
世界の辺境地やマイノリティーなコミュニティーに入り込み、寝食を共にしながら撮影するというスタイルで様々な作品を発表している写真家・名越啓介。そんな彼が、2023年2月から約1ヶ月に渡ってトゥアレグ族と共に過ごし、サハラ砂漠を彷徨いながら遭遇した美しい瞬間を撮りためた写真展「DUNE」を開催します。

トゥアレグ族はサハラ砂漠に住む遊牧民として知られ、エルメスにも採用されたシルバーアクセサリーや、グラミー賞を受賞した砂漠のブルースバンド・TINARIWENを通じて耳にしたことがある人も多いと思います。しかし、トゥアレグ族の伝統や文化、現状について深く知る人は少ないはず。植民地時代に故郷を分断された彼らの一部は2014年以降、戦士となって領土奪還を目指し、今でも紛争が続いていると言います。そして2024年8月、旅を終えた名越氏のもとにはトゥアレグ族から写真付きのメールが届き、ドローン攻撃によって命を落とした仲間たちの姿が刻まれていたそうです。

今回の写真展「DUNE」は、写真家・名越啓介の視点で切り取られた一瞬、一瞬の時の流れを楽しむと共に、日本人の美的感覚に影響を与える理念の一つである“幽玄”と、トゥアレグ族の生き方や砂漠の風景の共通項に焦点を当てた展示になっています。

そして、写真史上初となる挑戦的な展示も!温度変化で写真が浮かび上がる特別仕様の作品を、東大教授や研究員と制作。和紙に特殊な塗料を乗せて、熱を加えることで写真を浮かび上がらせるという、今まで見たことのない写真の新しい表現にも注目です。また、<SUICOKE>とコラボレーションし、トゥアレグ族の生活の様子を収録した写真集「TUAREG」も販売。電気も電波もない場所でトゥアレグ族と共に過ごしながら、感じるままにシャッターを切った写真家・名越啓介の見てきた世界を、ぜひ現地で追体験してください!!


名越啓介 写真展「DUNE」
日程: 2025年5月24日(土)〜6月1日(日)
場所: IMES(大阪市北区中津3-30-4 IMA:ZINE 2F)
時間: 12:00〜19:00(日曜12:00〜18:00)
TEL: 06-7506-9378
Instagram: @imes_osk
Instagram: @imazine_osk
大阪芸術大学卒。19才で単身渡米し、スクワッターと共同生活をしながら撮影。その後アジア各国を巡り、2006年に写真集『EXCUSE ME』を発表。 世界の辺境の地域やマイノリティーなコミュニティーに入り込んで 寝食を共にしながら撮影をするスタイルを続ける。
写真集『SMOKEY MOUNTAIN』、『CHICANO』、『BLUE FIRE』、 はじめて国内を題材にした『Familia 保見団地』では『写真の会』賞受賞。 2023年公開映画「ファミリア」(成島出監督・役所広司主演)の原作の一部となった。 2019年8月『バガボンド インド・クンブメーラ 聖者の疾走』、2021年には『ALL.』をリリース、 最新写真集では主に自身の祖先の土地を撮影した『よあけ』(2023年)を発売。
Instagram: @keisuke_nagoshi