書道アーティストにDJ、モデル……6つの顔を持つ男の娘 義朗くんが、こんなにも美しいワケって?
「かっこいい大人から興味を持ってもらえる人間になりたい」“きれい”でいるために意識していること
義朗さんも落ち込むことってあるんですか?
めちゃくちゃありますよ。負けず嫌いなので、例えば目の前に自分より顔が小さくて、外見もきれいな人がいたら、「負けちゃったな」って落ち込みます。思ったことがすぐ顔に出るので、周りから見てもわかると思いますよ(笑)。
そういうときはどうやって立ち直るんですか?
家に帰ります。それからちょっと頭を冷やして考えてみるんです。すると自分の場合、容姿以外にもさっき話したようないろんな顔があるので、「確かにルックスは負けてるかもしらんけど、あの人より自分の方が字はうまいよな」って自分を励ますんです。そうしたらあとは寝て忘れます(笑)。
切り替えが早いんですね。
友人からは「喜怒哀楽のサイクルが早い」と言われたりもしますね。私自身、感情を素直に出す人がすごく好きなので、自分もそうありたいと思ってます。
それはどうしてですか?
他人に対して自分をさらけ出せる大人をかっこいいなと思うからです。もちろん見た目のきれいさは大事ですし、わたしもすごくこだわってます。鏡もめちゃくちゃ見ますし、他人のことも観察します。でもそういう時に見てるのって、お化粧とかの見た目だけじゃなくて、表情の作り方とか、目の置き方とか、身振り手振り、話し声のトーン―――その人の内面がにじみ出る部分なんです。
外見だけじゃなくて、内面も“きれい”を意識している?
そこに自分の美学がありますね。5年前はきれいだとかどうかというより、ただひたすら「どうやったら目立てるか?」を考えていました。とにかく外見を見てほしかった。でも今は、自分がかっこいいと思う大人から、内面に興味を持ってもらえるような人間になりたいって思ってます。
「YouTubeを始めてからめちゃくちゃ生きやすくなった」ファンを作るために打った“賭け”とは?
2020年の4月からYouTubeを始めたのは、なにか理由があるんですか?
人として中身を好きになってもらうために始めました。わたしのインスタって、基本的に「カッコいい」が軸にあるので、つんとした感じであまり笑わないんです。でも、あれは自分の中の「理想の嘘」。YouTubeはその理想を崩して「実際に喋ってみたらこんな感じだよ、どう?」ってフォロワーに問いかけるためのものなんです。
結果はどうでしたか?
YouTubeを始めてからめちゃくちゃ生きやすくなりました。「インスタ見てます」って言ってくれる人にカッコつけなくてよくなりましたし、フォロワーというよりファンが増えて、インスタのDMでもすごく丁寧な文面で質問をしてくださる方も多くなりました。「これが自分の求めてた人たちだ~」って思いましたね。
一方で、以前はしょっちゅう来ていた「それどこに売ってるん?」みたいなDMは来なくなりました。
予想通りの結果だった?
いえ、正直なところ賭けでした。フォロワーの人たちからしたら、もっとぶっきらぼうな感じの方がイメージ通りだったと思います。実際、YouTubeを始めた途端にインスタのフォロワーは300人減りましたし。「イメージと違う」って思った人が離れていったんでしょうね。でもそっちの方が良くないですか?
「ありのままの田中義朗についてこられる奴だけついてこい!」みたいな?
こっわ(笑)。そんな強気じゃないですよ~。「 アゲェ〜↑好きな人だけついてきてえ~!」って感じです(笑)。自分らしく生きて、楽しく過ごすのが一番。気持ちよく生きてたいですね。
田中 義朗
ヴィンテージ・セレクトのアパレルショップ「Chikashitsu +(plus)」マネージャー/バイヤーにして、カリグラファーやDJ、モデル、YouTuber「YUNITY (ユニティ)」としても活動する男の娘。なにものにも囚われない自由な表現者。