Interview & Writing
金輪際セメ子
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西野 恭平

1998年公開の『リング』で日本中を震撼させ、今ではジャパニーズホラーのアイコン的存在となったあの貞子が、再びスクリーンに帰ってきます! 最新作『貞子DX』では、その呪いがSNSで<拡散>され、しかも死に至る時間が24時間と大幅に短縮! 時代に合わせてアップデートした貞子の<呪いの方程式>に挑む、超体感型<謎解き>タイムサスペンスホラーに進化しています。呪いの解明に奔走するのは、IQ200の天才大学院生・一条文華と、自称“王子様”占い師の前田王司。一条文華を演じる小芝風花さん、前田王司を演じる川村壱馬(THE RAMPAGE)さんは、共に大阪のご出身ということで、映画の見どころと合わせて、大阪にまつわる思い出などもお聞きしました!

貞子という本格ホラーの怖さと、木村監督らしい面白い要素を融合していけるように、自分の中でバランスを取るのがすごく難しい役だったなと思います(小芝)

今回小芝さんはIQ200の天才大学院生・一条文華を演じられましたが、役作りの上で参考にされたことがありましたら、教えてください。

小芝:東大生の方が出演されているクイズ番組を見て、こういう感じかな?って参考にしました。文華もそういう番組に出ているという設定だったので。キャラクターとしては、謎を解いているときは理路整然と説明して賢いけど、普通の時は女の子らしい部分だったり、親しみやすい部分だったりを出していけたらなと思ってました。

ご自身が文華という役に対して、例えば衣装だったりとか、アイデアを出された部分はありますか?

小芝:この役に関しては、最初に自分が台本を読んだイメージと全然違ったんです。衣装もそうですし、木村監督が現場で指示してくださるセリフもイメージと違って、「こういう服着るんだ、こういう演出になるんだ」って。監督の演出と自分の抱いたイメージを成立させるには、どうしたらいいんだろう?ってかなり悩みながら演じてました。

現場に入る前に、ある程度は役のイメージを決めて入られるんですか?

小芝:かっちり決めるわけではありませんが、台本に載っている情報やセリフの言いまわしだったりで、こういう役かなっていうのは作っていくんですけど、今回は全然違いましたね、私の印象と、監督の演出してくださる文華が。木村監督は面白いものを作るのが得意な方なので、貞子という本格ホラーの怖さと、木村監督らしい面白い要素を融合していけるように、自分の中でバランスを取るのがすごく難しい役だったなと思います。

映画のポスターにもありますが、文華が耳の後ろを親指で押さえて、他の4本の指を曲げるポーズがとても印象的でした。

小芝:実はこのポーズ、台本にあったわけではないんです。現場で監督に、「ちょっとこれやってみて」って急に言われて。撮影中は正直わからずにやっていた部分もあったんですけど(笑)、文華が謎を解く時の、ひとつのスイッチという役割になっています。

川村:これ、けっこう難しいんだよね。

小芝:そうそう、角度とか指を曲げるスピードとか、監督に何度も指導していただいて。私たぶん、この作品のなかで一番指導いただいたのはこのポーズかもしれない(笑)

監督こだわりのポーズだったんですね。川村さんが演じられた前田王司も、決めセリフを言うときに指で鼻の下をこするようなポーズがありますが、これも監督から?

川村:そうですね、これも監督から現場で。でも役柄のせいもあって、決まらないんですよね(笑)。自称“王子様”占い師っていうぐらいなので、本人はかっこつけてるんだけど、そのかっこつけがサマにならないという、ちょっと残念な役で。王司の印象は、観る人によっておもしろいに全振りされるか、ウザいに全振りされるか、紙一重みたいなところのあるキャラクターですね。

川村さんは、役作りをされる上で意識されたことはありますか?

川村:最初に台本を読むときから、自分の演じるキャラクターをこんな感じだってあまり決めこまないようにしていて。現場に入って「こういうふうにやってみて」ってなったときに、自分の作ったイメージを脱げないと、どうしてもすり合わせができなくなっちゃうので。柔軟に対応できるように、ふわっとこういう感じかな?っていうイメージを持ちつつ、現場で監督さんとディスカッションしながら作っていったって感じですね。
木村監督はけっこう右脳的というか、「ここはこういう感情で」みたいに思考的な説明より、ご自身が実演して声で教えてくれるので、僕にはそれがすごく合ってましたね。音で聞いたほうがわかりやすいというか、耳が良いほうなので(笑)

さすが、アーティストでいらっしゃいますもんね。自称“王子様”占い師という王司は、川村さんがこれまで演じてこられた役とは全く違う役でしたが、台本をご覧になった時はいかがでしたか?

