淀川区に巨大壁画が出現!仕掛け人BAKIBAKIさんが描く、2025年大阪・関西万博に向けた「淀壁構想」とは。
2025年の万博に向けて、個人のアーティストが何か起こせそうなタイミングやムードを感じるんですよ。
『淀壁2021』を振り返っていかがですか?
淀壁というアクションを起こして、スタジオの中で描いていたものを外に出したことで、社会との接点がもろに身に沁みました。でもそのおかげで、メディアやまちの人から反響をもらえた。勇気を出して、労力をかけて、外に出て良かったっていう実感はありますね。クラファンでもたくさん応援をいただいたんですけど、それって関わってくれる人が増えたってことやから、それもありがたいなと思いますね。作品についても、僕ら絵描きは、描いたものでしか評価されないじゃないですか。クオリティの低いものを出しても、次にはつながらない。その点で淀壁は、アーティストみんながお金じゃないところの熱量で、これだけクオリティの高いものを残してくれたことに本当に感謝しています。
次の仕掛けは何か考えておられますか?
2025年の大阪・関西万博に向けて淀壁を増やしていきたいですね。これまで国内外で出会ったアーティストを、自分のエリアに呼んで作品を残してもらいたいなと思ってます。それこそ淀壁が20とか30になったら、ひとつのまちが変わりかねない状況になると思うんです。『淀壁2021』のあとに、すべての壁画を見てまわるバスツアーをやったんですけど、これ、すごくいいなと思って。海外で美術館のツアーとかあるじゃないですか。あれのまち版みたいな。淀川区全体が美術館みたいな感じになって、壁画を見て回れるまちになったら最高ですね。
2025年の大阪・関西万博がひとつの目標なんですね。
個人のアーティストが何か起こせそうなタイミングやムードを感じるんですよ。だから、ここ5年はがんばりたいですね。メイン会場の夢洲とか舞洲に寄せてやるんじゃなくて、手の届く範囲で、自分たちで万博に向けて盛り上げていくっていうのが大事にしたいところです。5年後にピークを持ってこれるように、少しずつ丁寧に積み上げていきたいですね。
淀壁プロジェクトは万博に向けて続いていくと。
そうそう、続けていくことがテーマ。一回バーンとやって終わりではダメなんです。このエリアがヒップなまちというか、アーティストが住みたいまちになるまでは、続けていきたいと思ってます。壁画は目で見えるし残せるから、直接的で効果的にまちを変化させられると思うんです。
BAIBAKIさんのような人が現れて、淀川区の未来は明るいですね。
いやいや、そんなことはないですけど。コロナがあったり自分の子供ができたりして、いろいろ人生設計にも変化があって。死ぬときにお金が残るより、壁画が残るほうが意味のある人生ちゃうかなって思ったんです。自分が死んだあとも自分の作品が文化を生み出していく、そっちのほうがこれからの人生魅力的なんちゃうかなと思うようになりました。しっかり向き合って、残るものを作っていきたいなっていう感じになりましたね。
心境の変化を経て、これから挑戦していきたいことはありますか?
このスタジオをアーティストが滞在制作できるレジデンスにしたり、若いアーティストが実験できるような環境をつくっていきたいなっていうのはありますね。個人の作家としては、鉄のBAKI柄とか立体の作品もやってみたいですね。僕が作った立体作品が、パブリックアートとして駅前の彫刻とかになったら面白いなと思ってます。
BAKIBAKI
1978年生まれ。オリジナルデザインの