銭湯やサウナ、クラフトビールグッズを展開する<Chain&co.>の牛嶋亮さんに聞く、リスペクトの精神を込めたヒップホップスタイルのもの作り。


幼い頃から探究心が旺盛で、ひたすら音楽をディグるのが趣味でした。デジタルデトックスと先人からの学びが銭湯の魅力です。

ここからは牛嶋さんのルーツについて伺いたいです。小さい頃から音楽が好きだったということですが、どんなアーティストに影響を受けてきたんですか?

音楽って親の好みが色濃く出ると思うんです。僕も親父の影響で、小さい頃はマイケル・ジャクソンとワムとか、ポップス寄りのR&Bを聞いていました。小学生のとき誕生日プレゼントにCDウォークマンを買ってもらって、初めてお小遣いを貯めて買ったのがマライア・キャリーのアルバムでした。ランドセルにこれとウォークマンを忍ばせて、聴きながら下校するのが日課でしたね。友達とは話が合わなかったですけど……(笑)。

だけど僕個人としては、マライア・キャリーやジャネット・ジャクソンを聴いていて良かったと思っています。どうして自分が彼らの曲を良いと思うのか、幼いなりに気になっていて。誰が作曲を担当したのかをエンドクレジットで確認して、同じ名前やフィーチャリングの作品を、ブックオフやタワレコでひたすらディグるのが趣味だったんです。マライア・キャリーとジャネット・ジャクソンは、当時サンプリングや引用が多かったので、どうして自分がこれを好きなのかっていうのはすごい繋がりましたね。音楽に興味を持ったのは、その辺りがきっかけですね。

幼い頃から探究心が旺盛だったんですね。そこまで突き詰められるのはすごいです。

そういうことをするのが好きなんでしょうね。最初に言ってたスチャダラパーとかは、友達に教えてもらったんです。僕、ヒップホップはあんまり通ってなかったんですけど、そこからいろいろ聴き込むようになって。視野を広げていくうちに、かせきさいだぁまで辿り着きました。シルクスクリーンに興味を持ってデザインするようになったのは、彼の個展がきっかけだったから、音楽が好きっていうのも今の自分をつくる重要な要素だったのかなって。だから僕の中では、音楽とデザインって繋がっているんです。

今後作っていきたいアイテムなどはありますか?

最近はSDGsに注目していて、これは北欧のサウナなどで使用される白樺の枝葉を束ねたヴィヒタの廃材を再利用したコースターです。環境に優しいジェスモナイトという素材をベースに、使えなくなった枯葉をエキポシ樹脂で閉じ込めて作っています。ビール業界で“ソソギング”と呼ばれる文化があって、山登りをするときにグラスとコースターを持参して、それに注いで飲むのが流行っているんです。それを銭湯にも応用して、サウナのあとでポカリを飲むときに使ったらどうかなって。組み合わせるものを変えればカフェやコーヒースタンドでも使ってもらえるし、これからの展開も考えやすそうだなと。ヘアサロンの方に使い終わったカラー剤のキャップいただいて、それを再利用したお香立ても作っています。SDGsを意識したグッズ作りには、かなり力を入れていますね。

コラボしてみたいブランドとかもあるんですか?

昔から<ビームス>が大好きで、ビームスカルチャーにもかなり影響を受けているので、いつかコラボレーションしてみたいです。だけどこれは目標なので、いつかご縁があれば嬉しいなと思っています。

この日は『Fabcafe』さんに、抽出後のコーヒーの粉をいただいたそう。のちほどコースターに加工するとのこと。
カラー剤のキャップを再利用したお香立て。こちらのベースにもジェスモナイトを使用。

それでは最後に、銭湯の魅力を教えてください。

銭湯の一番の魅力は、“デジタルデトックス”だと思っていて。僕、<ノーデバイス>っていうブランドを作ろうかと考えたくらい、一時期スマホがめちゃくちゃ嫌いになったんです。行動依存っていうのかな、常にハックされているのが嫌になって。何をしてても触っちゃうし、SNSも気にしちゃうし。それがしんどくなったとき、唯一無になれる場所が銭湯だったんです。極端な話、銭湯ってヒッピーになれる場所じゃないですか。それがすごくいいなぁと。僕にとって銭湯は、サードプレイス的な場所ですね。

あと銭湯の本質って、先人たちに入り方を教えてもらえるところだと思うんです。先人というのは、常連のおじいちゃんたちのこと。最近は『サ道』っていうマンガもあるから学び方もいろいろあるけど、僕は小学生のときにサウナ、水風呂、外気浴という一連の流れを、名前も知らないおじいちゃんに教えてもらったんです。みんなネットやマンガで調べたわけでもないのに、それぞれのやり方で気持ち良さそうにしていて。それって、おじいちゃんたちが長年通い詰めてあみ出した、一番気持ちいいスタイルなんだと思うんです。それを同じように楽しむことができるって素敵だと思いませんか? おじいちゃんたちの真似することで、さらにいろんなことが見えてくるようにもなりますし。行きつけの銭湯を見つけるのもおすすめですよ!

 


●ポップアップ&展示情報

・伊勢丹サウナ館会員限定 Chain&co.ロッカーキーブレスレットオーダー会を1月下旬まで開催中 → 詳しくはこちら
・戸越銀座 drifter’s stand プロトタイプ展示会(日時未定 / instagramで告知)
・世田谷 tempra cycleコラボ 自転車用ナンバープレート BLP 近日販売予定(instagramで告知)
・そのほか、Chain&co.ストアから新作アクセサリーなど続々登場予定!


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Profile

牛嶋 亮

1988年生まれ、滋賀県出身。銭湯やクラフトビールなどを題材に、雑貨やアパレルグッズをリリースする<Chain&co.>を手がけるアーティスト。かなりの銭湯ラバーで週に2、3回は必ず訪れるそう。1時間半ほどかけて3、4回交互浴を繰り返すのが牛嶋流。

https://chainandcocreative.stores.jp/

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