「“カラダ半分”がちょうどいい」。数々のイベントを仕掛ける<爆発メルヘンCity>の川村真純さんってどんな人?


<爆発メルヘンCity>結成のきっかけは、お酒を飲んで偶然生まれたノリ!私の周りでは、大抵のことは雑談や飲みの席で決まります(笑)

次に、<爆発メルヘンCity>をスタートしたきっかけを教えてください。

一応“三姉妹ユニット”として<爆発メルヘンCity>は活動しています。だけど、長女のチカさんは『AHSO』がある宝塚の清荒神で『シチニア食堂』というお店をしていて、三女のシェリーちゃんは海外に住んでいるんです。物理的にみんなで集まったり店番をしたりするのが難しくて、最近は次女の私がイベンターを進めることが多いですね。

最初にイベントをすることになったのは、『シチニア食堂』さんで開催されたおおくぼひでたかさんのワークショップの時に、3人でお酒を飲みながら話した流れとノリです。もともと<爆発メルヘンCity>は2018年に3人で主催したイベント名で、1人ずつ好きなアーティスト呼んで、そのアーティストに関するワードを持ち寄ってイベントの名前にしたんです。長女のチカさんは<tobaccojuice(松本敏将・おおくぼひでたか)>さんを、私は<Hei Tanaka>さんを、三女のシェリーちゃんは<シャムキャッツ>さんを呼びたくて。<シャムキャッツ>さんのスケジュールが合わなかったので、結局<Hei Tanaka>さんがよく使われている「爆発」というワードと、<tobaccojuice>さんの楽曲「幻メルヘンシティー」を組み合わせて、<爆発メルヘンCity>になりました。好きなアーティストさんをたくさん呼んでいたら、めちゃくちゃ豪華なイベントになってしまって。ド平日の昼間から神戸のグッゲンハイム邸でやったんですけど、東京の人たちばっかり呼んでそんな日程でやるなんて、今だと絶対できないですね(笑)

初めてイベントをした時に作ったという貴重なフライヤー。豪華なメンバーが揃っています。

イベントはどんな感じで決まって進めていくんですか?

もちろん三姉妹で<爆発メルヘンCity>だし、グループLINEもありますが、企画を持ってきた人が責任者として動いています。各々自分の仕事もあって忙しいので、「手伝えそうやったら来てね」っていうスタイル。阪急百貨店で定期的にやっているポップアップ&DJイベントもそんな感じですね。

なんか大人な関係ですね。それぞれが独立しているというか。

三女のシェリーちゃんは海外にいますしね。帰ってきたら「三女の乱」っていう企画をしようという話はしています。

阪急百貨店でのDJイベントは、どういった流れで決まったんですか?

10階の「うめだスーク」で、私のアクセサリーブランド<MOJOme.>で出店させていただいた時に、バイヤーさんから「この壁を好きにディスプレイしていいよ」って言われて。最初は困ったんですけど、主人が<ヅカデン>という名前で電子工作をしているので、喋って動く装飾を作ってもらったんです。それを見た他のバイヤーさんが<ヅカデン>に興味を持ってくれて、「私、音楽イベントの企画もしていて」という話をしたら、「『爆発メルヘンCity』のポップアップストアをやってみませんか?」と企画を持ってきてくれた人がいて。<爆発メルヘンCity>のイベントは音楽がないと成り立たないから、音楽をかけながら実施できるタイミングを相談して、今は年末年始の恒例行事になりました。

百貨店でDJイベントってかなり攻めてますよね。

最初は、「百貨店ディスコ」という名前でDJのワークショップをする体にしたんです。最初は音を気にしていましたが、周りのブースの出展者さんも一緒に楽しんでいただきながら開催できています。バイヤーさんが優しい方なので、ちょっとずつ音量が上がっていっちゃって……(笑)。おもしろいことが好きなバイヤーさんに毎回助けられていますね。

アクセサリー作家としての活動が<爆発メルヘンCity>のイベントにも繋がっているんですね。そんな中で宝塚の清荒神にイベントスペースを構えたのはどうしてですか?

