《みちたりる》 910×727mm、キャンバスにアクリル絵の具、2024年

きゃらあいは、少女漫画から影響を受けた大きな瞳の少女と、パステルカラーを多用したファンシーな作風を特徴とするアーティスト。10代前半にイラストレーターとして活動を始め、SNSを通して若者を中心に多くの注目を集めてきました。

《交換日記の行方のように、》 1167×1167mm、キャンバスにアクリル絵の具、2024年

現在は、日常的に繰り返し触れるSNS上で生じる幸せと苦しみや、それに伴う自身の不安定さを「ゆらぎ」として制作のテーマに据え、善悪・明暗などで分けることのできない複雑な現代社会や人間関係を描こうとしています。かつてリアルを一所懸命に生きていた時に身近にあったファンシー雑貨などが、インターネットで浮遊しつづける自分の心を留めてくれるような気がするという理由から、絵自体が子どものおもちゃのようであることを大事に制作を続けています。

《うたのようにすぎてゆく》 1455×894mm、着物生地にアクリル絵の具、2024年

今回の展示では、作家自身や身近な人が撮影した100枚の写真を元にした新作のドローイング作品とキャンバス作品を展示。日々の「記憶」や「記録」に対する気づきを、絵を描くという行為を通して表現します。

アーティストステートメント

写真をもとに100枚のドローイングをしようと思い立った。
何年間もの写真を保存しているアプリから100枚を選定する。スマホでは際限なくシャッターを押せるため、些細なことでも残したくて小刻みに撮影することが多い。振り返り切れないような膨大な量の写真を見ていると、途中から苦しさを覚えてきた。それは、日常の連続的なシーンを見返すことで、当時の具体的な生(なま)の記憶が蘇ったからだろうか。
絵にするとき、写真の人物は誰にでもない女の子に変換する。描いているうちに生の記憶が磨かれていき、抱えやすい記録になっていくように感じた。
日々の記録をしているつもりで撮っていた膨大な写真。雑多な中に置きっぱなしにされているだけでは記録にはなりきれていなかったようだ。
日々を生きる中で、絵を描く中で、記録をすることで見えてくるものを楽しみにしたい。

きゃらあい

大阪府出身、京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)アートプロデュース学科卒業。
『ゆらぎの中にいる自覚』を主なテーマとしている。SNSで多様な価値観に触れられる時代、さまざまなものを吸収して、何が正しいのか、自分の意見や属性すらも分からなくなる浮遊感が自身の中に根強くあり、作品制作はそれを受け止める器にもなっている。幼い頃に親しんだ少女漫画のような大きな瞳や、ファンシー雑貨のような色彩など、独自のキャッチーさで鑑賞者を引き込み、描かれた人物と対話ができるような作品づくりを続けている。
 
Instagram:@kyaraaisan

INFORMATION

きゃらあい「生の記憶、平らな記録」

期間:2024年9月25日(水)~10月14日(月・祝)
時間:10:00~20:00 ※最終日のみ17時閉場
場所:京都 蔦屋書店 6F アートウォール
入場:無料

特集ページ:https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/42434-1143360829.html

主催:京都 蔦屋書店
お問い合わせ:075-606-4525(営業時間内) / kyoto.info@ttclifestyle.co.jp

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