こんなに続くと思わんかった!異色の才能同士がぶつかりあう松竹芸能の女性コンビ<アルミカン>が歩んできた15年。


昔はもう、めちゃくちゃセクハラされました。ライブでも、ふつうに胸もまれるネタとか(高橋)

この15年で、お笑い界は変化してると感じられますか?

高橋:めちゃくちゃ感じますね。ネタも変わってきてるし、受けるコンビも変わってきてます。わかりやすいところで言うと、ルッキズム。私たちも「見た目の悪いほうと中身の悪いほう」っていうつかみをずっとやってたんですけど、そういうのはお客さんもあんまり笑わなくなってきて。

いわゆる容姿いじりみたいなのも。

高橋:いじり方とかもすごい難しくて。変わってきていい部分もありますけど、でもそこを笑うからこそ救われるんじゃないの?って思う部分もあって。ネタを作るのがすごく難しくなってきてますね。とくに女芸人って、美人とかブスとかで笑いをとってたところもあったから、本当に時代が変わってきたなと思います。その中で自分たちらしいやり方を見つけていかないと。

たしかに、容姿もそうですし、結婚するしないみたいなのも厳しいですよね。

赤阪:でも私、結婚してないから、言うんです。高橋さんが言うと、もう結婚してるから叩かれるかもですけど、私はしてないから。弱者なので、言いやすくはある(笑)

高橋:ちょっと前まで「早く結婚しいや!」ってけっこう簡単に言ってたんですけど、それでドキッとなる人が客席にいるかもとなると、やっぱりちょっと言えなかったり。だから、そういうのじゃないネタを作っていかないとなって思うようにはなってます。

今の時代に合ったネタづくりを。

高橋:そうですね。あと、私たちが入りたての頃は仲が悪いコンビも多かったし、ケンカみたいな漫才も多かったけど、今はもう仲が良いほど好かれるというか。私も仲良いコンビのほうを見ちゃうので、その辺も時代の流れなのかなって思います。わざわざケンカとか仲悪いところを見たくない。

確かに、今は皆さんコンビ仲が良い印象がありますね。女芸人さんを取りまく状況も、15年前と違いがあったりします?

高橋:昔はもう、めちゃくちゃセクハラされました。ライブでも、ふつうに胸もまれるネタとか。当時でもだいぶマシになったと言われてましたけど、それでもまだ女芸人はブスって言われたり触られたり、セクハラしてもいいみたいな扱いされてましたね。

今では絶対ダメですよね…。

高橋:当時は、先輩は絶対!みたいな空気もありましたし。でも今は、別に先に帰ってもいいし、そういうところもすごく変わってきましたね。コロナの影響も大きかったと思いますけど。

なるほど。女芸人さんで言うと、最近女性コンビ解散のニュースが続きましたが、お2人は辞めようと思われたことはなかったですか?

高橋:いやいや、もう辞めようって何回も思いましたし、もうあかんなって思ったこともありました。でも、10年を過ぎたくらいで、そこを越えたって感じですかね。

10年を過ぎて、これはやっていけるという感覚が?

高橋:もちろんこれからも、何があるかわからないですけど。でも女芸人は恋愛とか結婚とかもそうだし、コンビ間で差がついたり、ひがんだりってありますけど、私たちはもともと全然違うタイプなので。仲が悪かった時期もあるんですけど、最近はもういい意味でしょうがないなってお互い思ってます。自分ができないことを、相方にやってもらおうみたいな気持ちになってるから、お互いの仕事にやきもち焼くこともないし、それでうまくいってるのかなって。

うまくいくようになったのは、高橋さんの骨折がひとつのきっかけで?

高橋:それと、コロナの影響もあるかもしれないですね。当時は劇場が開いてなかったり、ロケがなくなったり、仕事が本当にラジオだけになって、週1回しか会えないみたいな時があったんです。その時に、マジで仲良くなったんですよ。特に赤阪さんは独り身で、週1回のラジオで私と会うのをすっごい楽しみにしてて(笑)

赤阪:それ以外、誰とも会わなかったんで。ずっと家で。

高橋:私たち養成所で組んでるし、ビジネスコンビだったんですけど、初めて駅でずっと立ち話して。その時に、ちょっと友達みたいになって。それまで、赤阪さんから話すことってあんまりなかったんですよ。それがコロナで週1しか会わない時に、もう話したいこと溜まりまくって、赤阪さんめっちゃ喋って私がうんうんって聞くみたいな。そこから私の骨折とか結婚があって、どんどん仲良くなってる感じですね。

赤阪さんは、その時、高橋さんにお会いになるのが楽しみに?

赤阪:そうですね。本当に誰ともしゃべってなかったんで。猫としかしゃべってない(笑)

コロナ禍でコンビ仲は良いほうに変わったんですね。

高橋:そうですね。その時期に私はYouTubeで謎解きチャンネルを始めたんですけど、それが今けっこう仕事にもつながってきてるので、そこも良かったかなと思ってます。

赤阪:当時は今後どうなるのかなって思ってましたけど、高橋さんが謎解きを始めて、それが今どんどん仕事になってて。めっちゃ大変なんですよ、謎作るの。でもコツコツやってたらちゃんと仕事になるんやなっていうのを見て、すごいな、自分もボディビルがんばろうって。

高橋:結局筋トレやん(笑)

本当に10年過ぎたぐらいから、諦めてくれて(笑)。あんまり要求してこなくなって、もういいよって(赤阪)
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Profile

アルミカン

松竹芸能養成所で同期だった高橋沙織と赤阪侑子が2009年10月に結成。コント、漫才を中心に舞台、テレビ、ラジオなどで活動。高橋は2022年にパイロットと結婚。博学を活かしてクイズ番組への出演や、「謎解きクリエイター」としても活躍中。2022年には自身がプロデュースする謎解きイベントも開催した。

赤阪は妖怪のガジロウと容姿が似ている事から2022年「兵庫県福崎町のふるさと大使」に任命された。風呂ナシアパートに住む赤阪は銭湯好きが高じて「温泉ソムリエ」「銭湯検定3級」を取得。2023年には「ボディビル」にも挑戦し、地元尼崎で開催された「第48回 尼崎ボディビル・フィジーク選手権大会 」女子フィジークにて「優勝」した。
 
Instagram: @arumikan_saorin
Instagram: @akasakayuuko

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