イベントスペース『AHSO』は、昨年9月20日にオープンしました。私自身、もう8年くらい宝塚に住んでいて、そろそろ近くに<ヅカデン>のアトリエがほしいという思いもあったんです。ここは<爆発メルヘンCity>の一員でもあるチカさんが営む『シチニア食堂』の跡地でもあって、近くに移転するタイミングで場所を借りることになりました。<ヅカデン>のメンバーはサラリーマンだったり遠方に住んでいたり、夜の10時以降にみんなで集まることが多いので、昼間の時間帯を使って写真展やポップアップをしています。

街を巻き込んだイベントも企画されていますが、『シチニア食堂』さんや他のお店さんとは、以前から交流があったんですか?

久しぶりに再会した友人に、「宝塚に美味しいごはんやさんがあるよ」と連れて行ってもらったことがきっかけです。私もよく遊びに行く野外フェスやイベントに、『シチニア食堂』さんも出店されていることが多くて、その繋がりで仲良くなったんです。ある時、『シチニア食堂』のチカさんに「宝塚のクリスマス会においで」って誘われて、淡路島の地酒の一升瓶を抱えて行ってみたんです。そしたら知ってる人が誰もいなくて、ドアを開けたら「誰?」って言われました(笑)。だけど「『シチニア食堂』さんに紹介してもらって来ました」って言うとすんなり受け入れてくれて、そこから宝塚に住んでいる方とも仲良くなりました。そういう場でもなんとなくいけてしまうから、色んな繋がりができているのもあるのかもしれませんね。

以前は飲食店だったということもあり、キッチンスペースは広々!「今後は飲食系のイベントもできたらいいですね」

『AHSO』を構えたのは、この地域を盛り上げたいという想いがあったからですか?

「私が盛り上げてやる!」みたいな気持ちは正直ないんです。このエリアに住んでいる人が『AHSO』の前を結構通るので、日常を過ごす中でそういう方がほっこりできるスペースになればいいなと思っています。それもあって、先日店の前にあったブロック塀を壊してウッドデッキを作りました。

近所のおばちゃんたちがコーヒー飲みながらぺちゃくちゃ喋って、気づいたらおらへんみたいな、ご近所さんの休憩所になったらいいですね。入り口に掲示板も作っているので、公民館的なイメージでお知らせを貼ってもらえたらなと思っています。“盛り上げたい”という熱意って、絶対誰か置いてけぼりになる人がいると思うんです。『AHSO』がこのエリア活性化のスパイスになって、“実はちょっと底上げしていた”くらいが理想ですね。

すごくゆったりしたくなる空間で、私も通いたくなりました。清荒神にお住まいの人が羨ましくなりますね。

このエリアはすごくおもしろいんですよ。清荒神清澄寺があるので昔ながらの参道があるんですが、今は新しいお店も増えて新旧が入り混じった街になっているんです。ここでは大抵のことは雑談や飲みの席で決まります(笑)

真純さんを見ているとわかるような気がします。『AHSO』ではどれくらいのペースで展示をしてるんですか?

毎週決まってやっているわけではないんです。「こんなことやりたいよね」という会話から始まるので、1週間展示する場合もあるし、1カ月古着屋さんになったり、週末1日だけのイベントもあったり。その場の話の流れで決めるので、期間もイベントの内容もバラバラですね。

各所に飾られたぬいぐるみや木彫りのクマがかわいい。オリジナルスリッパには『AHSO』のロゴが!
(左)『AHSO』の前に設置したばかりの掲示板。(右)最近完成したという、木漏れ日が心地いいウッドデッキ。
その場の会話や「一緒にやろうぜ!」という熱量から生まれる化学反応を大事にしたい。“カラダ半分”なスタイルが、私にはちょうどいいんです。
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Profile

川村 真純

淡路島出身。三姉妹ユニット<爆発メルヘン City>の次女であり、<MOJOme.>のアクセサリー作家としての顔も持つ。昨年9月に電子工作クルー<ヅカデン>と共に、宝塚の清荒神にて体感型アートギャラリー『AHSO』をオープンし、様々なイベントを実施。酒場が大好きで、お気に入りは本町『カジノバ』と心斎橋PARCO『TANK酒場』。

Profile

爆発メルヘンCity

2018年スタートした3姉妹ユニット。百貨店や野外フェスを中心に、音楽を絡めたマーケットイベントなどを仕掛ける。お酒を飲みながら、音楽を聴きながら、踊り狂いながら(?!)お買い物できるイベントを企画。

Shop Data

AHSO

宝塚市清荒神3-6-27
営業時間/11:00〜17:00(ライブ・夜営業〜22:00)
定休日/月曜・不定休

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