京町堀がアートに染まる!街をあげてのアートフェア「メタセコイア」に潜入。
靱公園に面した大阪市西区京町堀は、デザイン事務所やWEB制作会社が多いエリア。この市内有数のクリエイティブエリアを舞台に、街ぐるみでアーティストを応援するアートフェアが開催されています。その名も「メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェア2022」。靱公園にあるメタセコイアの木のように、一歩抜きん出た才能を見つけ出そうという気概をこめて命名されました。455通もの応募作品の中から選ばれた27組の作品が期間中に展示されるということで、6月18日(土)に開催された関係者向けギャラリーツアー&レセプションパーティーにお邪魔してきました!私が気になった作品・アーティストさんもご紹介します!!
街がまるごとギャラリーに!5会場を巡るツアーに出発。
ギャラリーツアーの集合場所は、アートフェア実行委員会の拠点でもある『chignitta space(チグニッタ スペース)』。このツアーでは全会場5カ所をめぐり、在廊しているアーティスト自身が作品を紹介してくれます。
『chignitta space』で気になったのは、小木曽ウェイツ恭子さん。事前にメタセコイア公式サイトをチェックしていて、「実際には会ったこともない、実在の老婦人」をテーマに描いているという一文に惹かれ、作品を見るのを楽しみにしていました。実際の作品は想像よりも大きくて、静かだけどドラマチック。私もうっすら自分の老後を想像しました。この老婦人は小木曽さんの義妹さんがロンドンで購入した家の前居住者とのことで、“ロンドンの老婦人”という距離感がいいなと思いました。現実的すぎず、想像する余地がたくさんあります。
続いては、『飛行船スタイル』へ。こちらでは企画展として、寺田順三さん、BYTHREEのアートディレクションによる、二つのメタセコイアコラボ・アートポスター展が開催されています。
審査員の一人でもあるイラストレーター寺田順三さんのポスターは、6名のイラストレーターの作品を使ったもの。「イラストの最終形態は印刷物やと思うので、応募状態では絵の良さが伝わらない人も多いんじゃないかなと思って」と、寺田さん自らが6名をセレクトし、デザインしたそうです。
では、次の会場へ。デザイン会社『BYTHREE』1Fの大空間に、絵画から立体まで多様なアート作品が並びます。
ここで気になったのは、黒岩まゆさんの作品。実は写真ではそんなにピンと来なかったのですが、生で見たらすごかった!立体物はやっぱり生で見ないとわからないなと思いました。いろいろな布(布が好きで、着物の古着、骨董市で買った古着の着物とか、自分が着ていた服とかを使いました、とご説明されていました)を使った仁王像で、近くで見るとすごい手が込んでいて細やかで、布への愛があふれていました。像のお顔もかわいいんですよ。あと、昔の着物とかって、長く使うようにできているんだなあ…とも思いました。
今度は、『neji』に移動。靭公園沿いにある居心地の良いカフェ・ギャラリーで、こちらにはイラスト・写真の作品が壁面に飾られています。
こちらで気になったのは、前田豆コさん。事前にチェックした公式サイトでもいいなと思っていた方で、実際の作品もすごく良かった!!このむぎゅっとした感じ。ご自身がバレエで身体表現をされていた方だからなのか、シンプルな線だけど、たまらなくむぎゅっとしていて好きです。
だんだん人数が増えているような気がするギャラリーツアー。最後の会場は『 JIKAN<space> 』です。映像デザインスタジオ JIKAN design運営の「感覚の拡張と交流の場」で、メタセコイアではインスタレーション、写真、絵画、NFTアートが展示されています。
ここでひときわ目を引いたのは、ノガミカツキさんの作品。実は今回見るのを一番楽しみにしていた作家さんです。自分の顔を石や葉っぱにプリントしている作品。自分の表面をコピーするような感覚……だそうです。どれが本当の自分なの?みたいな感覚ってみんなあると思うんですけど、その感じをこういうふうに表現するんだなと思いながら見ていました。