ヴィンテージの武骨さと色気を両立した最高にクールなスタイル。<A PUZZLING HOME>のデザイナー・松久保翔太さんの服作り。
異なるジャンルの服を1つのテーマに落とし込むのが好き。今後は、シンプルだけど<A PUZZLING HOME>らしいと言ってもらえる服を作ってみたい。
今日は大切にしている本や古着も持ってきていただきました。まずは本の話から聞かせてください。
70年代のアメリカのパンクの人を集めたスタイルブックです。イギリスのパンクって大体同じで、革ジャンに細身のチェックパンツ、足元はジョージコックス、髪型はモヒカンっていうスタイルが確立されてるんですよ。それに対して、この年代のアメリカのパンクはまだスタイルが確立されてないから、全然違うジャンルの服をパンクっぽく見せるのが上手いんです。ヒッピー系の革ジャンをパンクっぽく着こなすとか。僕はジャンルごちゃ混ぜのスタイルが好きなんで、悩んだらよくこのスタイルブックを眺めています。
僕は取扱店のスタッフさんともコミュニケーションを取るようにしていて。県外の受注会にもできるだけ足を運んで、そこに来る若い子たちのファッションは絶対チェックします。やっぱり若い世代のファッションへの熱量ってすごいから、こういう子たちに気に入ってもらわなあかんって自分にプレッシャーをかけつつ、たくさん刺激をもらっています。
なるほど。今後のお客さんでもありますもんね。古着のお話も聞かせてほしいです。
アイコンアイテムの刺繍ジャケットは、このヴィンテージジャケットから着想を得て作りました。古着を参考にすることも多いので、自分が着ていたヴィンテージは大切に取っています。
ちなみに今日バイクの話がたくさん出ましたが、実際に乗ってらっしゃるんですか?
めっちゃ好きやけどあんまり乗ってなくて。もちろん家にはあるんですが、長らく乗れてないのでエンジンかかるんかなって心配です(笑)
今でも古着屋さんに行かれるんですか?
服作りに悩んだら『ジャイアントベイビー』に行きます。今って情報量が多すぎて悩むとキリがないので、『ジャイアントベイビー』で自分が本当に好きなものを再確認しています。
やっぱり『ジャイアントベイビー』が松久保さんの原点なんですね。最後に、今後の展望を教えてください。
革を縫えるミシンを買ったので、革ジャンを自分で作ろうかなと。これまで革ジャンは外注してたんですが、次から自分で縫おうと考えています。そこにかかってるゼブラ柄のジャケットが、仲良くしている取扱店の別注アイテムなんですが、店ごとのコラボももっとやっていきたいなと。付き合いの長いお店も増えてきたので、そこでしか買えないスペシャルなアイテムを作ってみてもいいのかなと思っています。
あと、今はパンチのあるデザインのアイテムが多いので、シンプルだけどブランドの色が出たカッコいいものを作れるようになりたいです。自分自身も年齢を重ねて気分が変わっていく中で、それを上手に反映できたらいいなと。 着る人と一緒に成長できるブランドになればいいですね。
<松久保さんのお気に入りスポット>
粋酔(大阪市西区土佐堀)
以前ブランドのモデルをお願いしていた子が最近オープンした鉄板居酒屋。野菜を使った料理がめちゃくちゃおいしいです。
淡路屋(大阪府東大阪市足代新町)
昭和の世界にタイプスリップしたような気持ちになれる渋い居酒屋。布施に来た際はぜひ行ってみてほしいです。
松久保 翔太
東大阪市出身、1990年生まれ。ファッションデザイナー。バンタンデザイン研究所を卒業後、バイトをしながらフリーの縫製の仕事をするようになり、2014年に自身のブランド<A PUZZLING HOME>を立ち上げ。現在は大阪、富山、香川など全国10店舗以上で取扱いあり。代表作の刺繍ジャケットは、九条ジョー×イーグル野村のファッションシューティングでも着用。
ブランドIG:@apuzzlinghome