かったのだと、ある意味答え合わせができた瞬間でもありました。
僕自身、主体的に取り組む撮影は初めてで、すべて想定通りだったとは言えませんが、与えられた条件下で、臨機応変に対応しながら進められたと思います。見てくださる方に少しでも刺されば幸いです。
すべてに満足をしているわけではなく、あくまでこれがスタート。友人でもある彼と今後も何かができれば、こんなに嬉しいことはありません。のちに、この企画がきっかけだったと思えれば、それが最高です。
ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします。

イーグル野村
石川県出身。端正な顔立ちが特徴の<THE モンゴリアンチョップス>の看板スタッフ。
九条ジョーとは2018年に知り合い意気投合。最近では、九条がTV番組に出演する際のスタイリングを担当するなど、少しずつ活躍の場を広げている。よく訪れる古着屋はアメリカ村の『十四才』。