コラージュは人生とリンクする。コラージュアーティスト・ASOTAさんが、挫折と選択を繰り返して見つけた、いつでも心に“遊び”を持つ生き方。


スケートカルチャーが、自分の表現を拡張していった。

コラージュアートを始めたのはいつ頃からですか?

一番最初にコラージュをしたのは、芸大に行きたくて美術受験予備校に通ってた時に出された課題ですね。個人として没頭し始めたのは、地元のスケートショップがきっかけでした。

芸大を目指されていたんですね。

そうなんです。その話もスケートと深く関わっていて……。まずコラージュの話をすると、地元に『UNOWN』っていうスケートショップがあるんです。その店を作った地元の大先輩の高山仁さんが、僕の人生の師匠というか。スケボーはもちろん、生き方とか遊び方とかを教えてくれた人なんです。で、仁さんがスケートデッキに透明のグリップテープを貼ってコラージュをしていて、それがめちゃくちゃカッコよくて。

スマホケースにお気に入りのステッカーを挟む、みたいな。

そうそう。当然自分もやりたくなって。大体1〜2ヶ月に1枚デッキを替えてたんですけど、自分のデッキを選ぶ時に毎回コラージュしてたんです。

「当時はデッキを買ったら、昼前からショップの閉店時間までずっとコラージュしてました」

デッキに愛着も湧きそうですね。

そうなんですよ。それと同時期にのめり込んだのが映像なんです。高校生の頃、大阪の<TIGHTBOOTH PRODUCTION>がリリースしたスケートビデオ『LENZ』の一作目を見て「日本のスケートシーンってこんなにクールなのか!」って雷が落ちたような衝撃を受けて。

ヤバかった?

ヤバかった。それまではTHRASHERとか海外のスケートボーディングをずっと観てきたけど、編集とか音楽とかファッションにもどっぷり魅了されて。それで自分も映像を始めたんです。

スケートカルチャーを通して、自身の表現がどんどん拡張されていったと。

もうその時は「面白いことならなんでもやりたいっス!」みたいな(笑)。そんな時、仁さんのショップに“春の遠足”って書かれた手作りのしおりが置いてあったんです。中学を卒業したローカルのキッズたちが、逗子から箱根までの約60kmをスケボーで巡る旅を企画してて。やばいですよね(笑)

若さが爆発してますね(笑)

そのしおりを見てすぐ仁さんに「映像撮りたいので連絡先を繋げてください!」ってお願いしたんです。その旅の記録をロードムービーっぽく映像にしたら、仁さんも絶賛してくれて。ちょうど毎年5月のゴールデンウィークに、逗子海岸で映画祭があるんですけど、仁さんはそのイベントの運営にも関わってたので、そこで映像を流してくれることになったんです。

すごい貴重な経験!

会場にはスケートの大先輩たちをはじめ、いろんな人が観に来ていて。映像を見ながら泣いてる人もいれば、爆笑してる人もいる。遊びの延長で作ったビデオが、人に伝わる作品になって心を動かしてるってことに感動して。自分の表現を仕事にしようと人生の指針が決まって、藝大に行くことを決意したんです。

 

 

現在は非公開なものもあるが、『春の遠足』シリーズは5まで制作。どれも青春純度100%の作品! ぜひチェックを。
スケートで広い世界に飛び込んだつもりが、逆に狭めてた。映像ではなく、自分に合ってる表現はコラージュなのかもと気づいた。
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Profile

ASOTA(あそた)

1995年神奈川県葉山町生まれ、大阪在住。16歳でスケートボードの映像制作を始め、映像作家として創作活動を開始。19歳の頃、地元逗子市のスケートショップ UNOWN で、スケートデッキのグリップ面にコラージュを施したことをきっかけに、アナログコラージュの制作を始める。
スケートビデオの編集を通して培った、異なる断片をつなぎ合わせることで、想像していなかった新たな世界を立ち上げる感覚。それはやがて映像からコラージュへと受け継がれ、現在の制作の根幹となっている。
古書や雑誌などから見つけた写真や印刷物を、拡大・縮小することなく本来のスケールのまま切り取り、緻密なカットワークによって組み合わせる。一見すると自然に調和しながらも、細部には矛盾や齟齬が潜み、「しっくりくるのに、どこか辻褄が合わない」独自の視覚世界を構築している。
その背景にあるのは、自身の名前「遊太」にも由来し、人生の軸として大切にしてきた「遊び」の感覚である。スケートボードのためにつくられていない街の風景からスポットを見つけ、そこに新たな可能性を想像するように、既存のイメージの中から断片を発見し、組み合わせることで、現実から少しだけ離れた世界を立ち上げていく。
ここでいう「遊び」とは、単なる娯楽ではなく、日常の中にある可能性に気づくための余白や余裕でもある。現実と想像の世界を行き来しながら作品をつくることで、鑑賞者にもその感覚を手渡し、日常へ戻ったときに、いつもの世界をもう一度違った視点から「遊ぶ」きっかけを生み出すことを目指している。

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