“おもんなおもろい”が僕の原点。<ツートライブ>周平魂に息づくカルチャーと、揺るぎないお笑い観。
下積み時代も長かったけど、ずっと楽しくて面白かった。憧れのヒロトとマーシーのように、自分も人の心を動かすような人になりたい。

ご自身の芸人人生を振り返って思うことや、過去の自分にかけたい言葉ってありますか?
同級生に「苦労したな」って言葉をかけられることがあるんですね。まぁ18年くらい売れずに芸人を続けてきたのもあるし、「苦労したな」と言われるたびに「苦労したんかな」って思うんですけど、これってめっちゃ都合のいい解釈で。正直、奥さんは僕の月収が4万円の時に結婚してくれたんですね。バイトを3〜4つ掛け持ちして、空いてる時間は全部ネタ合わせ。バイトも、ネタを考える隙のある駐車場を選ぶような変なやつと結婚してくれた。そんな生活を思い返すと、「苦労しましたね」「そうなんです。苦労しました」って言うのは違うんかなと。リアルタイムで「苦労してる」と思いながら生活してたら、とっくに芸人を辞めてると思うんです。メディアでは、いかに苦労してきたかにフォーカスされることが多いけど、当時の自分は苦労しているなんて思ってなくて。むしろ、日々の生活やバイト先で溜まった鬱憤を、舞台でお笑いに昇華して気持ちよくなっていて、そのためにバイトをしてる、くらいの感覚でした。夜中に駐車場のバイトをしていると、奥さんが弁当を作って持ってきてくれていて。それをパッと食べてちょっと喋ったり、後輩が来てネタの相談をしていったり。バイト先の人も寛大やったんでね。そういう毎日がずっと面白かったから、続けてこれたんやと思います。
苦労した時期も「面白い」と言えるのは周平さんだからなのでは?
長く続けてる芸人は、わかると思いますけどね。周りからすると苦労に見えるかもしれんけど、本人のやりたいことをやれてる時点ですごく幸せですし。もちろん上手くいかんかったり、疲れたりしてしんどい時期もあったけど、総じて楽しかったなと思います。だから、過去の自分に声を掛けるとしたら、「楽しいやろ?」くらいの感じかな。ずっと楽しくやってこれてるので。

今後は、どんな芸人さんになっていきたいですか?
僕はザ・クロマニヨンズが好きなんですが、それはなぜか考えてみたことがあるんです。芸歴5〜6年目の頃、ネタがウケなくて悩んだことがあって。どうしたらええんやろって考えていた時に、ザ・クロマニヨンズが助けてくれたんです。「恋に落ちたら」っていう曲があるんですが、最初から最後まで「あのね」だけなんですよ。これを、僕よりずっと年上のおじさんが作ってる。それを聴いて、「自分は何をこんな細かいことで悩んでるんや」って思えて。僕が心を動かされるのって、決まって何かをずっとやり続けている人なんですね。今でもクロマニヨンズが年に1回CDをリリースするんですけど、それを聴きながら街を歩いていて、「60歳くらいの人が、こんなに新鮮に自分の見た景色のことを歌えるんや」って感動します。そうやって聴いている矢先に、三浦知良がスイスの3部リーグに移籍、みたいなニュースが流れてきて、もう発狂しそうになるんです(笑)。「ああ、俺はこういう人に心を動かされるんや」って理解してからは、自分もそういう人でありたいと思うようになりました。自分がやりたいことを最後まで突き通す。そんな生き方ができたら最高ですよね。皆さん、僕より何百倍も有名な人たちですけど、そんなの関係なく、自分も同じような生き方ができたらいいなと思いますね。
最後に、ツートライブの漫才ツアー『闊歩旅』の意気込みを教えてください。
大阪時代から毎月欠かさす新ネタライブをやっていて。毎回3本ずつやるんですが、その中から厳選したベストアルバムみたいなライブを、東京、名古屋、大阪の3都市で開催します。今年から楽しいルールを設けようと思っていて、3公演全部埋まったら、来年1箇所増やして4箇所巡る予定です。埋まらんかったら2箇所に減るので、絶対に埋めたいんですよね。毎年これを続けていけば、50歳の時に10箇所行ける計算になるんです。これは抜け道でもありますが、キャパは別にちっちゃくてもいいことにしていて。そこはクロマニヨンズさんが、結構小さいハコでライブをしてるのを参考にしています。だから50歳の時に10箇所回らしてください。お願いします!

<周平魂のお気に入りスポット>
てげてげ(大阪市浪速区日本橋東)
日本橋にある居酒屋さんで、昔ここでバイトをしていたんです。大将には本当にお世話になりました。大将は、持ち手に対して刃渡りがすごく短い包丁を使っていて、ずっと「なんやあれ」って思っていたんです。ある日のバイト終わりに、「その包丁なんなんですか?」と聞いてみたら、「亡くなったお母さんからもらった包丁や」と。大将が料理人になった時、同じく料理人をしていた母親が贈ってくれたものだそうで、今でも大切に使っているんやと、めちゃくちゃ恥ずかしそうに教えてくれて。ああ、やから僕はこの人のことを魅力的やと思うんやって、わかった気がしました。
<INFORMATION>

ツートライブ漫才ツアー『闊歩旅’26』IN大阪
日程: 10月18日(日) 19:00開場 / 19:30開演
場所: 近鉄アート館(大阪市阿倍野区1-1-43 あべのハルカス近鉄本店 ウイング館 8F)
出演: ツートライブ
料金: 前売3,500円 / 当日4,000円 ※前売り券が完売した際は、当日券なしの場合あり。

周平魂
1983年生まれ、京都府出身。NSC大阪校30期生。大学の同級生として相方のたかのりと出会い、2008年に<ツートライブ>を結成。2025年『THE SECOND 〜漫才トーナメント〜』王者。今年4月に上京し、劇場を中心に活動。2023年より各地を巡る漫才ツアー『闊歩旅』をスタート。ミルクボーイ、金属バット、デルマパンゲとのユニットライブ『漫才ブーム』で10年間ツアーも行っている。
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