死ぬまでフロアにいたい。アツいイベントを仕掛け続ける『CATS』の吉田サキさんが持つ、好きなものへの熱量って。

コロナ禍でイベントやフェス、ライブが開催中止に追い込まれたり、運営サイドの努力とタイミングが重なって幸運にも開催できたり。音楽を愛する人たちにとって一喜一憂を繰り返してきたこの2年間は、仕方のないことだと分かっていても胸の中にはもどかしさが募ってたと思います。でも、いろんなルールを守った上で開催できるようになってきたし、「今年こそは!」と意気込んでる人も多いんじゃないでしょうか。アメ村のミュージックバー『CATS』の吉田サキさんも、そんな想いを持った当事者の一人。18歳の頃からクラブカルチャーにどっぷり浸かり、現在はさまざまなアーティストとの繋がりを生かしながら周囲も驚くアツいイベントをどんどん発信してます。観る側はもちろん、演じる側も最高に楽しめるイベントを企画してる吉田サキさんって、一体どんな人なんだろう?ってことで、クラブカルチャーとの出会いから『CATS』のこと、これからのことなどをいろいろインタビュー!好きなことに全力って、やっぱ最強ですね。

その日にやってるイベントを全部回ってるんじゃないかと思えるくらい、毎日クラブをハシゴしてた。

アメ村は大阪のいろんなカルチャーが生まれてきた街だと思います。中でもサキさんはクラブカルチャーに身を置いてるわけですが、昔からよくアメ村で遊んでたんですか?

地元がわりと近くだったんで、小学生の頃からアメ村には来てましたね。天王寺で遊んでた時期もあったし、進学した中学の最寄りだった布施の方でも遊んでたけど、やっぱりアメ村が遊びの原点だったかも。買い物したり、みんなでブラブラしたりしてましたね。

大阪の都会っ子あるあるですね。ってことは、クラブにもよく通ってました?

高校を卒業してアメ村のルナークラブ(現在は閉店)でバイトしてたんです。だから、クラブに行くというかバイト先だったんでね。ただ、バイト終わりに界隈のクラブには行き倒してましたし、高校時代からライブにもめっちゃ行ってました。

完全に生活の一部になってたと。じゃ、高校を卒業してからはクラブで働く毎日?

いえ、大阪芸大の短大に行ってました。

芸大やったんですね!何を専攻してたんですか?

映像学科です。昔から勉強するのが好きじゃなかったから、高校時代はテストがない科目ばっかり選択してたんですよ。それでふと気づいたら、進学できる大学が限られちゃってて(笑)。先生に「大学はどうする?何が好きなん?」と聞かれて、映画や絵を描くことは大好きだったのでそんな話をしてるうちに「じゃ、芸大に行き!」って感じで。

必然的にやりたいことだけが絞られていった感じですね。でも、当時はクラブも朝まで営業してるところが多かったから、学校に行くのは大変だったのでは?しかも芸大はちょっと遠いし。

マジで毎日クラブをハシゴしてましたね。その日にやってるイベントを全部回ってるんじゃないかと思えるくらい。友だちと集合するけど各自行きたいものがあるから一旦解散して、最後にまた集まる感じ。そりゃ1限目の授業なんか行けるわけないですよね…。単位が足らなくて「留年かも!」っていう瀬戸際をいつも生きてました。なんとかギリギリで卒業はできたんですが、卒業制作が完成したのも卒業式の前日でしたから。

ホントのギリギリですね。ってことは就職は?

してないですね。就活する暇もなかったというか、まぁ自業自得ですけど。そのまま卒業後もクラブでバイトを続けて、昼間の仕事も掛け持ちするような日々でした。

昼間の仕事とは?

映像会社で委託のカメラマンをしてたんです。短大時代に一通りは勉強してたんで、結婚式や幼稚園の行事などを撮影して、編集までやってましたね。

夜と昼で全然違う顔!でも、昼をメインにせずにクラブで働き続けてたのには理由があると思うんですが。

やっぱり音楽が大好きだからかな。パパはレゲエ、ママはユーミンが好きで昔から何かしら音楽はかかってるような家だったし、友達のお兄ちゃんがバンド好きだったし。気づいたら音楽にハマって感じです。

何系の音楽が好きだったんですか?

バンプ・オブ・チキンとかハイスタはめちゃくちゃ好きでした。自分のお金で初めて行ったライブがバンプで、高校1年からコロナで開催中止になるまでサマソニには毎回行ってましたね。夏休みとかには、全国各地のフェスに行くのが生きがいって言えるくらい。

なるほど!やっぱりサキさんは自分の好きなものがいつもそばにあるというか、好きなものの中にいるのかも。昔も今も、それは変わらないのかもしれませんね。

そうかもですね。昔から自分が興味のないものには一切振り向かないけど、その反面、興味のあることにはとことん突き進む性格。好きなこと、楽しいことのためだったら頑張れちゃう。正直、それでしか生きてきてないかもですね。

めちゃくちゃ素敵だと思いますよ。好きなこと、楽しいことのためなら頑張れるパワーって、一番エネルギッシュだし。しかも、今はそれが仕事にもなってますからね。ちょっとクラブのことに話を戻しますが、『ルナークラブ』で働いてから『CIRCUS Osaka』に移ったんですか?

ちょっとややこしいんですけど、『ルナークラブ』でバイトしてる時に、『パッション』で店長してた知り合いから「ちょっと手伝って」と言われたんです。でも、バイトを始めたら一度閉店して、新しいクラブに変わるって聞かされて…。「マジで?」って感じでしたが、それが『CIRCUS Osaka』だったんです。

じゃ、オーナーやクラブは変わっても、そのままスライドできたんですね。

偶然ですけどね。『CIRCUS Osaka』を新たに始めるオーナーのTOYOさんが内見に来た時に、「あの子は残してほしい」と言ってくれたみたいで。TOYOさんは『トライアングル』出身だったんですが、新しい空気感を作るためにもちょうど人を探してたそうなんです。私も暇だったし、バーカウンター担当してたから現場の段取りもすぐできるってこともあり、お互いの思惑がマッチしたんでしょうね。そのまま『CIRCUS Osaka』で働かせてもらうことになったんです。

初めてイベントを企画した時、スタッフの反応は微妙。でも、私の心の中は「知らんやろ?お客さんめっちゃ入るからな!見とけよ!」って。
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Profile

吉田サキ

アメ村のミュージックバー『CATS』の店主。18歳の頃からライフワークの如く夜のクラブ活動を続け、そこで培ったアーティストたちとの繋がりを生かしながら、HIP HOPをはじめさまざまなイベントを企画している。周囲からは「いつもスゴイ人をイベントに呼んでくる!」と言われるほどのブッキング力を持つが、本人は好きなものに対してただ真っ直ぐなだけ。これからの大阪のクラブカルチャーを支えるキーマンの一人。

Shop Data

CATS

大阪府大阪市中央区西心斎橋1-8-16 中西ビル3F
TEL/06-6241-3822
営業時間/21:00~(イベント時は異なります)
定休日/不定休

https://circus-osaka.com/cats/

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