川村:最初に台本をぱっと見て、今までの不良役から一転してまともな役かな?と思ったら、全然やばいやつだったっていう(笑)。過去の不良キャラのほうがまともたっだんじゃないかっていうぐらい、やばい役でしたね。

現場の雰囲気はすごく楽しくて。「これ、ほんまにホラー撮ってるんやんな?」っていう話はよくしてました(川村)

『貞子DX』はホラーでありながら、謎解きサスペンスの要素もあり、文華と王司の掛け合いはコメディのようでもありました。お2人は、演じる上でどのように意識しておられましたか?

小芝:王司はすごく感情が上下するけど、文華はずっと冷静で、そのアンバランス感が面白い部分だよねっていうのはお互いに話していて。でも現場の演出で、台本以上に文華の感情があらわになったり、親しみやすい部分が追加されたときに、王司とのバランスをどう取るかっていうのは悩みどころではありました。

お芝居をされる中で、こういう掛け合いにしようとかお話されたりはするんですか?

川村:わざわざ打ち合わせたりはしてないですね。

小芝:でもお互い関西人同士だからか、この間で返すと気持ちいいとか、こういうセリフのテンポがちょうどいいっていう感覚は、なんとなく合ってたんだと思います。ただ、掛け合いが楽しくなりすぎると、呪いの緊張感がなくなってしまいそうで、そこのさじ加減が難しいねっていう話はよくしてました。

喫茶店のシーンのお2人の掛け合いは、面白いけどハラハラさせられて、本当に絶妙でした。

小芝:タイムリミットがあと数時間に迫っているシーンなので、緊張感は無くさないように、でも緊張感を出しすぎると会話の面白さがなくなってしまうので、その間をどう上手に表現できるかっていうのはすごく意識しました。

作品の中で、文華は「呪いなんてあり得ない」と断言しているのに対し、王司は呪いの存在を信じていますが、お2人はいかがですか?

小芝:私はめっちゃ信じています。ぜったい解明しようと思わない、「ああもうだめだ、死んじゃうんだ!」って絶望しちゃいます。文華と真逆で、王司タイプですね。

呪いの方程式には挑戦されないんですか?

小芝:「方程式なんて解けない!だって貞子そこに来てるもん!」ってなります(笑)

川村さんはいかがですか?

川村:僕は何か見えたこともないし、そんなに怖いとかも思わないんですけど、死んだ後はどうなるんだろうって興味はありますね。だから一概に信じていないわけでもなくて。例えば今まで生きてきた中でも、「あれ、今じいちゃんが守ってくれてたのかな」って思った瞬間もあったし、目には見えてないけど、じいちゃんがいるようなあたたかさを感じたことはあったので。霊感があるとかっていうわけではないけど、そういう経験はありますね。

不思議な力とか、そういうものに守られているのを感じたご経験があるんですね。ちなみに、撮影の現場では、何か起こったりはしませんでしたか?

小芝:怪奇現象が起きることもなく、普通に楽しい現場でしたね。廃病院などで撮影してたらまた違ったのかもしれないですけど、今作はそういう場所での撮影がなかったので。むしろ和気あいあいとしすぎて、ホラーを撮っている感覚もないくらいでした。

川村:そうそう、「これ、ほんまにホラー撮ってるんやんな?」っていう話はよくしてました。

ということは、現場はわりと賑やかな感じだったんですか?

川村:休憩中は走りまわって、2人で鬼ごっことかしてましたね。ストーブのあるところと、撮影している現場の間だけしか動けない鬼ごっこ。現場の立ち位置に立ったらもうタッチできなくなるっていう謎ルールを作って。

小芝:全然かわいくない、本気の鬼ごっこでしたね(笑)。全力で走ってフェイントをかけて逃げたりしてたら、マネージャーさんに怒られました。

すごい、わいわい楽しそうな現場ですね。

小芝:まわりの大人たちは疲れてたかもしれないですね(笑)。撮影自体はとてもハードだったので。ここ2人だけ小学生に戻ってました。

思い出の場所は、大和川。飼っていたワンちゃんの散歩によく行きました(小芝)
僕は、天王寺のアポロビルとかルシアスとか、あの辺はよく遊びに行ってましたね(川村)

お2人は生まれ年が同じで、出身地も大阪という共通点がありますが、撮影中は地元トークで盛り上がったりされましたか?

