
神戸・元町にあるミニシアター「元町映画館」は、古い町並みとカルチャーが共存するエリアに根差した小さな映画館。メジャー作品では拾いきれない、でも心に深く刺さる“もうひとつの映画体験”を届けてくれる場所として、映画好きから熱い支持を集めています。そんな元町映画館が今年で15周年を迎えるにあたり、記念企画として、伝説的少女漫画家・大島弓子の作品を原作とした映画3本を特集上映するイベント「大島弓子に逢いたくて」を開催します。期間は2025年8月16日(土)〜22日(金)の1週間。
萩尾望都、山岸凉子、竹宮惠子らと並び“花の24年組”として少女漫画の歴史を変えた存在として知られる大島弓子。彼女の描く、現実からほんの少し浮遊したような世界観や、内面の繊細なゆらぎに、夢中になった記憶がある人も多いはず。そして今、あらためて観ると、新たな気づきや共感に出会えるかもしれません。
上映作品
『綿の国星』(1984年)

大島作品唯一のアニメーション。どしゃぶりの雨の中、浪人生に拾われたチビ猫が“人間になること”を夢見て成長していく物語。声の出演には冨永みーな、野沢那智ら豪華キャストが並びます。
『金髪の草原』(2000年)

監督は大島ファンとしても知られる犬童一心。自分を20歳だと思い込む80歳の老人と、新米ヘルパーの不思議な交流が描かれます。主演は伊勢谷友介と池脇千鶴。
『グーグーだって猫である』(2008年)

漫画家・麻子が愛猫との別れと出会いを通して再生していく物語。猫好きの大島弓子が自身のエッセイ漫画をもとに描いた、リアルであたたかい日常の記録。主演は小泉今日子。
© 2008 「グーグーだって猫である」フィルム・コミッティ
⼤島⼸⼦をもっと深く楽しめる関連イベント
書店「1003」との連動企画「観読往来」
期間:2025年8月16日(土)〜24日(日)
神戸・元町の書店「1003」にて、大島作品に関連する本を集めたフェアが開催されます。上映作品の世界観とリンクするようなコミックスや書籍たちを、店主・奥村千織さんがセレクト。映画と読書、両方で大島ワールドに浸ってみて。
トークイベント「大島弓子の魅力を語ろう」
開催日:2025年8月16日(土)『金髪の草原』上映後
マンガ研究者・増田のぞみさん(甲南女子大学教授)によるトークイベントを開催。漫画史における大島弓子の立ち位置や、後世に与えた影響などを語っていただきます。
推薦コメント紹介
増田のぞみさん(甲南⼥⼦⼤学 ⽂学部 メディア表現学科 教授)
⼤島⼸⼦作品に映画館で出会える…!
⽣と死が交錯するお盆の時期、8⽉、夏休み…。⼤島⼸⼦との出会いに、これほどふさわしい季節はありません…!再会する⽅も初めて出会う⽅も、元町映画館のスクリーンで⽇常の中にひそむ不思議を⾒つけてみませんか。世界の⾒え⽅が変わるかもしれません。
林未来さん(元町映画館スタッフ 「⼤島⼸⼦に逢いたくて」担当)
⼤島作品は少⼥漫画には珍しく、ファンが⼀世代に集中しておらず幅広い。⾝近なできごとだけではなく⾃分⾃⾝の中に広がる世界を描くので、消費されることなく愛され続けているのかもしれません。男性ファンも多いし、新しい世代にも発⾒してもらえる機会にしたいです。「今こそ⼤島⼸⼦が必要だ!」
元町映画館 15周年記念「大島弓子に逢いたくて」
日程: 2025年8月16日(土)〜8月22日(金)
会場: 元町映画館(神戸市中央区元町通4丁目1-12)
料金: 一般1,800円/シニア・サービスデー1,300円/学生・障害者1,000円/サポーターズクラブ 1,200円/3回券 3,300円(上映期間中に販売)
元町映画館 公式サイト: https://www.motoei.com
Instagram: @moto_ei
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