京都dddギャラリー企画展である本展は、秋山伸自身の手によって空間が何度も組み換えられる会場をファクトリー(工房)に見立て、協力者とともに行う実制作の様子をご覧いただけます。
「エディション・ノルト」は、デザイナー秋山伸が故郷の新潟県南魚沼市を拠点に、全国から気ままに訪れる協力者たちと共同生活をしながら、様々なユニークな手法で本づくりを行っている活動です。その活動は国内外のアート・ブック・フェアや展覧会で高く評価され、海外のワークショップやレクチャーに招聘されるまでに広がっています。
本展では、そのつくる「いとなみ」に着目し、協力者とともに行う実制作の様子を展示します。展覧会タイトルの「ファクトリーdddd」は、ギャラリー名の「ddd」に「d」を足して、音の連続で継続する生産を想起させるようにしたものです。
2001年より「コンポジション」シリーズとして、ギャラリー、店舗、倉庫、公民館、屋外公園、催事場、図書館などのその場にある備品だけで即興的に空間を構成する作品を作り続けている。2016 年より、一旦構成した作品を会期中に、自ら、あるいは協働者の力を借りて何回も組み直す「シチュエーションズ」を始める。2012 年より、モノとその場所が1対1で対応する作品シリーズ「プレイスメント」を始める。2017年より、レストランやカフェのテーブル上の備品や配膳された食器類を即興的に組み合わせ、その写真をSNSに投稿する「#table_arrangement」を始める。
「エディション・ノルト|ファクトリーdddd:被包摂、絡合、派生物」
会場構成「秋山ブク|シチュエーションズ 7 番:京都 ddd ギャラリーの備品による」
会期: 2023年3月21日(火)~5月21日(日)
開館時間: 11:00~19:00 ※土日祝は18:00まで
休館日: 月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土日にあたる場合は開館)
場所: 京都dddギャラリー(京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620 COCON烏丸3F)
京都dddギャラリーについて
京都dddギャラリーの前⾝は、⼤⽇本印刷株式会社の関⻄での⽂化活動の場として、1991年、⼤阪・堂島に開設された、グラフィックデザイン・グラフィックアート専⾨ギャラリー「DNP Duo Dojima (略称ddd)」です。2014年の京都移転を機に、現在の名称に変わりました。2008年からは公益財団法⼈DNP⽂化振興財団が運営しています。『未来のデザイン』はどうなっていくのか、どうあるべきなのか。京都dddギャラリーは新しい時代の流れを読み取り、さまざまな交流、対話を通して新たな創造性を発⾒していくことで、グラフィックデザインとアートの境界を模索し、拡⼤していくことを狙います。デザインを愛する人々が、ここで出会い、対話し、新たな発⾒を体験していただきたいと考えています。
公式サイト: https://www.dnpfcp.jp/gallery/ddd/
Instagram: @kyoto_dddgallery
Twitter: @ddd_gallery
1963年 新潟県生まれ。東北大学工学部建築学科卒業。東京藝術大学美術研究科建築専攻修了。1990年代半ばから、美術・建築の書籍や展覧会のグラフィック・デザインを数多く手がける。edition.nord代表/神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科教授/多摩美術大学絵画学科版画専攻客員教授/日本造本装丁コンクール審査員。最近のデザイン/ブック・メイキングの仕事は、一般流通する数千部の本を学生とともに手作業で製本した『東山道エンジェル紀行』町田康+寺門孝之/左右社/2021