4人のローカルスケーターが動き、長居公園に誕生させたスケートボードパーク。その裏側にあるいろんなストーリーと、パークに込めまくった想いとは。
2022年4月23日、大阪のスケートボードの聖地・長居公園に『タイガーラックスケートボードパーク長居』が誕生!大阪市内初の公園内のパークということで、情報が公開された時から注目度が高かったけど、そのキッカケを生み、指定管理事業者の『わくわくパーククリエイト(ヤンマーの子会社)』と共同でプロジェクトを進めたのは4人のローカルスケーターなんです。武田知定さん、丸居賢次さん、石川大哲さん、山下真也さんの4人は、昔から長居公園をホームにしていたローカルスケーター。オリンピックの影響で近年のブームに拍車がかかり、スケーター人口の急増とともにさまざまな問題が取り沙汰される現状に悩んでいた時、まさかの偶然が重なってプロジェクトへ参加することに。そんな誕生までの裏側のストーリーやこの場所への想い、オタク領域のこだわりとスケートボードへの愛を込めまくったパークの詳細など、たっぷりと聞いてきました。今、時代的にもスケートボードができる場所はどんどん減ってるけど、この『タイガーラックスケートボードパーク長居』なら思いっきり楽しく滑れます。まさに、理想そのもの!大阪のスケートボードの聖地・長居公園、いよいよ復活です!!
路面がいいし、広くて街灯もあるから深夜でも滑れる。昔の長居公園は、スケーターにとって極上の場所だった。
まずは、スケートボードパーク誕生の立役者となる4人の関係性や、長居公園で滑り始めたキッカケを教えてもらいたいと思います!
武田:このメンバーの中で長居公園歴が一番長いのは丸居君ですね。
丸居:かれこれ25年くらい前かな。中学生の頃から長居公園で滑り始めて、この4人のメンバーともいつの間にか仲良くなってたもんね。スケートボードが共通してると、ファッションや音楽の趣味、人間のタイプが違ってもすぐ仲良くなれてしまうんですよ。
武田:僕は地元のスポットが滑れなくなって高校生の頃に長居公園に来たんですけど、当時から丸居君はめちゃくちゃうまくて、それこそ大阪でもトップクラスのスケーターやったんです。うますぎて、丸居君が来たら「ヤバイ!ちょっと端っこ行こ」的な状態(笑)。でも、歳を重ねるごとに打ち解けていきましたよね。
丸居:そんなドヤドヤ感はしてなかったはず…(笑)。僕も昔はそうやったけど、うまい人が目の前にいると空気感とかオーラを感じて自分の温度でその環境に入って行きにくかったり、仲良くなりたいけど踏み込めないみたいな。
石川:あるあるっすね。僕も知定君と同様に地元のスポットが滑れなくなって、「どこ行く?やっぱ長居公園やな」って感じで。僕が来た時は、丸居君がスケートボードからちょっと離れてるタイミングでしたよね。
丸居:仕事や生活の関係でスケートボードから長く離れてる時期があったからね。その間に大哲君や山下君も来るようになり、仲良くなったのはスケートボードを再開した3年前くらい。
山下:僕はこの中ではちょっと異色な感じで、スケートボードを始めたのは32歳なんです。当然、丸居君の存在も知らなかったし、何のツテもなく長居公園に来たらめちゃうまい人がいっぱい。「YouTubeで見たトリックやん!」みたいな状態で、とりあえず話しかけることから始めました。知定君や大哲君にも話しかけて、気づいたらスケーターの友だちばっかになってたんです。
武田:32歳で始めた時、既に子どもいたもんね。
山下:しかも、3人目がちょうど生まれたタイミング(笑)
子育てがさらに忙しくなるタイミングなのに、思い立ったんですね(笑)
山下:昔からストリートファッションが好きだったんでとりあえずスケートボードを買ってみて、時間はあんまりないけどやり始めたら…。おもろいし、友だちも増えるし、ずっと長居公園にいる状態になりました…。
武田:ほんまにめっちゃおった!
丸居:しかも滞在時間が長い!
石川:朝帰りとかもしょっちゅうでしたよね。
山下:休日は子どもと遊ばなあかんのに、朝帰りしてるから昼まで寝てしまうし。平日も仕事終わって深夜まで滑ってるから、家庭の危機が何回もあった(笑)
ご無事でよかったです(笑)。今は公園内で滑ることは全面禁止されてますが、昔から長居公園はスケーターが集まる場所でした。人が人を呼ぶってこともあるでしょうし、その理由って何なのでしょうか?
武田:路面がいいんですよ。
石川:スタジアムの前あたりとか、めちゃくちゃ滑りやすいですし。
丸居:広いし、満足できる明るさじゃないけど深夜でも街灯がある。それに、僕らの用語で言うキックアウトされない環境。「帰りなさい!」「止めなさい!」と言われないから、24時間いつでも滑れる場所だったんです。街中でスポットを攻めてると警備員や警察にキックアウトされるけど、ここはゆっくり滑れるので、大阪に引っ越してくるスケーターはけっこう長居公園周辺を選んだりもするほど。
まさに聖地だったんですね。
丸居:毎晩20人くらい集まってても、半分くらいは地方出身者でしたから。
石川:「スケボー・長居公園」って検索ワードがすぐ出てくるくらいやし。
武田:それに丸居君もそうですけど、やっぱレジェンドたちがいるんですよ。UFCやRIZINにも出てる総合格闘家のストラッサー起一さんとか。
丸居:起一君は僕の1つ上で地元も同じだから、10代の頃はずっと一緒に滑ってたんですよ。
武田:金ネックレスで坊主の起一さんが滑ってる姿は、マジで怖かったです(笑)
丸居:しゃべると優しいけどガタイもデカイし、真剣な顔で滑ってると確かにイカツイかも。でも、今でも総合格闘技の第一線にいてるから、やっぱすごい人でしたね。他にも長居公園出身のスケーターで花開いた子もいっぱいいて、大哲君もその一人。スポンサーもめちゃ付いてたもんね。他の場所にはないスケートボードに適した環境があったので、うまい人がたくさん輩出されたんだと思います。
石川:ほんと、マジで極上の場所やったんですよ、僕らスケーターにとってはね。
タイガーラックスケートボードパーク長居 運営クルー
昔から長居公園で滑っていたローカルスケーターの武田知定、丸居賢次、石川大哲、山下真也で形成されるパーク運営クルー。長居公園にスケートボードパークを誕生させた立役者たちであり、オタク領域のこだわりと深すぎるスケートボード愛で、指定管理事業者の『わくわくパーククリエイト』とともにスケーター想いの最高のパークを作り上げた。
Instagram
武田知定:@tomosada_t
丸居賢次:@maru_411
石川大哲:@hiroaki666
山下真也:@shinkinpark_0519
タイガーラックスケートボードパーク長居
大阪府大阪市東住吉区長居公園1-1
営業時間: 24時間(4月23日〜5月8日までは9:00〜21:00)
※本登録は9:00〜18:00
利用料: 年間登録料500円
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