“人々”、そしてその人々が行う営みである“生活”を題材に制作を続けるMai Akashi。生活やライフワークと呼ばれるものは、一定の繰り返しのように見えながら、その一瞬一瞬に、微細な変化が積み重なっています。

今回の展示タイトル『THINGS BECOMING FORM』(形になっていくものごと)とは、生活の中で生まれ続ける動作や、言葉になる前の感覚が、制作を続ける中で少しずつ輪郭を持ち、ものとして現れていく過程を指しています。

寄りかかり、支え合い、重なり、時に少し離れる。そんなMai Akashiの作品は、人と人との関係性や相互の距離感、小さな行為と時間が重なった先で、ひとつの形として現れているように感じ取れるもの。今回の展示では、『Sculpture』『Drawing』『Painting』の3つの軸で作品を構成。

粘土を用い、未焼成特有の“生”の質感を活かすため、成形と乾燥、磨きを繰り返すことで、淡い輪郭を帯びていく『Sculpture』。長年にわたり、日記のように描き続けている『Drawing』。顔料を布や紙に少しずつ浸透させ、何層も重ねながら曲線を描いていく『Painting』。

「何気なく繰り返している行為や、誰かと過ごした時間、使い続けているもの、そこにいた気配。Paintingの中に、すぐには見えない痕跡として残している」とMai Akashiは語ります。忙しい日々の中で、私たちが忘れかけている、時を重ねるという行為。瞬間には形にならず、時間を重ねることで少しずつ現れてくるもの。大切なものを愛しむように、繰り返し撫でるようにして制作されたMai Akashiの作品から、それぞれの中にある何かを感じ取ってもらえればと思います。

Mai Akashi

1989年生まれ。愛知県出身。名古屋芸術大学美術科テキスタイル学科専攻。人、環境、もの、自然など、あらゆる要素が互いに影響し合う関係に着目して制作を行う。2014年、愛知県で個展・グループ展を行った後、拠点を東京へ移す。2020年より、平面作品から展開した立体作品の発表を開始。近年は、人々の生活に潜む微かな動きや形、時間や反復の積み重なりを捉えた作品を手がける。複数の個体が寄り添い、結合し、一体となる構造などを通して、それぞれが互いに影響し合う関係を表現している。現在は愛知県を拠点に活動。

Instagram: @maiakashi_

INFORMATION

Mai Akashi 『THINGS BECOMING FORM』

日程: 2026年10月9日(金)〜10月18日(日)
場所: haku kyoto(京都市下京区中之町566)
時間: 12:00〜19:00
休み: 火曜・水曜

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