川村:地元トークというより、ゲームの話で盛り上がりましたね。

小芝:同世代すぎて、子供の頃にやっていたポケモンのゲームが同じだったんです。ちょうどリメイク版が出たところで、図鑑を埋めるのを手伝ってもらったり(笑)。最終的には、寝転がってスイッチをやったりしていたので、メイクさんには、小学生の休み時間か!って言われました。

もう地元の友達みたいな感じですね。お2人は今回が初めての共演ですよね?

川村:そうですね、初対面で。

小芝:撮影前のお祓いで初めて会ったんですよね。そのときは帽子を深くかぶって1人でいらっしゃったので、すごい人見知りなんだろうなっていう印象がありました。でも、お祓いでいろんな面白ハプニングがあったおかげでいろいろ話すようになって、次に撮影で会ったときは割とスムーズに入れましたね。

お2人でお話になるときは、関西弁になったりしますか?

川村:なりますね。休憩中とかはずっと関西弁だった気がします。

大阪に住んでおられたときの思い出の場所や、エピソードなどがあれば、お聞かせいただけますか?

小芝:思い出の場所は、大和川かな。堺市堺区の出身なんですけど、実家にいるときにワンちゃんをずっと飼ってたので、その散歩によく行ってました。でも小学校3年生でフィギュアスケートを始めてからは、どこかに遊びに行くということがあまりなくて。朝リンクに行って練習して、そのまま学校に行って、放課後はまたリンクに戻って……っていう生活だったので、ほぼ家とリンクの往復でした。

川村:僕は阿倍野区出身なので、天王寺のアポロビルとかルシアスとか、あの辺はよく遊びに行ってましたね。ゲーセンに行ったり、映画を観に行ったり。あとは、難波とか千日前とか、心斎橋にもよく行きましたね。

川村さんが大阪にいらっしゃった頃は、ちょうど阿倍野の再開発の頃ですか?

川村:あべのハルカスとか、あべのキューズモールができたぐらいですね。地元に久しぶりに帰ったら風景が変わってて、友達に聞いたら「あの店もうないで」って言われてマジか!みたいなことはありました。

今でも地元に帰られることはありますか?

川村:僕は今日帰ります。明日の昼過ぎには東京に戻るので、一瞬ですけど。

小芝:いいなあ。私はお仕事で帰ってきた時に祖父母の家に顔を出したりとかはありますが、プライベートでゆっくり帰れることはあまりないですね。

ホラー映画ですが、家族や友達同士で楽しく見てもらえると思います(川村)
この作品はぜひ劇場で、絶対にエンドロールの最後まで見てほしいです!(小芝)

これから演じてみたい役柄や、挑戦したいことがありましたら、お聞かせください。

小芝:お芝居が一番好きなので、いろいろな役柄、作品に挑戦したいという思いが強いですね。今までわりと明るい、陽な役が多かったので、重い役とか怖い役とか、ちょっとダーク寄りな役柄を演じてみたいなっていう願望はあります。

川村:僕はそれこそサイコパスみたいな、見ている人が「この人嫌い」ってなってもいいから、ゾッとするような役にも挑戦したいですね。刑事の役とか、野球も好きだからエースの役とか、やりたい役はいろいろあります。
アーティストの部分で言うと、グループ活動としてドームとかスタジアムにも立ちたいし、いつかはソロという夢もあります。でも、目の前にあることを丁寧にやっていかないとそこにはたどり着けないと思うので、まずは地に足をつけて、一歩一歩やってくことが目標ですね。

川村さんは役者とアーティストで、仕事に臨むときの気持ちなどは変わりますか?

