Interview & Writing
羯磨 雅史

間借りスタイル、ヤドカリスタイル。
どこかのお店の一角、ないしフロアを借りて展開するお店のこと。飲食系だと現在では珍しくはないけど、アパレル。それも、古着屋としてそのスタイルを貫いているポップアッパー『デリシャスストア』の満田さん。 昔と比べ、年を追うごとに古着の解釈が変化していている現在。今回紹介するこのショップは、おとなの古着好きこそ唸る、ヴィンテージ古着のみにフォーカスした期間限定ショップです。自身の拠点となる店を持たず展開される、その“美味しさ”に迫るべく、主催する満田さんに会ってきました。ヴィンテージ古着と言えど、ヴィンテージならなんでもアリではなくきちんと線引きされたラインナップに注目です。

4年目を迎えた神出鬼没のポップアップスタイル。

写真は、昨年9月に開催された“Delicious Store VOL.9”のものです。

ポップアップスタイルの古着屋ですが今回で何回目ですか?

今回でちょうど10回目ですね。2017年の夏に初めて自分のショップ、って言うてええんかな、を始めて。知人のアトリエを借りて『デリシャスストア』をやったのが1回目ですね。

自分もそのポップアップに行きましたが、たしか心斎橋でしたね。

そうですね。グラフィティアーティストのkurryさんのアトリエが当時、東心斎橋の雑居ビルにあって。自分はそれまで古着の卸の仕事をしてたんですが、自分的に「これめっちゃええやん」っていう古着があったら卸したくなくて(笑)。で、どんどん自分が持っておきたい古着が溜まってきてたんですよ。「これどないかせなあかんな」って。自宅が倉庫兼オフィスみたいな感じなんですけど、生活に支障あるくらい溜まってて(笑) 「売りたくないけど、手放さなあかんなぁー、どないかせなアカンなぁー」。で自分で店やったらどうやろ?って思って。どっか借りてやろかなーって話を元々仲の良かったkurryさんにしたら「ウチでやったらええやん」って言ってくれて。で、kurryさんのアトリエを貸してもらってやったのがデリシャスストアの始まりでしたね。

記念すべき1回目はどうでした?

SNSのみの告知だったんですが、知人中心に、初めましてな方にも結構来てもらえたんですよ。「エエもんめっちゃあるやん」とか「次どこでやんの」みたいな感じで面白がってくれて。初回が終わってしばらくしたら「ウチでやりません?」ってオファーもらったり。

それ以降はどこでポップアップしました?

豊崎の『BOTTLES』さんの2階のアトリエスペースだったり、今回もやらせて頂く堀江のセレクトショップ『WISM』さん。あとは梅田の百貨店や、京都の大手セレクトショップさん、去年の秋には滋賀県草津市のショップ『doo bop』さんにも呼んでいただきましたね。

自分の好きな物で、ちゃんと“説明”できるものを。

古着のなかでもウンチクだらけのデニム。
いまや貴重な1950年代のXXから、後染めされたブーツカットの517など、リーバイスを中心にラインナップ

置いてるもん、見事にヴィンテージばっかりですよね。

70~80年代のスケート物とか、オールドのステューシー、パタゴニアだったり。古着、特にヴィンテージって背景を知れば知るほど面白いんですよね。それをちゃんと理解して説明して、っていう売り方をしたくて。
いまの空気感に合わせて「これやったら売れる」じゃなくて、「自分が売りたい物を置いてる」って感じですね。ヴィンテージを全く知らない人に対してもきちんと説明して、見た目だけじゃなくバックボーンに興味を持ってもらいたいっていうのもあるし。

ちゃんと説明して売るって、極端に言うといまっぽくないけど、現代に必要なことやと思います。

コレってこうやからいいんですよ、とか。古い男特有のウンチク気質なんで(笑)。そもそも自分が10代の時に、ヴィンテージってこんな歴史があるんや、だから格好いいんや、って本とか友達、先輩から教えてもらって。もちろん他人とカブりたくないからっていうのもあって古着が好きやし。
そういう思いを古着に馴染みの無いひとにも伝えていきたいな、と思ってますね。

そもそも、ポップアップスタイルにこだわるのはなぜですか?

仕入れと販売の時期を分けたいのが一番の理由です。さっきも言ったけど、お客さんにちゃんと説明できるものしか置いてないし、それ以外は置きたくない。ってなると、自分ひとりで動かないといけないですし。自分ひとりで店頭で販売しながら仕入れするのなんて絶対無理やしね。なので、良いものが集まったらポップアップして、っていうのが自分的には合ってるんかなー、って感じでやってたら、もう10回目ですね(笑)。ありがたいことに。

古いステューシーと、変なパタゴニア。置いてある物のほぼすべてがアメリカ製。

90年代を中心としたステューシーのコーナー。大人には懐かしく、ユースたちには新鮮に映るはず

デリシャスストアといえば、なモノって?

ウチでは定番ブランドなんですけど、<ステューシー>ですね。ブランド設立された1980年〜90年代前半のオールド ステューシーから、2000年くらいまでのアメリカ製。自分的にそのあたりまでのステューシーが好きやったんで集めてますね。

ほかにオススメは?

パタゴニアの2000年くらいまでの変なやつ(笑)。モデル名も分からんようなのとか。変わったデザインで「なにこれ?」な珍品メインでピックしてます。

それ以外に多く集めてるのが1950〜80年代のデニムですね。レディースサイズも多いし。

デッドストックの生地を使用した、バッグにもなる2WAY仕様のエプロンをはじめオリジナルも少数展開する

今回のポップアップに対して意気込みをお願いします。

1回目から今までまったくスタイルは変わってなくて、回を重ねるごとに「デリシャスストアらしい」て言って頂けてて。自分の好きなものに反応してもらえるのが、嬉しい。今回も「満田っぽい」て言われるようなものばっかり集めてます。 ありがたいことに、WISM堀江店さんでは3回目のポップアップになりますが、面白いものに出会えるラインナップになっていると思いますね。


今回のポップアップにラインナップするアイテムの一部をご紹介します
(価格は店頭にてご確認ください)

Old Patagonia DAS PARKA Pop Orange & Gekko Green
1960’s Vintage Open collar Shirt
1980’s Converse All Star Canvas Hi Black Platform
1990’s Made in USA Old Stussy 2nd Style Denim
1990’s Old Patagonia Duckbill Mesh & Freece Cap
Profile

満田 啓介

滋賀県・東近江市出身。アメ村を中心に堀江や東京にも展開していた古着屋で9年間経験を積み、独立。古着卸業などを経て2017年に『デリシャスストア』を初開催。また、こちらも隠れファンの多いスパイスカレーのポップアップ「世界カレー」も不定期で開催している。

2月6日(土)〜14日(日)
「Delicious Store VOL.10」 at WISM HORIE
大阪市西区南堀江1-9-7
営業時間/11:30〜20:00

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