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滋賀県立美術館 企画展「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」 国内では6年ぶり、そして故郷である滋賀でははじめてとなる大規模個展が1月21日にスタート。昨秋、東京オペラシティアートギャラリーで開催された同展の西日本唯一の巡回。この10年の活動に焦点を当て、未発表作品を織り交ぜながら写真家 川内倫子の本質に迫る。

《無題》2020 (シリーズ〈M/E〉より)
《無題》2019(シリーズ〈M/E〉より)

川内倫子は1972年に滋賀県で生まれ、4歳までは滋賀で、その後は大阪で育ちました。川内の写真は柔らかい光をはらんだ独特の淡い色調を特徴とし、初期から一貫して人間や動物、あらゆる生命がもつ神秘や輝き、儚さ、力強さを撮り続けています。川内のまなざしは、身の回りの家族や植物、動物といった存在から、火山や氷河といった壮大な自然に対してまで等しく注がれています。日常にある儚くささやかな対象と、長い時を経て形成される大地の営みとが、独自の感覚でつながり、同じ生命の輝きを放っているところに、川内の作品世界の大きな魅力があるといえます。

タイトルでもある〈M/E〉は、本展のメインとなる2019年以降に撮影された新作のシリーズです。〈M/E〉とは、「母(Mother)」、「地球(Earth)」の頭文字であり、続けて読むと「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」でもあります。アイスランドや北海道で撮影した火山や流氷と、コロナ禍で撮影された日常の風景とは、一見するとかけ離れた無関係のものに思えますが、どちらもわたしたちの住む地球の上でおこっており、川内の写真はそこにある繋がりを意識させます。本展は、人間の命の営みや自然との関係についてあらためて問い直す機会となることでしょう。

川内は写真集『うたたね』、『花火』(リトルモア、2001) の2冊で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞し、今日まで精力的に写真集の刊行や個展の開催を行ってきました。2022年11月には、国際的な写真賞である Sony World Photography Award 2023 特別功労賞を日本人としてはじめて受賞。

本展は、国内では6年ぶり、そして故郷である滋賀でははじめての大規模個展です。この10年の活動に焦点を当て、未発表作品を織り交ぜながら川内の作品の本質に迫ります。

《無題》2019 (シリーズ〈M/E〉より)
《無題》2020(シリーズ〈M/E〉より)

川内倫子

写真家。1972年滋賀県に生まれる。2002年『うたたね』『花火』(リトルモア刊)の2冊で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。著作は他に『AILA』(2005年)、『the eyes, the ears,』『Cui Cui』(共に2005年)、『Illuminance』(2011年、改訂版2021年)、『あめつち』(2013年)などがある。2009年にICP(International Center of Photography)主催の第25回インフィニティ賞芸術部門受賞、2013年に芸術選奨文部科学大臣新人賞(2012年度)を受賞。主な国内での個展は、「Cui Cui」(2008年・ヴァンジ彫刻庭園美術館)、「照度あめつち 影を見る」(2012年・東京都写真美術館)、「川が私を受け入れてくれた」(2016年・熊本市現代美術館)ほか多数。近刊に写真集『Des oiseaux』『Illuminance: The Tenth Anniversary Edition』『やまなみ』『橙が実るまで』(田尻久子との共著)がある。
 
公式サイト:http://rinkokawauchi.com
Instagram:@rinkokawauchi
連載(IMA):https://imaonline.jp/imaseries/rinko-kawauchi/

INFORMATION

滋賀県立美術館 企画展「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」

会期:2023年1月21日(土)~3月26日(日)
休館日:毎週月曜日
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
会場:滋賀県立美術館 展示室3

観覧料:
一般 1,300円(1,100円)
高校・大学生 900円(700円)
小学生・中学生 700円(500円)
※( )内は20名以上の団体料金
※展示室1・2で同時開催している常設展も観覧可
※未就学児は無料
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方は無料

主催:滋賀県立美術館、朝日新聞社
後援:エフエム京都
協力:一般社団法人 KYOTOGRAPHIE
企画:荒井保洋(滋賀県立美術館 主任学芸員)、芦髙郁子(滋賀県立美術館 学芸員)
令和4年度日本博イノベーション型プロジェクト 補助対象事業 (独立行政法人日本芸術文化振興会/文化庁)

滋賀県立美術館公式サイト:https://www.shigamuseum.jp
Instagram:@shigamuseum
Twitter:@shiga_kenbi

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