川村:役者もグループ活動も、どれも自分っていう感覚ですね。空手を11年続けていたこともあって、どんな時でも、自分の実力が全てという気持ちがあります。グループの時はみんなの存在があって心強いですし、こうやって外に出て一人の仕事をさせてもらえるのもすごくありがたいなって思います。

では最後に、『貞子DX』の見どころや、これは伝えたい!という部分を教えてください。

小芝:呪いのタイムリミットが24時間に短縮されて、それがSNSですごい勢いで拡散されていく恐怖感は、とても現代的で今の時代ともリンクしているので、共感していただけると思います。文華と王司の掛け合いはポップなので、ホラーが苦手な方にもきっと楽しんでもらえると思います。

川村:本当に、ホラー映画ですが、楽しい感じで観てもらえると思います。グループのメンバーも試写を観てくれたんですけど、すごくホラーが苦手なメンバーも楽しんでくれたので安心しました。2人の掛け合いも、自分で見てもすごく面白くなっていると思います。ご家族や友達同士でも楽しめる作品なので、ぜひ劇場で観ていただきたいですね。

小芝:そうですね、劇場で、絶対にエンドロールの最後まで観てほしいです!

川村:実は僕たちも試写会で観てびっくりしたんですけど、会場が明るくなるまで席を立たずに、最後まで観てもらえたら嬉しいです。


<小芝風花さんお気に入りのスポット>

臨海スポーツセンター(大阪府高石市)
フィギュアスケートの練習に通っていた思い出の場所。これからウィンタースポーツシーズンなので、ぜひスケートを楽しんでください!

<川村壱馬さんお気に入りのエリア>

天王寺駅前エリア
あべのルシアス、アポロビル、天王寺ミオ。子供の頃はあべのベルタ付近に住んでいたので、この辺一帯は思い出がたくさんあります。


『貞子DX』10月28日(金)よりTOHOシネマズ梅田 ほか全国ロードショー

■ストーリー

“呪いのビデオ”を見た人が24時間後に突然死するという事件が全国各地で発生。
IQ200の大学院生・一条文華(小芝風花)は、TV番組で共演した人気霊媒師のKenshin(池内博之)から謎の解明を挑まれる。呪いがSNSで拡散すれば人類滅亡と主張するKenshinに対し、「呪いなんてあり得ない」と断言する文華だったが、興味本位でビデオを見てしまった妹の双葉から一本の電話がかかってくる。
「お姉ちゃん助けて。あれからずっと白い服の人につけられてて……」
文華は「すべては科学的に説明可能」と、自称占い師の前田王司(川村壱馬)、謎の協力者・感電ロイド(黒羽麻璃央)とともに、<呪いの方程式>を解き明かすべく奔走する。
しかし24時間のタイムリミットが迫る中、仮説は次々と打ち砕かれ――。

■キャスト

小芝風花
川村壱馬(THE RAMPAGE) 黒羽麻璃央 八木優希 渡辺裕之
西田尚美 池内博之

■キャストプロフィール

一条文華/IQ200の天才大学院生
小芝風花
1997年4月16日生まれ、大阪府出身。2011年「ガールズオーディション2011」でグランプリ受賞。翌年、ドラマ「息もできない夏」 (CX) でデビュー。2014年には映画『魔女の宅急便』で主人公のキキを演じ第57回ブルーリボン賞新人賞、第24回日本映画批評家大賞新人賞に輝く。ドラマ、映画、ラジオ、舞台、CMなど幅広く活躍を続け、2022年はドラマ「妖怪シェアハウスー帰ってきたん怪ー」(22/EX)、映画『妖怪シェアハウスー白馬の王子様じゃないん怪ー』(22)で主演を務める。現在放送中の⽇本テレビ⽇曜ドラマ「霊媒探偵・城塚翡翠」に千和崎真役で出演中。

前田王司/自称“王子様”占い師
川村壱馬
1997年1月7日生まれ、大阪府出身。2014年に開催された「VOCAL BATTLE AUDITION 4」を経て、THE RAMPAGEのメンバーに選出、ボーカルを務める。2017年1月、1st SINGLE「Lightning」でメジャーデビューを果たす。その後、俳優業にも活動の幅を広げ、『HiGH&LOW THE WORST』(19)に出演。HiGH&LOWシリーズ最新作『HiGH&LOW THE WORST X』(22)が公開中。

■スタッフ

監督:木村ひさし
脚本:高橋悠也 音楽:遠藤浩二
世界観監修:鈴木光司

製作:『貞子DX』製作委員会 
配給・制作:KADOKAWA
©2022『貞子DX』製作委員会

映画公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/sadako-movie/
Twitter:@sadako3d
TikTok:@sadako_kadokawa

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